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第81話 武器が出来たぞ その2

本日は 3話 同時投稿しております

こちらは 2/3 作目です。


ケーテさんのママ、テーアさんが武器の試し切りをしているのを 皆で見ている。


ケーテさんのお父さんの武器は、槍と斧が一緒になっている感じの武器だった。ハルバートって言うんだっけ?ケーテさんが槍で訓練していたのは、お父さんの影響なのかもね。

お兄さんの武器は、所謂片手剣というタイプの剣だ。長くて両方に刃がついていて、先も三角に尖がっている。

もしかしたら小柄な人なら両手剣として使うのかもしれないけど、お兄さんはマッチョだから片手でヒョイって持ってる。

んで、スレンダー美人のテーアさんは、大剣っていうの?

あの最後の幻想シリーズに出てくる 主人公の金髪ツンツンが抱えてた あのデカイ剣みたいな大きさだ。


「お父さん、あの大きな剣 なんていうの?」


「ロングソードとも言うが、あそこまで分厚くて斬るというより 叩き壊すに近い剣はバスタードソードと呼ばれるな」


《《バスター》》ソードではないんだね?

何だろうね、弓矢とか、それこそ鞭とかで戦ってそうな人が、誰よりも先陣を切りそうな武器を持ってるって、イケナイ扉を開けてしまいそうだわ。


背中に構えたバスタードソードのグリップを握り、抜いたと思った時には 的が粉砕されていました。


「か、かぁっこいい~~~~~!!!!」


「母さん、すごい!ヴィオ、私もそう思う、母さんとっても格好良かったよね!」


「あらそう? あなた達にそう言ってもらえるのも悪くないわね」


振り返りながらのウインク頂きました!ありがとうございます!

姐さん、一生ついて行きます!


