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第50話 言葉の授業

本日は同時投稿しております

こちらは 1/2作目です。


昨日は身体強化をしてからの アスレチック踏破を2周して休憩、更に2周という中々ハードな訓練を致しまして、満身創痍となったヴィオ5歳です。

訓練後にギルドへ素材の納品に行ったけど、行も帰りもお父さんの腕の中でした。

行きがけに 広場の屋台でご飯を食べたから、納品返りは 腕の中で寝ちゃったのも仕方がないと思う。珍しく屋台飯にしたのも、そうなることを読んでだと思うもん。


結局昨日の夜は魔力操作の訓練は出来なかったけど、お父さんはやってたらしい。

残念がってたら、昨日は魔力切れを昼間に起こしてるから、1日に2回も魔力切れをするのは 身体に負担がかかり過ぎるから 良かったと言われた。

多分そうなる様に あのハードな訓練をしたんだと思えば、お父さんの掌の上で完全に転がされているなぁって感じるよね。



今日は文字と魔法の日だから、身体強化魔法を使って登校することにした。

採集は週末だけでも10Pも稼げたし、今週はトランプとカルタを完成させたいんだよね。

今日はカルタ用の板を鞄に入れてきたのだ。

取り札は大きな文字と絵を入れるから、一文字だけなら二人でも練習になると思うんだよね。

自分で作ったものだったら、遊ぶときにも真剣になりそうじゃない?なんて思ったりもしている。

ついでに読み札で良さそうな言葉も、先生からアドバイスもらえればいいなぁなんて、ちょっと期待してもいる。


「楽しそうじゃのう」


「うしし、楽しい!カルタ早く作りたいけど、今日は何枚くらいできるかな。ハチ君とレン君も喜んでくれるといいな」


「そりゃ、喜ぶじゃろうなあ。(特に自分らの為に考えてくれたと知ったら、更にヴィオの事を尊敬するんじゃろうなぁ)」


自分で歩くから 少し早めに出発したけど、身体強化のお陰で 然程遅れることなくギルドに到着した。


「じゃあお父さん、またお昼にね」


「階段はええんか?」


「昨日の訓練よりは低いから平気」


お父さんが心配してくれたけど、昨日の丸太アスレチックの方が階段よりも段差のあるところを越えてたからね。高さが一定の階段は余裕だと思う。

お父さん自身も「それもそうか」と納得した様子で、一応下りるまでは見守ってくれることになった。

手を振って階段へ。ゆっくり下りようとすれば段差の高さが気になるけど、アスレチックだと思えば平気だった。ヒョイ ヒョイと少し斜めに下りて行けば、地下1階まで直ぐだった。

見上げたら 階段の上でお父さんが待っててくれたので大きく手を振ったら、同じ様に振り返してくれた。


(そういえばこの階段でヒイヒイ言ってる私を知ってるのに、あのアスレチックを作ったんだよね?強化なしでは高い丸太は通り抜けOKだったけど、強化した後は「行ける!」の一点張りだったもん。

お父さんも訓練となるとスパルタなのが分かったね)


