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第43話 寝る前の訓練

あの後は、ギルマスさんから火の魔法を見せてもらった。

【ファイアボール】【ファイアアロー】【ファイアウォール】の3つを見せてくれたんだけど、赤い炎と風で ギルマスさんの鬣……じゃなくて髪の毛が赤く光って見えたのが凄く格好良くて 拍手して喜んだら、とっても気分が良かったみたいで【フレイムバレット】っていう炎の弾丸連打も見せてくれたよ。

手の先に小さな火の玉がバババって出来て、それが連続で的に当たって行く様は、炎の魔法使いって感じで凄かった。


聖魔法と闇魔法は二人の得意属性ではないけど、今度見せてくれることになった。

今度になったのは、一度に見せすぎても私が忘れちゃう可能性があるって言ったから。

まずは教えてもらった魔法を再現できるように、少しずつ練習していく予定。


というか、練習用ならもう少し安全な魔法から教えてくれても良かったんじゃないかなぁとか、家に帰ってから思った次第。

結局 ホットリフレの披露と 二人の魔法見学のお陰で 資料室で魔獣を調べる時間はなかったけど、武術の授業は2日に1回あるからね。魔法を見せてもらう方が先決だ。


ちなみに明日と明後日は学び舎がお休みらしい。

明日は1日 お父さんと体術の訓練と、薬草採取でポイント稼ぎをする予定。

ギルマスたちとの話し合いの結果、週末2日のどちらかをちびっこ採集体験の日にすれば良いのではないかという事になったのもある。

もうすぐハサミも出来上がりそうだということで、多分来週には第一回の採集が出来るんじゃないかって事。

とりあえずうちの裏森で採集体験をするのは、レン君兄弟とハチ君兄弟だけだけど、ギルド主体となった事で、村長の森も開放されるかもしれないみたい。

かなり広いから、あっちで他の子供達も参加するとなれば、監視役の大人たちもそれなりの人数が必要になるから、聖の日になるだろうって。

まだまだ家から出てこないちびっ子たちに会える機会になりそうだから、開催されたら私も村長の森にも行ってみたいと思ってる。


「今日は運動も沢山して、魔法も沢山使ったからな、相当疲れておるはずじゃ。できるだけ早う寝るんじゃぞ?」


「うん、いつもの訓練だけやったら寝るね。お父さんありがとう、おやすみなさい」


夕飯とお風呂も済ませれば、就寝だ。

ベッドに座ったところでお父さんとお休みのご挨拶。

魔力操作をしながら寝ても大丈夫なように、いつもこの訓練をはじめる時にはベッドに連れてこられる。

実際やりながら寝てることも多く、多分夜中にお父さんが布団をかけてくれてるんだと思う。


しかし、今日のヴィオさんはちょっと違うよ?

魔力操作も勿論やるけど、まずは魔力切れを目標にしてるからね。

操作は魔力をちゃんと使っていれば練習になるから良いのだ。

安全な魔法を使いながら、魔力切れまで頑張るぞ!


さて、火と土は危険すぎるので論外。一応寝ても大丈夫なように布団に入ってやるつもりだからね。

水なら安全かな?いや、今の状態で寝落ちたら 確実に自分の顔に水がかかって目が覚めるね。やめとこう。

光は眩しくて寝れなくなりそうだし、スマホで疲れ目になってたことを思い出すからやめとこう。

風……は魔力切れするほど何を使うって感じだよね。

しばらく考えてたら、今日の葉っぱの壁を思い出した。


葉っぱを出すことが木魔法だし、それをヒラヒラさせて落とさない練習だったら風の操作って事でも良いかも。

そう思ったんだけど、木の葉をどうやって出すのか思いつかず、窓を開けて1枚の木の葉を風で手繰り寄せた。うん、風魔法の訓練から始めよう。


木の葉を【クリーン】で綺麗にしてから布団に入る。

そのまま右手に持った木の葉を浮かせようと魔力を練る。

グルグルと小さく渦巻く風が木の葉を飲み込んで、小さくバラバラに砕けてしまった。

……まじか。


いやいや、砕くつもりはなかったんだけど、渦巻く想像が悪かったのかな?

そうだね、渦巻くと言えば竜巻か洗濯機だもん。粉々になるよね。失敗失敗。

もう一度ベッドから下りて窓の外から木の葉を手繰り寄せる。今度は失敗しても良い様に10枚ほど。纏めて【クリーン】で綺麗にしてから布団に入る。


グルグル渦巻は駄目だから、どうしようかな。

想像ではそよ風に乗った木の葉が、右手から左手にふわっと移動する感じなんだよね。

ふわっと浮く、ふわっと……。

魔力を木の葉に纏わせれば、手の中の葉が少しずつ揺ら揺らしながら浮き上がる。

おぉ、そうそう、良い感じだね。

その浮いた感じで右から左に息を吹きかける感じで飛んでみようか。小さな風が吹くように。

ヒュッ とほんの小さな風が吹き、木の葉は右から左に一回転しながら移動した。


いいよ、いいよ。

じゃあ今度は、左から右に同じように小さな風よ吹け。

ヒュッ

まだ同じように一回転しながら木の葉が移動した。


いいね、いいね。この調子で魔力が切れるまでやってみよう。重さのないお手玉をしてるみたいだね。

そんな風に思いながら、右から左、左から右と木の葉を何度も移動させる。

何度目かまでは覚えていたけど、気が付いたら寝落ちしていたらしく、起きたら布団の上に皺くちゃになった木の葉が落ちていた。

魔力切れになったのか、ただ単に眠くて寝落ちしたのか分からないけど、起き抜けの魔力が足りない感じはないから、寝ている時間でしっかり回復はしたんだろうね。

あぁ、ステータス的なやつが見れたら訓練のし甲斐もあるのに、まあだけど、それがあったらゲームの世界だと思いそうだからなくて当然か。


ギルマス曰く【ファイアバレット】みたいな魔法は、魔力量と魔力操作レベルで炎弾の数が違うらしいので、それ系の何かで今現在の基準を作れば、上達しているか、成長しているかが分かるだろう。

どんな魔法を基準にするかは、お父さんに相談して決めてみよう、そうしよう!



お読みいただきありがとうございます。

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