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第72話 日々の特訓


エルフの魔法使い ドゥーア先生が王都に帰ってからも、魔法訓練は続けている。

もちろん寝る前の魔力操作は 毎晩お父さんと一緒にやっている。

起きたらストレッチをするのも同じ、違うのは ストレッチが終わった時点で超合金スーツ 改め、結界鎧を身に着けることが追加となった事くらい。

これは先生も 普段から出来るようにすることで、村の外での危険性が減るだろうと推奨してくれたのだ。


「ただし、今のままではいけません。見た目に気付かれることはありませんが、魔力視が得意な人が見ればわかりますし、ヴィオ嬢に触れた方は違和感を覚えるでしょう。普通の人に魔力や剣が当たっても金属音はしませんからね。

来年お会いするまでに 改良しておいてくださいね。」


お別れの時にいくつかの宿題を出された一つが結界鎧の改良だったんだよね。

なので、毎朝少しずつ変化させて、音の具合とか 強度とかを観察しているんだ。

魔法はイメージが大切ってのは よくよく実感しているので、作る時には記憶にある全身スーツでお試ししているんだけど、これが難しいんだ。


全身スーツといえば 宇宙から使途と呼ばれる敵が出てきて戦うロボットアニメに出てきた 美少女たちが着ているアレを思い浮かべたけれど、想像力が足りなかったからか、手足のパーツが硬くて金属音がして却下。


柔らかさで考えたら全身タイツ!って感じだったんだけど、これは強度が最悪だった。まあタイツだからね。


「ヒー!」だか「キー!」とか言ってた 悪役のスーツも、ヤラレ役だからか 強度が駄目だった。

逆にそれらを倒すヒーローのスーツは、ベルトが必須だったし、でかい昆虫の仮面がないと成立しなくて却下。


紆余曲折したものの、アメコミヒーローのスーツで落ち着きました。

蜘蛛の力が使えちゃう あのヒーローですよ。



「お父さん、これだとどうかな?」


「ん? 儂は魔力視がそんなに出来んからなあ。

うむ、触った感じは 洋服のまんまじゃな。硬くもない。

は~、それじゃあ魔法を中てるぞ?【ウインドカッター】」


毎日 学校から戻った時に お父さんに強度チェックをしてもらっている。

ダメな素材のは学び舎で過ごすうちに 着心地が悪すぎて脱いでしまっているし、全身タイツは 武術訓練中に 盛土から落ちただけで駄目だった。

帰宅まで無事だった時に手触りを確認してもらって、軽く叩いて、最後に魔法を中てて確認してもらっている。

非常にお父さんは嫌がったんだけど、魔獣に突然攻撃されることを考えたら 強度を知っておきたい。とお願いしたらやってくれるようになった。


今日の蜘蛛スーツは大成功だったっポイ。

完全に当たったウインドカッターは スーツに弾かれてどこかに行ったけど、音はしなかった。


はじめて結界鎧を作る時ほどではないけど、毎日違う全身スーツを想像するのは、魔力消費がそれなりだったけど、コレと決めたものの再現は 本当に極小しか使っていない気がする。

結界鎧はあくまでも防御のための魔法なので、身体強化ではない。


「家でのトレーニングの時には身体強化魔法は使わんようにして、筋力強化もしていこうか。

防御結界があれば 多少高いところから落ちても怪我はせん。強化魔法に頼り過ぎずに 身体能力を強化していくぞ~」


お父さんはとレーニングとなると結構スパルタです。

絶対に安全確保はしてくれているし、突然魔獣と戦えとかではないから そういう意味では甘やかされてるけどね。

この世界の普通が分からないから何とも言えないけど、冒険者家庭としてはこれが普通なのかな?

オリンピアンの家族とか、かなり幼少期から驚きのトレーニングをしてたりするもんね。

そっか、だとしたら冒険者の英才教育なのかもね。うん、頑張ろう!


「飛び乗れんかったら 土魔法で足場を作ればええ、強化魔法以外はどんどん使ってみろ」


「わかった!」


丸太の大きなものは 強化魔法がなければ飛び上がることが出来ない。前はそれをすり抜けながら走ってOKだったけど、慣れてきた今はどうにかして飛び乗るのも訓練になっている。


「蔦で飛び移るんは あっちからこっちの木に行くときだけじゃ、その橋の隙間ぐらいは 風魔法を使ってみろ」


「わかった!」


サブマスが教えてくれた追い風を起こすように【ウインド】を唱えれば、小さな体を掬い上げるように後ろから風が吹く。


「あっ!」


「おおっ【アイビーウィップ】」


ちょっと想定以上に魔力を込めすぎて、身体は完全に浮かび上がって 木の上の吊り橋から外れてしまった。ピョーンと空を飛びあがった身体は そのまま地面に落ちていくけど、下にいたお父さんが蔦魔法で直ぐに捕まえてくれた。

蔦に優しくキャッチされたまま、スルスルとお父さんの元へ下ろされる。


「驚いたが大丈夫じゃったか?」


「うん、ちょっと風が強くなり過ぎちゃった。追い風だけのつもりが旋毛風になっちゃったみたい。風は難しいね」


結構いい時間になってたらしくて、今日はここまでにしようと言われて お父さんの抱っこのまま帰宅。

晩御飯を食べて、お風呂に入れば お父さんと二人で魔力操作の練習だ。

風の練習にもなるから、葉っぱを吹かせる練習をずっとしている。

こうして冷静になっていると出来るんだけど、トレーニング中に併せてやるとなると難しいんだよね。

慣れが必要という事だろう。


今日は強化魔法を使わなかったからか、体力を使い過ぎて 凄く眠い。

多分魔力切れというのとは違う、ただの疲れから来る眠気だと思う……。

もうちょっと、あとちょっとだけ……

そう思ってたのに、いつの間にか眠ってしまっていた。

お読みいただきありがとうございます。

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