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19話 マリー先生の危機!?

1000PVありがとうございます!これからも日々邁進してまいりますので応援のほどよろしくお願いします。異世界に転生した俺はリフォンという名を貰い猫生を送る事になった。でも優雅に生きて死ぬだけでは面白く無い。異世界に転生したのに勿体無い。異世界を思う存分堪能してやる!

 ホームルームの始まりを告げる鐘が鳴った。

「よーしみんなー席につけー。」

 マリー先生は昨日より目の下のクマが濃くなっている。今にも寝てしまいそうなほど瞼が閉じている。

「今日は二限とも私の魔法演習だ。魔法競技室に来ること。剣術指南室の向かいだからみんな遅れないように来ること。」

 そのままマリー先生は教室から出て行くが、その足取りはおぼつかない。これは良くないと思った俺は考えるよりも先に体が動いていた。俺はリベルの袖を噛んで引っ張りマリー先生の所に連れて行った。

「どうしたの?」

 俺は有無を言わさず連れて行った。そこにはマリー先生が倒れていた。

「マリー先生!?大丈夫ですか?」

 マリー先生は顔色が悪くリベルが呼び掛けても返事をしない。俺はそんな状況で慌てずにメアリーを呼びに行った。メアリーは光魔法の勉強をずっとしているから回復を使えると考えたからだ。

「ニャ!」

「ど、どうしたの?」

 俺はリベルと同じ方法でメアリーをマリー先生の所に連れて行った。メアリーはマリー先生が倒れている事に気づきすぐに光魔法を使った。その魔法はマリー先生の全身を包み込み光を放っている。しばらくメアリーが魔法を使っているとマリー先生の顔色が良くなった。

「もう大丈夫だと思う。」

 メアリーは魔力の使い過ぎか冷や汗をかいている。俺はリベルが勉強中に喋っていた事を思い出しながらメアリーに魔力を流した。俺の魔力を五分の一程流したらメアリーの顔色は良くなってきた。聞き齧った知識だったが成功して良かった。

「リフォン君がくれたの?ありがとう。」

 メアリーは俺の頭を撫でながら言った。メアリーから撫でなれるのは初めてだったがとても気持ち良かった。

「ニャー。」

「マリー先生を救護室に運ぶからみんなに伝えてくれる?」

「わ、分かった。」

 リベルはマリー先生を背負い救護室に向かった。リベルは入試の日に使用したから場所を覚えていたようで確かな足取りだ。でも十二歳の子供に大人を背負わせるのは心配なので猫に関する魔法を使ってリベルを手助けた。

「失礼します。」

「あらどうしたの?背負ってるのは…マリー先生!?」

 そう言う先生はユナ・ヘルステル先生だ。リベルが救護室で寝ている間に暇だから猫語で話したり撫でてくれた先生だ。

「おそらく寝不足だと思います。クラスメイトが光魔法で回復させてくれたので大丈夫だとは思いますが、一応ここに連れてきたました。」

「分かったわ。あなたは授業に戻りなさい。マリー先生にはキツく言っておくから安心して。」

「えっと…授業マリー先生なんですよね…」

 ユナ先生はどうしたものかと悩んでいた。

「とりあえず代わりの先生を寄越すように連絡するわ。」

「はい。分かりました。」

 俺たちは救護室を後にした。

(マリー先生大丈夫かな?)

(大丈夫だと思うよ。ていうかリフォンはなんでマリー先生が倒れるの気づけたの?)

(え?普通に顔色も悪くて足取りもおぼつかなかったからだよ。)

(僕たちからは普通に見えたよ。)

(そんな事ないだろ。)

(いやいや普通そうだったよ。)

 俺は明らかにおかしいと思った俺から見たマリー先生は顔色が悪く足取りもおぼつかない病人の様だった。でもリベルたちから見たら普通だった。何かがおかしい。俺はリベルにマリー先生の元に戻る事を提案した。

(マリー先生の所に戻ろう。)

(え?ちょっと待って。)

 俺はリベルの返事を聞く前にマリー先生の所に行った。救護室に着いた瞬間嫌な予感がした。動物の本能がヤバいと言ってる感じだ。それをリベルにテレパシーで伝えるとリベルは先生を呼びに行った。この場には俺とマリー先生とユナ先生しかいない。一番怪しいのはユナ先生だが学園内にそんな人物がいるとは想像したくない。俺は体に火と水を纏い火は見えないように透明にしておいた。覚悟を決め救護室の扉を開けた。

 そこには全身が真っ黒な男が立っていた。その男は俺に気づいた瞬間窓から逃げて行った。マリー先生の枕元に立っていたからすぐにマリー先生の状態を確認した。マリー先生はさっきよりも顔色が悪く息も荒い。脈も不規則でこのままでは死んでしまうのではないかと思い俺はメアリーがやっていたように光魔法でマリー先生を回復させた。マリー先生の体調不良の原因が何か分からないから力任せに回復をしたせいで俺の魔力は半分も減ってしまった。

 さっきからユナ先生の姿が見えないので救護室の全ての扉を開けてユナ先生を探した。薬品貯蔵室にユナ先生は倒れていた。幸い気絶しているだけのようで一安心だ。

「リフォン!?」

 リベルが戻ってきたようだ。

「ニャー!」

 俺は薬品貯蔵室から大声を出してリベルを呼んだ。

「リフォン?先生こっちにきてください!」

 走ってきたのはハイネ先生だった。ハイネ先生はひとまず回復させてベッドに運んだ。ひとまず落ち着きを取り戻したところで俺は自分が置かれている状況に気がついた。周りには学園長、リタ先生、ガイン、ハイネ先生、がいる。ガインを除いて全員学園のしかも魔法を教える立場の先生だ言い逃れは出来ないと腹を括り真実を話す事にした。その前にリベルとテレパシーで相談した。

(俺が全部やったって言わないといけないよな?)

