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第80話  武器が出来たぞ その1

本日は 3話 同時投稿しております

こちらは 1/3 作目です。

武器屋ダンダダのトカゲ獣人 ギレンさんに武器を依頼したのは 火の季節の1か月目(7月)の最終週のはじめだった。


昨日の学び舎が終わった帰り道、広場で会ったギレンさんから武器の完成を教えてもらった。

およそ2週間で完成って早いよね。

私が小さすぎるから、既製品のグリップ調整とかではなく 一から作るから遅くなるって言われてたのに。


お父さん曰く、ダンダダはギレンさんの お爺さんがはじめたお店で、ギレンさんで3代目。

村には 鍛治工房も武器屋さんもいくつかあるけど、ダンダダの武器が 一番性能が良いんだって。

他のお店は 武器特化の鍛治工房ではなくって、他の調理器具とか家庭用品とかも取り扱ってて、武器関係は村人以外の一見さんや 他所から来た冒険者の為の武器屋さんになってるんだって。


確かに、ダンダダは 一見さんなら武器屋さんだとは思わないし、看板がないからお店だとも思わないだろうね。


「今日はもう遅くなるから、明日の朝に行こうな。多分明日試し切りなんかをして、さらに調整をすることになると思うからな」


ああ、そうだよね、流石に2週間で完成って事はないよね。

でも楽しみだ!鞭は素材が特殊だから 流石に出来ていないだろうし、短剣だけかな?


「ふふっ、楽しみ。ちゃんと使えるようになったら 裏の森での訓練に武器を使ってもいい?」


「ああ、勿論じゃ。そのつもりもあって強度を上げて的は作っておるからな。完成して、武器の取り扱いに慣れて、銅ランクになれば、そうじゃな……今月末には 村の外でホーンラビットかウルフの討伐をしてみるか」


ええっ!?

まさかそんな早く お外の討伐に行けるとは思ってなかったよ。

確かに カルタ作りでポイント上げを急ブレーキしているけど、平日分は全部授業で使える用の素材作成までにして、週末だけ常設依頼として提出するようにしているけど、それでも今月末には100ポイントになっちゃうって焦ってたんだよね。

銅ランクになったら、ケーテさんと同じように卒業だし、まだお父さんとの基礎訓練が足りてないから お外は無理だって思ってたのに。


「遅いか早いかで考えれば 早いんじゃがな?

ヴィオは実戦で吸収した方が早いじゃろ?結界鎧も1日続けて保持できるようになってきたしな。

儂との組手は流石に出来んが 出来そうな相手に声をかけておるし、今月の週末は また違う特訓をしてみれば 結界鎧の強度も更に確認できることになるじゃろ」


お父さんと私じゃ背の高さが違い過ぎるし、お父さんがヒヤヒヤしすぎることになるだろうしね。

だけど私と組手が出来そうな相手?

レン君とハチ君? あの二人も武器での練習はやってるもんね。最近はもっぱらアスレチックに夢中になってしまっているけど、体格的には丁度いいよね。



◆◇◆◇◆◇



翌朝 楽しみすぎて早起きしてしまったけど、朝のストレッチはいつも通り。

それでもお店が動き出すより早すぎるという事で、今日の分のカルタ板納品分を作ってしまうことにした。

納品分の2セットが出来上がったところで、そろそろ行くかと声がかかったのが今だ。


「お父さん、鞭もできてると思う?」


「そうじゃな、短剣は出来ておると思うが、鞭はどうじゃろうな。素材の扱いも難しいじゃろうから、まだかもしれんな」


まあそうだよね。

そんな会話を交わしつつ ギレンさんのお店に到着。

中に入ったら 見覚えのある厳ついマッチョたちがいた。


「あら、こんなところで会うなんて珍しいですね」


「おお、久しいのう」


「ヴィオ!どうしたの?」


「ケーテさん! 今ねギレンさんに武器を作ってもらってて、今日は出来上がったって聞いたから見に来たの」


たち……というのはケーテさんを含めた4人。ケーテママはケーテさんとそっくりで、シュッとした切れ長美人でした。

お父さんとママさんも 会うのが久しぶりという訳ではないんだろうけど、ここ(武器屋)出会うが久しぶりなんだろう。

私を見つけて驚いてるケーテさんに 武器を作ってもらっている事を説明していれば、裏からギレンさんが出てきた。


「お~、早いな。まあ、其々出来てるから確認してみてくれ。実際に振ってみて 微調整するから」


そのまま裏庭に消えて行ったギレンさんだけど、多分武器もお庭に置いてるのかな?

ケーテママも冒険者に復活するのなら、武器を新調したってことなのかな?見てもいいんだろうか。

でも駄目だったら ココで止めるよね? 止めないって事は見ていいんだよね? ワクワク!



裏庭に入れば 的がいくつか準備されており、先日は無かったテーブルに武器や箱などが置いてある。


「誰から確認する?タディとガルスの修理が終わったのはそっちだ。試し切りするか?」


「いや、必要ない。近場の森で討伐して確認する」


「ありがとうございます。おお、自分でも手入れしてたけど、やっぱプロが研ぐと全然違いますね」


ギレンさんの確認に応えながら武器の確認をしているのは ケーテパパのタディさんと、お兄さんのガルスさんだ。

厳つい感じだったけど、お兄さん好青年なんですね。


「私から試すわ。アルクさん 良いかしら?」


「ああ、もちろんじゃ、その次はケーテかの?ヴィオは最後にやらしてもらおうな。テーア、うちの娘が見学してもええか?」


こっちではケーテママがお父さんと会話。

見学の許可をもらってくれている、流石です!


「あら、アルクさんの武器じゃないのね?」


「おお、アルクから そっちのちびっことケーテとの組手を頼まれてるんだ。お前さんのも私たちが見学するがいいか?」


「えっ!? 私がヴィオと組手???

ヴィオってば まだ武器での訓練したことなかったわよね?」


「うん、今はまだ徒手空拳だけで これから武器での訓練をはじめるところなの。私も相手がケーテさんだとは知らなくてびっくりしちゃった。

タディさん、見学は勿論大丈夫です。でも初めて使うから私もよく分かんないけど」


ケーテパパ、もとい、タディさんが 組手の話をしてくれたことで、ケーテさんがびっくりしてる。私もまさか相手がケーテさんだとは思ってなくて、二人でビックリしちゃったよ。



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