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第74話  魔術訓練

本日は同時投稿しております

こちらは2/2作目です。

「あれ~?ヴィオ今日は休みだと思ってた」


「ほんとだ、びお 魔法はいっしょにできるの?」


授業の終わりの鐘がなり、サブマスさんにお土産のお礼を言ったら 地階におりる。

お父さんは魔術訓練の木魔法の先生もしているからね。

訓練場に入ったら、1限目にいなかった私を見つけて レン君とハチ君が駆け寄ってきた。


「めがね? ん? ヴィオなんか違う」


「ん~、ほんとだ、なんかちがうね」


二人が私の周りを周りながら 何が違う?とグルグルしてくる。ヤバイ可愛い。


「あら、ヴィオ 魔術訓練は出席なのね?あ、アルクさんこんにちは

眼鏡なんて珍しいわね、ああ、それを用意してたのね。目の色もアルクさんとお揃いになったのね、似合ってて可愛いわ」


ケーテ姐さん、サラリと褒めてくれるの格好良いです!ありがとう!


「あー!ほんとだ、目の色が違うんだ!」


「あ~、そっかあ、あれ?びおの目って何色だったっけ」


理由を探していた二人は ケーテさんの言葉で納得したような、先に気付けなくて悔しいような、そんな感じでした。

まあ理由もなければ人の目の色なんて気にしてないよね?


その後も入室してきた上級生たちから 眼鏡について声をかけられたけど、前回の髪色で『珍しい色だから誘拐される』という理由を覚えていたらしく、色に関しては突っ込まれなかった。

若干10歳以下の子供達ですよ?優秀過ぎません?


『冒険者は魔獣の危険もあるが、それ以外の危険とも常に隣りあわせだ』

というのが学び舎での教えで、獣人の子供たちは 特にそれを教えられて育っている。

安全安心な日本という国で過ごした記憶が残っている私からすればシビアだとは思うけど、村から村までの移動だって危険が付きまとう世界だ。

ランドセルの子供が一人で電車に乗って通学出来たあの国が凄すぎただけである。


鐘の音が鳴って先生が入ってきた。


「は~い、皆さん注目! この度ギルマスたちがギルド会議に行った際、カルタの説明と子供薬草採取について説明して来てくれました。

そのおかげで、カルタに更に注目が集まりました~」


拍手を煽るアリアナ先生に、生徒たちも「おお~」とか言いながら拍手で応える。


「既にメリテントからも定期購入が来ていますが、あちらが依頼している工房でも作り始めているとは思いますが、今回はリズモーニ王国全土のギルドが知りましたからね。

小包便での注文も入ってきています。

ですので、しばらく攻撃・防御魔法の練習はお休みとしま~す」


「「ええ~」」


先生の発言に数名からショックを受けた声が上がる。

まあ、今までは交互に練習してたもんね。


「カルタの板作りは 風魔法と木魔法の細かい練習になりますから、的当てを何度もするより余程訓練になりますよ?

しかもレンとハチは ウインドカッターは無詠唱で出来るようになりましたしね」


「「ええっ!?」」


「え?おれ?」


「ん?むえいしょ~?」


次の発言には ショックではなく驚きの声が上がる。だけど、レン君もハチ君も無意識だったからか、イマイチよく分かっていない。


「おお、この木を角材にしてる魔法あるだろ?あれ、ちょっとやって見せてやれ」


リスマッチョ先生が 二人の前に枝を用意する。

もうそんなに大ぶりなミスはしなくなってるから 細いのでも大丈夫。


「え?いっつものやつで良いの? 

えーっと、ここの線だよね?【ウインドカッター】」


レン君が枝に書かれた線を見て、そこに目掛けて魔法を放つ。

溜めもなく、手を突き出して長々とした詠唱もなく呟いた呪文で 目の前の枝は 真っすぐに切れた。

同じ様にハチ君も【ウインドカッター】だけで詠唱を終える。


「え? え? ちびっこがいつの間に?」


「僕、弟に抜かされてる……」


トニー君は 驚きで目が丸まってるし、ルン君はショックを受けている。

二人は他の部門に回ることなく、ずっとこの角材を作り出すという作業をやってたからね。太い木から細い枝で無駄なく切り出せるようにという目標を立てていたから、凄く頑張っていたのだ。


「研磨の練習は 魔力操作の訓練になっていますし、これをすることで 他の魔法も上手に使えるようになっている筈ですよ?

皆さんも武術訓練で土魔法を使っているのでしょう?使いやすくなっていませんか?」


「あら、そういえば 一度にいくつかの盛土が作れるようになってますわ」


「まあ、たしかにそうね。前はもう少し作るのも時間がかかってましたけど、随分早くできるようになってますわ」


「あらまあ、そういえばそうね。土壁の高いものも 大きく作るのがしんどくなくなりましたわ」


三姉妹の言葉に、他の皆も そういえば……と実感が湧いてきたようだ。


「魔力操作なんて地味で格好悪いって思ってたのに……」


まあ、そう思われるからこそ 今までの練習順番だったんだろうね。

魔力操作まで行かないで 銅ランクになってたら、いつまでも魔法がへたっぴなままだったかもね。

まあその場合は前衛で剣技とかを磨く系なのかな?

私はチビだから魔法をしっかり使えるようになりたいけど、武器も使えるようになりたい。

訓練あるのみだね。


先生の言葉に納得した生徒たちは それぞれのグループに分かれて、今日もカルタつくりを頑張る。

大人に上手い事丸められたともいえるけど、実際に訓練になっているから良いのではないでしょうか。


お読みいただきありがとうございます。

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