(うん。)

(光魔法を使ったって事言って良い?)

(仕方ないよお父様もきっと人助けの事を褒めてくれて怒りはしないよ。)

(俺が直接話した方が良い?)

(一度僕が何か策が無いか聞くよ。)

「先生一つお願いを聞いてもらっても良いですか?」

「私と君の仲だ。」

「この状況は先生だけに話したいのです。どうか分かってください。」

 学園長は少し考えて言った。

「分かった。先生方は授業に戻ってください。ここは私のゴーレムが見張っておきますから。」

「分かりました。二人ともありがとう。」

「リベル様、リフォン様。私は素晴らしい行いをしたと誇りに思っています。」

「リベル君、リフォン君。マリー先生とユナ先生を助けてくれてありがとう。」

 三人が救護室から出たら学園長は自分の近くに寄れとジェスチャーをした。俺たちが学園長に近づくと一瞬で学園長室に移動した。学園長お得意のテレポートだ。

「先生。ここは誰かに盗み聞きされる心配はありませんか?」

「風魔法で防音処理をしよう。」

 学園長は俺たち二人と自分を囲まるぐらいの小さな空間を風魔法で区切りその中を防音にしてくれた。俺はリベルと顔を合わせ、リベルが頷いた。俺は言葉を発する事を決めた。

「学園長、実は俺喋れるんです。」

「お主と会った時の違和感はこれだったか。」

「気づいていたんですか?」

「確信はなかったがなんとなくじゃ。」

「話を戻しまして、ユナ先生にマリー先生を引き渡した後俺たちは教室に帰ろうとしました。でも俺はなんとなくマリー先生の所に戻った方が良いと思い戻りました。救護室の扉の前に立った時に強烈な憎悪と言いますか、嫌な感じがしました。そこでリベルには先生方を呼びに行ってもらい俺一人で救護室に入りました。そこには全身真っ黒な男がマリー先生の枕元に立っていました。その男は俺に気づいた瞬間窓から逃げて行きました。何をしていたかまでは分かりませんが、マリー先生の容態がとても無視できるものでは無かったのでクラスメイトの回復魔法を見よう見まねで行いました。以上です。」

 俺は出来るだけ分かりやすいように伝えた。

「おそらくじゃがそれは魔王教団の者じゃろうな。」

「魔王?そんな奴がいるのか?」

 俺はこの世界では初耳だったのできちんと聞いた。

「魔王は魔人たちを統べる王じゃ。魔人は人間のような感じなんじゃが体の造が全然違うんじゃ。昔の人たちはそれを理由に魔人たちを迫害して辺境の地に追いやったんじゃ。それだけに飽き足らず、魔王と魔人を一掃したんじゃ。その生き残りが魔王教団じゃ。魔人は人間に対する憎悪が凄まじく、闇魔法に長けているんじゃ。おそらくマリー先生は闇魔法の餌食になったんじゃ。」

「そうか…」

 俺は言葉が出なかった。体の造が違うからという理由だけで迫害され大量虐殺までされたら誰だって人間を恨むだろう。

「マリー先生大丈夫かな?」

 リベルはとても心配そうに俺を見つめてきた。

「大丈夫じゃ。リフォン君の回復魔法は完璧じゃった。」

「お褒めの言葉ありがとう学園長。ところでマリー先生を狙った理由とかは学園長の手を持ってしても分からないのか?」

「流石に心までは読めんな。じゃが二日前から不穏な魔力は感じていた。」

 二日前と言うとマリー先生がダルそうにし出した頃だ。

「おそらくその時からマリー先生は闇魔法の餌食になっていたんだと思います。」

「一教師としてそんな事はあってほしくないが、マリー先生は没頭したらそれの事しか考えん先生じゃから否定は出来んな。」

「でもどうやったって言うんですか?」

 言われてみればそうだ。アイテムのように魔力を流し込んでじわじわと闇魔法を相手に与えるというのは考えづらい。

「マリー先生の私物がすり替えられていたというのが一番可能性が高いと思うんじゃが二人はどう思う?」

「僕は見当もつきません。」

「俺も学園長とほぼ同じです。マリー先生が普段から使用しているものをアイテムを作るのと同じ要領で闇魔法を蓄積させた物にすり替えたというのが俺の考えです。」

「ハイネ先生あたりがエクサフォン学園魔法師団に連絡をしているじゃろうから、調査はその者たちに任せるとしよう。二人とも一つお願いを聞いてくれるか?」

「「はい。」」

 俺たちは息を呑んだ。

「私も生徒たちを守るのに全力を出すがそれでも足りなかったり、無理な場合がある。その時は二人を頼っても良いか?」

「僕たちに出来る事ならなんでも!」

「報酬は期待しても?」

「「あははは!」」」

 俺の言葉で二人が笑ってくれて嬉しいが実際何か報酬は欲しいところだ。

次回もリフォンの猫生をお楽しみに。


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