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第42話 魔法の見学

本日は同時投稿しております

こちらは3/3作目です。


結論、私のホットリフレは回復魔法ではない、という事になりました。

そうでしょうね。

サブマス曰く、水、火、風の3種混合魔法だろうと言われた。


混合魔法を使うのは、魔法を主として戦う人の中には珍しくはないようだけど、それでも2種類の混合が殆どで、攻撃でもないところで複数の混合魔法を使うのは素晴らしいと絶賛された。

これも魔力操作を繰り返しやり続けていたからこそできることだと褒めてもらえて嬉しくなった。


実際に私が使う魔法が 変わっている事、使い方自体が大分ずれている事を理解しておくようにとギルマスに言われた。


「ですので、私たちが使う魔法をいくつかお見せしましょうね。まずは風属性から行きましょうか。

〈風の刃で切り裂け 【ウインドカッター】〉

〈風を纏い貫け【ウインドアロー】〉

〈敵を寄せ付けぬ風の刃を伴う壁で守り給え【ウインドウォール】〉

と、よく使うものでした。どうですか?」


ブーメランのようなものが的に向かって飛び スパンと切れ、同じ的に緑色っぽい弓矢の矢だけが出てきて ピューンと飛んで刺さり、サブマスの周りに小さな竜巻が出来て姿が見えなくなった。

うんうん、中々厨二心をくすぐる詠唱だね。

ちょっとサブマスのは短すぎるけど、きっと冒険者には もっと聞いてて身悶えするようなのを唱える人もいるんだろうね。


お父さんとギルマスは唖然とした顔をしているけど、呪文が短い事で驚いてるのかな?何かそんな事言ってたもんね。サブマスさんはミニ竜巻を消して 感想を聞いてきたので、ちゃんとそこに驚いたことにしておくよ!


「呪文が短くてカッコよかったです!」


「ぶっ、いや、そこか!?」


えっ!?違うの? じゃあ


「えっと、トニー君たちと違って、タメがなかったから直ぐに攻撃できて凄いと思ったのと、他の属性でも同じのが出来そうだって思った……です」


トニー君たちのはボール系だったけど、風のボールよりは刃の方が使えそうだよね。火は刃だと燃え過ぎそうだから、ボールを一転集中の超小さいのにして、レーザーみたいにした方が 素材の傷が少なくて済みそうだけどね。


「そうですね、私は普段このレベルでしたら無詠唱で行うのですが、今日はどんな魔法かを分かり易い様に少し詠唱しました。きっとヴィオさんなら無詠唱で出来ると思いますよ。

それから、他の属性でも同じものが出来ます。そこに気付けるのは流石ですよ。

では、今の3種類を他の属性では どのような効果が出るのかをお見せしましょうね。」


おぉ、合っていたらしい。ギルマスは何か言いたげだけど、サブマスが嬉しそうに合ってるって言ってるから黙っちゃったけど、後で理由を教えてくれるかな?


サブマスは新しい的に向けて水属性の【ウォーターカッター】【ウォーターアロー】【ウオーターウォール】を発動し、

続けて 土属性の【アースボール】【アースランス】【アースウォール】、

木属性の【ウッドランス】【ウッドアロー】【リーフウォール】と立て続けに呪文を唱えて行った。


「カッコいい!サブマスさん凄い!魔法使いみたい!

お水の壁は向こうも見えて良いね! 

土と木は周りに素材がないと駄目だと思ってたけど、木の魔法が使えたって事は、土がない所でも土魔法は使えるんだね!

木の壁じゃなくて葉っぱの壁だったのは何で?」


白い髪をたなびかせながら連続で唱えるサブマスは、魔力切れにならないのだろうか。

あまりの格好良さに 私も大興奮しながら、その場でピョンピョン跳ねてしまう。

だって仕方ないよね。

ブワァって、ブワァって長い髪と長い上衣がはためくんだよ?

しかもさっきとは違って、呪文の名前しか唱えてないし!全部厨二呪文でも良かったけど、テンポの良さを保つには、お邪魔だよね!

ギルマスもお父さんも、あまりの魔法連発に驚いたみたいで、ポカーンとしてる。


「クッ、ふっ、はっはっは、ふふふ、カッコいいですか。ふふふ、嬉しいですね。

そんな興奮しながら褒めて頂けるなんて、初めてのことで 心が躍りますね。

ええ、木や土、水などもその素材が近くにある方が 勿論威力は強くなりますが、無くても魔力をしっかり操作することで使うことは出来るのですよ。

ただし、魔力があまり多くない前衛をしている冒険者などは、魔力消費を少なくするために、 木魔法は森で、土魔法は土のある所でしか使わないでしょう。

あぁ、葉っぱの壁になったのは、私の得意属性、風との複合魔法だったからですね。木の葉を風で舞い上げて壁を作ることで、近付いた敵を葉の刃で傷つけることが出来るのです。」


カッコいいってあんまり言われない?凄すぎる人相手だと言えないだけかも。

だって、凄く格好良かったもん。それにしても木の葉の壁か。なんか忍者っぽくて格好良いね。舞い上げて驚いている間に 木の上とかに飛び乗って逃げるとか、目くらましにも良さそう。



「はぁ~、なんだろうね、アルクの実子でもないのに アスランの魔法をあれだけ見て 感想が “格好良い”って……。ヴィオ、お前すげえな」


呆けてたギルマスがそんなことを言いながら私の頭を撫でて、壊れた4つの的を片付けに行ってしまった。

ん?だって、格好良かったじゃんね?

お父さんの方を見たら、お父さんもちょっと困ったような笑い顔。


「サブマスだけではないがな、あれだけの魔法を連続して発動できる魔法使いは、仲間であれば凄いですむが そうでなければ恐怖の対象になることが多いんじゃ。

普通の魔法使いは、例え連続で打つことが出来たとしても、集中力が続かんのが普通じゃ。威力もムラができるし、的にも当たらん。

サブマスの場合は 攻撃魔法の威力もそうじゃが、威力が強くて、的も外さん。」


ほうほう、確かにどれも同じ種類の魔法は同じように中ててたね。


「そっかぁ、サブマスさんは沢山練習して、魔力操作を真面目にやってるからあれだけ正確な魔法が打てるって事なんだね。

私はお母さんが言ってたから頑張ってたけど、これからもサボらずに魔力操作と魔力感知の練習は頑張る!」


「ははは、ヴィオは偉いなぁ」


「ええ、嬉しいですね。理由を聞いても怖がらないでいてもらえるというのは、こんなに嬉しいことだとは思いませんでしたよ」


改めて基礎訓練の大切さを思い知ったよね。

朝のストレッチ、ギルドまでの歩行訓練、寝る前の魔力操作と感知魔法の訓練、これは絶対に忘れない様にしよう!




お読みいただきありがとうございます。

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