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転生するなら貴族の飼い猫でしょ  作者: 描空
魔神教団編

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231/257

231話 偽り

俺とヒューが魔神教団本拠地に来た翌日、アパートで目を覚ました。特段変わったことや変なことはされず仲間内には優しいのだろうと思った。というより、仲間を大切にするのが当たり前だろうから当然と言えば当然だ。部屋の時計を見ると10時を回っており、イオーが言っていた午後からのやることまで時間がある。俺はまだ寝ているヒューを起こし街を散策しようと言った。ヒューは面倒くさそうにしながらもついてきてくれた。


街には様々な種族がいてかなり賑わっていた。一国ほどの人数はいないが、数百人程度いると思うほど人がいた。俺たちのような十代の子どもは極端に少なく、ほとんどが三十代程度の大人だった。しばらく街を散策しているとお腹が空いたため近くにあった飯屋に入り、遅めの朝食もとい早めの昼食を食べた。魔神教団本拠地という割には街にいる人は普通で俺が持っていた魔神教団のイメージと全然違うことに違和感を覚えた。もうそろそろ午後ということもあり俺たちはアパートに戻った。


「おはよう。腹ごしらえは済んだかな?」


部屋の前にイオーがいた。俺たちは適当に返事をした。


「それじゃあ行こうか」


俺たちは昨日言われた通りやってもらうことをするためにイオーについて行った。少し歩くと闘技場のような場所に連れて行かれた。昨日言っていた訓練をするのだろうかと思っているとイオーが言った。


「それじゃあ今から君たちに訓練をしてもらうんだけど、ヤバくなったら僕が助けるから安心してね」


俺たちはイオーが何を言っているのか理解できなかったが、闘技場の奥からいつぞやにリベルが討伐したライオンのような魔物シィーが首輪に繋がれてやってきた。シィーの首輪を持っている人は屈強な大男でシィーに力で負けなさそう体躯だった。


「ま、まさかアレと戦えって言わないですよね?」


俺がイオーに問うとイオーは微笑み何も言わなかった。俺は恐怖で慄く少女を演じる方が良いのか、逃げられないことに覚悟を決めて全力を尽くす少女を演じる方が良いのか悩んだ。でも、ヒューは何も悩んでおらずニーナとして俺の前に立った。おそらく本心としてはシィーと戦いたいだけだろうが、ヒューの良い判断に俺は合わせることにした。俺は危機的な状況でも逃げ出すことなく姉を支える妹を演じた。


「本当に力抑えてやれよ」


俺はヒューにだけ聞こえる声でそう言った。ヒューは良い表情で頷いた。俺たちの準備が整ったのを確認した大男がシィーの首輪を外した。その瞬間シィーは俺たちに向かってきた。俺たちは左右に避け最低限の威力の魔法を撃った。ヒューは雷魔法を俺は火魔法を。シィーは俺たちの魔法を避けようとしたが、二方向から来ているものを完璧には避けられず、俺の火魔法が当たった。でも、シィーの体表に防がれほとんどダメージは与えられてなかった。シィーは俺に火魔法を当てられたことに怒りをあらわにし俺に向かってきた。ヒューはそれを確認すると、魔法のイメージを始めた。俺は何とか時間を稼ぐためにシィーの足元に水魔法を使った。シィーは少し走りづらそうにしており、俺はその間に距離を取った。と言ってもほんの僅かなため再び水魔法を使った。今度はシィーを水没させるようにシィーを水で囲った。シィーは初めてのことに一瞬足を止めた。その刹那をヒューは見逃さなかった。ヒューはイメージしていた雷魔法をシィーに撃った。俺が水魔法を使っていたことにより雷魔法の通りが良くなりシィーにダメージが通った。シィーは辛そうにしており立っているのがやっとと言った感じだった。それを見た大男がヒュイっと口笛を吹いた。


「凄いじゃないか! 初日でシィーを負かした新人は君たちが初めてだよ。君たちを勧誘して良かったよ」


イオーは俺たちのことを褒めてくれ俺たちは偽りの笑顔を見せた。偽りの実力に偽りの外見、この全てを利用することで魔神教団を調査することができている。決して偽っているのがバレないように悟られないようにしなくてはならないのは心労が絶えない。そんな心労すらも表に出してはいけない。ヒューはよく我慢できるなと思っているとイオーが言った。


「大丈夫疲れてない?」


俺は心労が表に出ていたかと動揺したが、シィーと戦った疲れだと理解し落ち着いて答えた。


「ちょっと疲れました」


「そうだよね。今日はもう休んでて良いよ。もし気になることとか聞きたいこととかあれば、アパートの前の道を真っ直ぐ行って突き当たりを左折したら少し大きな三階建ての家があるからそこに来て。僕はそこにいるから。それじゃあお疲れ」


イオーはそれだけ残して去った。俺たちは闘技場にはまだ来たことがなかったため、辺りを散策してみることにした。と言っても、普通の街が広がっているだけで特に有益な情報はなかった。そこで俺は地下に何かがあると考えて地下の空間を探すために地面に風魔法を使ってみた。俺は一つでも地下室があれば良いと考えていたが、風魔法を使ってみると、十個もの地下室があった。俺はまさかの事実に驚きを隠せなかった。その地下室がどのような所なのかまでは分からなかったが、本拠地に散りばめられているように地下室があった。上辺だけ見ているとただの街だった魔神教団本拠地の裏の顔が見えたような気がした。この地下室に何かがあると確信した俺はヒューにこのことを伝えた。


「機会を伺って潜入するしかないな」


ヒューの言うことに俺は賛成し機会を伺うことにした。まず、どこに地下室があるのか調べることにした。

次回もお楽しみに


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