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第73話 ギルマスたちの帰郷

本日は同時投稿しております

こちらは1/2作目です。

ギルマスとサブマスがギルド会議の為に村を出てから 2週間が経った。

ギルドの馬車は村で行商とかで使う馬車とは違って、強度が強いらしい。村の馬車は隣のメリテントとの往復位で、遠出する人たちは その街や村から出ている馬車に乗り継いで次の中継地まで行くのが普通らしい。


だけどギルドの馬車は 王都に行ったり、危険地帯に冒険者や物資を大量に届けたりする必要があるらしくて、荷馬車自体も強度があって、牽引するのも ホースヴァルルという魔馬だった。

村長さんの庭で飼っていた馬と比べると 倍以上の体高があり、通常の軍馬よりも強いらしい。

ただ、魔獣と言っても飼育は可能であるらしく、プレーサマ辺境伯では少なくないホースヴァルルが飼育されているらしく、此処にいる2頭も辺境伯からギルマスへのプレゼント(?)だったんだって。


お陰で普通の馬なら片道2週間以上はかかる道を 1週間もかからず到着することが出来るみたい。

しかもサブマスの風魔法があるから、荷馬車に追い風を当てることで馬の負担を減らしてあげる分、スピードが出るんだって。


「そういう事で、王都でいくつかお土産も選んでくることが出来ましたよ。

さあ、ヴィオさん どれがいいですか?」


学び舎に到着した私とお父さんを ニコニコのサブマスが迎え入れてくれて、そのまま会議室に連れてこられて今ココだ。

お馬さんの説明も良く分かったし、風魔法の攻撃以外での効果的な使い方も勉強になる。

だけど、授業に行かなくていいのかな?


「今はカルタの練習を繰り返していると聞いています。ヴィオさんは基本文字に関して問題ないでしょう?三姉妹は 今後ギルドの事務員となるので、書類関係のお勉強もしてもらっていますが、冒険者になるのであれば、知識として知っておいて損はありませんが……今度資料を見せてあげましょうね。」


うん、授業には出ないで良いらしい。

お土産として持ってきてくれたのは 沢山の眼鏡だった。


「サブマスさん、これって色変えの魔道具ですか?」


「ええ、サイズは自動調整になっていますから、ヴィオさんが選ばなかった物も、今後依頼の時に必要となれば貸し出し品として使う予定ですので お好きなものを選んでくださいね」


おお、先に質問内容に答えてもらった感じになったね。

ふむ、どうしようか。種類は沢山あるんだけど、ネタですか?というのもあるのは コレを手に取った方が喜ばれるのだろうか。

いや、サブマスは魔法に関してはちょっとアレだけど、魔道具で遊ぶとかはないと思うから違うのか?


「キーン」と言いながらう〇こを棒に刺して走った方が良いのか?と思うコレは却下

「〇えも~ん」と泣きつきたくなるのも止めておこう

このウサギの耳のようなものがついたのは、イベント時などにパリピが着ける物ではなかろうか、却下で。


「色々着けてみてはどうじゃ?」


「そうですね、鏡はこちらです、どうぞ」


じ~っと見て回ってたら お父さんとサブマスに着用してみるように勧められる。え?この3つは着けなくてもいいですか?

そんな事は口に出さないけど、普通っぽいのを順に手に取って鏡の前でかけてみる。

耳にかけた後に ブリッジ部分にある魔石に触れたら シュルンと眼鏡がフィットした。


「おおっ!」


「ふふっ、その魔石は通常の眼鏡でもサイズ調整の為に大抵ついています。

髪留めと同じように、魔石にヴィオさんの魔力入れてもらえれば 色変えの魔道具としても使えますので 違和感はないでしょう」


へぇ、魔石なんて目立ちそうと思ったけど、大概の眼鏡にその性能がついているのであれば色変え用かどうかは分からないって事か。

幾つか着用してみて 私が気に入った中で、お父さんとサブマスから似合っていると言ってもらえた1本に決めた。

スクエア型のソレは、茶色と黄色の間くらいのカラーで、フレームもそんなに太くないからスッキリして見える。

まだ小さいから、お洒落なフレーム太目の眼鏡だと 顔が半分隠れちゃう感じになったんだよね。


「いいですね、では魔力を登録してしまいましょう。髪飾りと同じように こちらの魔石に魔力を入れてくださいね」


どうやら色変えは全て茶色になるように設定して買ってきてくれたらしく、申し訳ない気持ちになったんだけど、こうした魔道具を使う時は 周囲に溶け込みやすくするのが第一目的だからこそ、茶色やグレーが良いのだそうで、少しホッとした。

魔力を魔石に流せば、ほんの少しで石の色が変化する。フレームともマッチしており 違和感はない。

眼鏡をもう一度かけ直せば、鏡の中には茶髪に茶色い眼の少女が写っていた。


「防御魔法もかかっていますが、あまり強力な攻撃を直接受けると壊れる可能性もありますので 気を付けてくださいね」


眼鏡は魔道具でないものも売っているらしいけど、それは本当に普通の眼鏡で、扱いが悪いと壊れてしまう。少し高いけど魔道具の眼鏡だと サイズ調整もできるし、防御の魔法陣をレンズに書き込むことが出来て、冒険者などの危険地帯に出るような人は長期的に見て安くなるらしい。


「レンズに魔法陣が入ってるの?透明に見えるのに?」


「ええ、視力矯正が不要ですので こちらのレンズはガラスではなく 魔虫の羽素材でできています。

特殊な調合液につけることで、魔法陣と素材の色が同化し透明に見えるのですよ」


サブマスが生活魔法のライトを当てると 薄っすら文字と模様が浮いて見える。


「こうやってライトを当てることで内容の確認もできますから 完全に見えなくなるという訳ではないのですが、特殊な調合液は特許となっていて、許可された者しか作ることが許されていません。何故だかお分かりですか?」


「うん、透明になる魔法陣なんて悪い事し放題だもん。攻撃系の魔法陣を見えないように仕掛けてたら危ないよね」


正解だったらしく、頭を撫でてもらえました。

素材の魔虫との相性が必要らしくて、調合液と魔虫はセットでしか使えないらしい。便利なようで不便なのかな?まあ、簡単に透明化できるアイテムがあるとか怖すぎるから、ちょっと不便で良いと思う。



その後は1限目が終わるまで、ギルド会議で カルタと子供採集体験がどれだけ好評だったのかを教えてもらい、まだまだカルタ好景気は止まない事を教えてもらったよ。



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