そんな事を考えながら教室へ。

今日は一番乗りだったようで 前列の真ん中の席に座って準備しておく。

どうせ二人が来たらココに移動するんだから、最初からココで良いよね。


「あれ~?ヴィオ今日はそこなのか?」


「ヴィオちゃん おはよう、今日は僕たちが一番だと思ったのに早いね」


「おはよう ルン君、レン君、今日は訓練のつもりで歩いてきたから早めに家を出たから早く着いたの。

レン君、どうせ移動するなら最初からこの席で良いかなって思ったの。今日は一緒にやりたい事もあるんだ」


黒猫兄弟が到着、この二人は弟くんとの攻防があるから 朝の出発は早め。今日はごねられなかったのか、それともマタタビ攻撃が先にあったのか……。


「やりたいこと!?なんだ? 面白い事か?」


「ハチ君が来てから説明するね」


ワクワクさんがいます。ダッシュで前まで来て隣の席に鞄を置いたら、椅子を揺らしながら「何々?」を繰り返してくる。

ハチ君も一緒にしたいから待っててと言えば、素直にマテをするんだから可愛すぎる。

羊三姉妹、ケーテさん、ナチ・ハチ兄弟が順に到着し、鐘の音とほぼ同時にトニー君が到着。いつも通りである。




「さて、では今日も授業を始めるよ~。三人は先週の続きで皆の名前だね。覚えてるかい?」


「ん~~~~」


「多分覚えてるぜ」



ポール先生の言葉に 何とも不安な返答をした二人。上のメンバーにはいつも通りの紙を渡して自習かな。

二人は渡されたミニ黒板に向かって、自分たちの名前から書き始めているので、私は先生にお願いしようと声をかけた。


「先生、私ね 作りたいものがあって、文字の勉強にもなるから 二人にも手伝ってもらいたいんだけど、今日はそれをやってもいいですか?」


「ん? 文字の勉強になる作りたいもの? どんなものか教えてもらえるかな?」


聞いてくれたのでカルタについて簡単に説明した。


絵と 基本文字が1つ書いてある取り札と、取り札の絵に対応した読み札のセットで遊ぶ ”カルタ” というもの

読み札を読んでもらうことで、まずは絵を覚える

絵に付属した文字を覚えることで 基本文字を覚えることが出来る

何度も聞いて読み札を覚えれば、自分でも読み札を読めるようになる

繰り返すことで記憶力が伸びる

似たような札が数枚あれば 正否を見極める必要があり、判断力が伸びる

札を取り合う競争だから、闘争心と集中力が伸びる


「あとはそうだなぁ、あ!取り札が少なくなってきたら 遠くの札も取りに行く必要があったりして、瞬発力とかも伸びるかな。……って、先生?」


記憶にあるカルタの使い方と利点を上げてたんだけど、話し終わったところで先生が固まってた。

紳士な先生は私たちと話す時には目線を合わせる為に 膝立ちになってくれるんだよね。

なので先生の目の前で手を振って意識を覚醒してもらおうと思ったんだけど……。


「先生ねっちゃったのかなぁ」


「え~、目あいてるぞ?器用だな」


ちびっこ二人から誤解されてますけど、先生大丈夫でしょうか?



「はっ‼なんてことでしょう。驚きのあまり思考停止してしまっていました!

ヴィオさん、カルタとは 非常に素晴らしいモノですね。

ただの玩具などではありません。仰るように 初めは身近にある言葉や絵からはじめて、冒険者ギルドならではの素材や 魔獣のカルタを作れば、若い冒険者でも覚えることが出来るでしょう。

学び舎で取り入れることが出来れば、それはこうした言葉の授業でも非常に勉強になります。

作りましょう!僕も協力させてください!

あ!だけど あまりにも影響がありそうなものですからね、まずはギルド長と村長にも話を通しましょう」


やっと正気に戻った先生が 凄い早口で興奮しながら語りだす。

寝てるか確認しようとしていたハチ君は驚いて尻尾がブワって広がってるんですが?

あぁ、カルタの商標登録の有無は確認してもらったけど、どんなものかはそこまで説明してなかったからなぁ。


「先生、先生!だったら今日は 文字とどんな絵を使うかを考える時間にしてもいい?」


「ああ、そうですね。時間がありますからそうしましょう。おや?」


先生がギルド長のところに行こうとしたから引き止めて、カルタの内容だけでも考えたいと提案したらOKをもらったんだけど、後ろに目をやって 動きが止まってしまった。


「先生、僕もヴィオちゃん達と一緒に内容を考えてもいいですか?」


「俺、絵を書くのは得意だぞ?」


「あらぁ、私も参加したいわ」


「まぁ、だったら 私達は読み札の文字を書きましょうか?」


「あらまぁ、それは良いわ。文字を書くのは得意だもの」


「ハチとレンは基本文字の練習が必要だものね。二人は取り札の文字を書いてもらえば良いんじゃない?」


「だったら俺たちが絵の担当と、内容を一緒に考えてやるよ」


振り返ったら 年上組が皆参加したいと手を上げてくれてた。

先生も大きく頷いており、このまま自習時間にしますと言って出て行ってしまった。




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