242話 成果報告
各国に訓練をしに行っていたリベルたちをカサムラーの屋敷に連れ戻した翌日、俺たちは訓練の成果報告をすることにした。
「まず俺からだけど、ファラブの人たちにどんなパターンでも対応できるように様々な陣形を教えた。そして、魔法使いには魔法も教えてそれなりに頼りになる戦力になった。ファラブの人たちは結構大人数だからある程度の戦場に耐えられるようにもしておいた。ファラブはどちらかと言うと守りと近接タイプだから他の国の魔法使いたちと組むのが良いと思う。俺からは以上だ」
俺の成果報告を聞いたリベルが続いて報告した。
「次は僕から。エクサフォン国は王都魔法師団であったり王都魔法研究会、冒険者とかなり戦力は潤沢で、ファラブと組むのは互いの欠点を補えるだろうから賛成。それと、冒険者たちなんだけど、強いは強いけど個々のパーティで行動するタイプだから、纏って戦うってことは少ないかも。魔法師団と研究会はそんなことないから安心して。僕からは以上です」
「ファリスとカマンダーはどうだ?」
俺が二人に問うとファリスから話し始めた。
「私と致しましては大いに賛成です。私どもが盾となれるのであれば存分にお使いください」
ファリスの言葉にカマンダーが続いた。
「自分も賛成です。自分たちの欠点は近接ですので、その欠点を補えるファラブの盾は頼もしいでしょう」
「それじゃあ陣形などは後で話し合うとして、ここはこれで決まりだね。次はヒューお願い」
「それじゃあ魔族の国について話します。魔族の国の戦力はかなり高いと思います。普段から魔物と戦っていて戦闘には慣れています。欠点としてはエクサフォン国の冒険者同様、個々のパーティでの行動を主としているので纏っての戦闘は不慣れです。ですが、基本的な戦闘センスはズバ抜けているので集団戦闘も可能かと。私からは以上です」
ヒューからの報告も終わり次はユディにお願いした。
「ジャドゥー帝国についてだけど、かなり優れた人材が集まっていると感じた。俺が言った事もすぐに吸収して自分のものにしていた。強いて言うなら、俺の魔法の腕があんまりだから魔法使いたちに教えることがなかったのが残念だ。でも、俺が教えなくても十分な戦力を有しているのは事実だ。近接も魔法使いも良いバランスでいるからどこに配置しても邪魔にならない。俺からは以上だ」
次はイシュとルリにお願いした。
「アイベンティーリだな。アイベンティーリは他の国と少し変わっていて、普通の部隊の一人一人が妖精と契約している。だから単純に戦力が多い。それに、妖精が姿を見えないようにしていたら、見える者でない限り視認することは不可能だ。だから、手段を選ばないのであれば妖精に見えないようにして背後に回らせ不意打ちという手段もある。良い気分はしないが、勝つためには仕方がないことだ。私からは以上だ。」
イシュが話し終えるとルリが話し始めた。
「私からは少し付け加えると、妖精たちに魔法のコツとか諸々話して、強い冒険者と同等かそれ以上まで育て上げたから期待して良いよ」
最後はルナとカサムラーにお願いした。
「それでは悪魔の国の説明を始めます。我ら悪魔は魔神に従属化させられる可能性があるため、カサムラー様の闇魔法の影響下になりました。ですが、魔神はカサムラー様の上をいく可能性は十分にあります。そのため、光魔法が使えるリフォン様やエクサフォン国の聖女と呼ばれる方たちのような光魔法が使える方は最優先で守ってください。それが唯一と言っていいほどの対抗策です。ですので、我ら悪魔は真っ先に魔神を攻撃します。正直に言いますと、我ら悪魔は当たって砕けろのつもりで戦います。皆様の脅威となる可能性がありますのでその可能性を一パーセントでも下げるためです。我からは以上です」
ルナの言葉に俺たちは言葉を失った。実際、魔の付く者は魔神に従属化させられる。だから、魔族の国の冒険者たちには俺が光魔法でそれを防ぐことになっている。だが、悪魔に光魔法は致命傷となる。だから、光魔法で魔神から守るということはできないのだ。何か他に方法はないかと考えたが、思いつかない。おそらくルナたちもそうだろう。だから、当たって砕けろの意志なのだろう。俺は何かできないかと考えているとルリが言った。
「リフォンとルナは契約したよね。その契約って魔神の従属化に抗えるのかな?」
ルリの言葉に激震が走った。あまり鮮明には覚えていないが、契約は賢者でもどうすることもできないと記憶している。それなら魔神もどうしようもできない可能性はなくはない。たとえ魔神が賢者より強かろうと契約には歯が立たないことを祈ると同時に契約をすれば従属化しないことを信じてある提案をした。
「それなら、カサムラーが国民全員と契約をしたらどうだ? カサムラーなら魔神に従属化させられないんじゃないか?」
俺の問いにカサムラーは考えた。同胞皆と契約することは今後大きな負担になるだろうが、契約しなければ同胞が世界の敵となる可能性もある。そのような考えを巡らせているのは想像に難くない。そんなカサムラーは難しい顔をしながら言った。
「少し考えさせてくれ……」
そう言うとカサムラーは自室に戻った。残された俺たちは何か話さなければならないこともないため自然と部屋を離れた。
次回もお楽しみに