「ギレン、もう少し先端に重さが欲しいわ。 グリップは丁度良い感じね。調整よろしく」


「はいはい、相変わらず鈍ってないようで安心しましたよ」


的を片付けながら苦笑いをしているギレンさん、仲良しなんですねぇ。

続いてお試しはケーテさん。こちらは武術訓練でも練習していたように 槍を武器にするようで パパさんが木の棒を使って 手合わせするみたい。


「お父さん、木の棒じゃ 流石に切れちゃうんじゃない?」


「技量がなければそうじゃろうが、ケーテの腕じゃ まだまだ相手にはならんじゃろ」


ケーテさんが持つ槍は 勿論刃があるし、横なぎにすれば断ち切れるだろう。だけどお父さんは只の棒でも切れることはないという。

そう言われたので静かに見ているんだけど、確かに突こうが、薙ごうが、振りかぶろうが、全ていなされている。


「ほれほれ、そんな正面から真っすぐ来たら、ほれっ」


連続突きで攻めようとしても、槍の支柱を木の棒の先端でチョイチョイ叩くことで、全くタディさんにかすりもしない。

ケーテさんの動きは 結構な早さなのに、タディさんは片手で楽しそうに、というかおちょくりながらヒョイヒョイ避けるのだ。

これが金ランクなのか……。


「ほれ、これで何度足を切られた? 足元を疎かにするなと言ってるだろう?」


ケーテさんもだんだんムキになって、動きがどんどん単調化していき 木の棒で太ももや ふくらはぎをペシペシされている。

お父さんの訓練もそうだけど、冒険者の英才教育って中々ハードなんだね。

結局一カスリもできないまま、ケーテさんの体力が切れたところで終了となった。


大の字で倒れているケーテさんを抱っこして壁際に置かれた椅子に移動したタディさんは、嬉しそうにケーテさんを膝に乗せている。



「ヴィオ」


「あっ!そっか、次は私だね、お父さん行ってくるね」


ケーテさん達を眺めていたらお父さんに声を掛けられ、自分の番だった事を思い出す。

ギレンさんの元へ駆けて行けば 箱に入った剣を見せてもらった。


「右と左で少し刃の大きさを変えてる。その辺も確かめてくれ」


「うん、すごい!格好良い! ギレンさんありがとう!」


お店で見せてもらった短剣は 三角形というか、左右対称の尖がった剣だったんだけど、お願いしたのは片刃の反りがある短剣だ。

刃の長さだけで10センチくらいはあると思う。

持ち手にはグリップっていうのかな、取手が着いてて 手がすっぽ抜けないようになってる。


両手に其々剣を持ち、握りを確認する。

うん、握りやすいね。


次にそのまま素振りをしてみる。

重さも左右で変えたというけど違和感はない。右の方が少し刃の先端が太いね。


次は的で……と思って移動しようとしたら待ったがかかった。


「折角だ、珍しい武器だし うちの息子は暇しているからな、こいつを的にして組み手をしてみないか?」


「ええっ?父さん こんな小さな子供に何言ってんの? 流石に可哀想だろ」


突然振られた お兄さんのガルスさんは驚いているけど、ギレンさんもテーアさんも頷いているし、どうしたら良いかと思ってお父さんを見つめてみる。


「ははっ、まあ ええんじゃないか?

ヴィオは 強化と鎧を外さんようにやってみればええ。

動かん的相手よりは ヴィオも楽しいじゃろうし、ガルスが嫌でなければ相手をしてやってもらえると嬉しい。ただし、ヴィオは武器での手合わせはしたことがないが 身体能力はそれなりに高いから、気は抜かんようにな」


お父さんからもOKが出てしまいました。

まあ銀ランクの冒険者さんだもん、私如きが傷をつけられるとは思っておりません。胸をお借りいたします!


「ええっ、ほんとかよ。 ヴィオちゃんだったよね?こちらは木の棒を使うけど 手足を狙っていくから 無理だと思ったら直ぐに “待った” を宣言してね」


「はい!ガルスさん よろしくお願いします」


周りの大人に味方がいない事が分かったガルスさんは、渋々ながら受けてくれることになりました。

待ったを宣言すれば終わりらしいけど、ケーテさんみたく体力が終わって倒れても終わりらしい。

なんと脳筋なトレーニングなのでしょうか。


お庭の中心に立ったガルスさんは 普段使っている剣と同じ長さの棒を使うらしい。

ぶらんと下げた右手に棒を持ち、いつでもおいでと言ってくれる。


両手に短剣を構え、腕と足に身体強化をかけ、全身には結界鎧を纏わせる。


「おや?」


「ほぉ」


成人しているガルスさんはお父さんよりは小柄だけど、身長180センチほどの長身だ、対して私は120センチ弱。

屈んで小さくならなくても十分なので、そのままガルスさんの足元まで跳躍するようにダッシュする。


「はっ?」


そのまま足元を狙うように右、左と短剣を振るうけど、飛退いたガルスさんの木の棒で逸らされる。


「まじかよ」


気合を入れ直したらしいガルスさんの身体から魔力が溢れた。多分身体強化魔法かな? お肌を硬くする系?

だったら多少刃が当たっても大丈夫ってことだよね?

飛退かれた分、直ぐにこちらも体勢を整えて 再び剣を振るう。右、左、右、

カン カン カン

ただの木の棒のはずなのに、剣撃を逸らされる、ムムウ。


ガルスさんからも棒で私の足を払おうとしてくるけど、これは私が飛んで避ける。

何度かそんな打ち合いをしていれば、ガルスさんがクルっと振り返った。

と思えばその尻尾が私を横なぎにしようとして来たので、とっさに転がりながら反対側に避ける。


「おお!」


「なっ!これも避けるのか?」


避けた先から ガルスさんの背後に回り込み、脚力強化で飛びあがり ガルスさんの頭上から両手剣を振り下ろす。


「参った!」


振りかぶったところで宣言されたので、剣を胸の前でクロスさせるように持ち直してから着地した。ふう、危なかった~。


「ガルスさん、ありがとうございました! お父さん、どうだった?」


「想像での練習が上手くできておったんじゃないか? 最後の飛び上がるのは 魔獣相手では危険な可能性もあるから、よく見極める必要があるな」


おお、確かに正面がら空きだもんね。気を付けよう。


「ガルス、お前 全然ダメだったな」


「父さん、無茶言うなよ。あの子本当に5歳なの?ドワーフとかじゃないの?」


またドワーフ疑いが出ているね。タディさんからおちょくられているけど、結局一撃も入れることが出来なかったのに、全然ダメとか言われちゃうんだね。

流石金ランクのスパルタ教育。


「ヴィオ、お前さん もう一つの武器はどうするんだ?」


其々の家族との会話をしてたら ギレンさんから声が。

え?まさか もう一つって 鞭もできたの?




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