第386話 お土産配布とただいまの挨拶
量が多すぎるので査定結果は翌日ですと言われて 家に帰った私たち。
自宅に戻ればいつものように【クリーン】で簡単に掃除をして 荷物を取り出していく。
前回はドゥーア先生のところから 大量のお洒落ワンピースを持たせてもらったんだけど、今回はピッタリサイズだったので 直ぐに着れなくなるだろうと 貰ってこなかった。
十歳になった時用のドレスを準備しておきますと言われたけど 本気だろうか……。多分本気だな。
毎度かなり大量のお土産として 素材を持って帰ってきていた私たち、流石にお土産の量ではないと笑われたので 今回は 取れ高払いということで 依頼の形になっております。
明日服屋のリリウムさんと、靴屋のミリーナさんのお店に行って 其々の素材を確認してもらう予定です。
リリウムさんは蜘蛛の糸と スネーク系の牙だけだけど、ミリーナさんは 色んな皮や甲殻も使うという事だったので、昨日ギルドに出したもの以外にいくつか用意している。
ミリーナさんが使わない分は ギルドに販売する予定です。
ヒュージボアの皮は武具職人もとい ハンモック風呂職人のアランさんに販売予定です。
「随分な量になったな……。準備はええか?」
「うん、マジックバッグがあって良かったよね」
これだけは本当に感謝する事だよね。
時間停止の大容量のお陰でこれだけ色々持って帰って来れるけど、それが無ければ持って帰って来れるものなんてほどんどないことになるからね。
「あら~、ヴィオちゃん お帰りなさい。うふふ、今回はとても長い旅だったのね、顔つきもお姉さんになってきてるわ」
ミリーナさんの靴屋さんに入れば 嬉しそうなミリーナさんに出迎えてもらえる。
今回は半年も居なかったからね 成長を凄く実感してもらえてるみたいです。
「あらあら、随分沢山あるのね。
ブラックウルフの毛皮は リリウムの方が良いかもしれないわね。ああ、でも 冬用のお洒落ブーツには使えるから 少しだけ買い取るわ。これは ビッグベアかしら?」
質問というわけではなく ミリーナさんの中での会話をしているので 私たちは近くの椅子に座って待ってます。質問があれば答えるけど目利きが出来るから必要なさそうです。
「うふふ、蛇皮は全部買い取るわね。ベアとウルフ、あとこっちのアントの甲殻はこれだけ買い取るわ。
ああそうそう、ヴィオちゃんの新しい冒険者用の靴と 普段履き用の靴 両方出来上がっているから確認してもらえるかしら」
買取素材が決まると ミリーナさんが奥から大きな袋を持ってきてくれた。
袋の中には四足の靴。
ショートブーツと ロングブーツは 冒険者装備だろう。
残りの二足は リボンとレースがついた可愛い靴なので 普段履き用の靴だと思う。
ドゥーア先生からもらった お洒落着は そうそう着る機会がないんだけど、座学だけの日には お父さんの希望もあって 着る事もあるんだよね。
あの可愛いワンピースの時には このお洒落靴が良く似合うだろう。
全部試着してみたけど 冒険者用の靴はサイズ調整が出来るだけあって 吸い付くようにピッタリだし、お洒落靴は 今の私の足に丁度良かった。
「思ってたよりも成長してたわ、少し大きくてつま先に詰め物をする予定だったけど ピッタリだったわね。来年は履けなくなっちゃうわね」
成長率の高さは ダンジョンでの豊富な魔素が含まれた食事を毎日三食食べていること、十分な睡眠、たっぷりの運動、この三つがあるからだろうとドゥーア先生から言われたんだよね。
サマニア村や辺境の子供達は 他の町の子供よりも成長が早いらしいけど、それも豊富な魔素があるからかもしれないね。
ダムで出会った弟くんは 私より年上だったけど 華奢で小さかったもんね。
貴族だから食事が少ないはずもないし、運動もそれなりにしているだろうから やはり魔素が成長に大きく関わっているのだろう。
新しい四足分の靴代を引いても お土産というか 買い取ってもらう素材の方が多かったらしく 結構稼がせて頂きました。ありがとうございます。
リリウムさんのお店でも 蜘蛛の糸、熊とウルフの毛皮、蛇の牙などを買い取ってもらいました。
勿論お土産価格なので 普通のギルドに販売するよりは少ないんだけど 元々お土産のつもりの素材だからね。
そしてランダさんに素材確認をしてもらっている間に リリウムさんのお手伝いで新しい冒険者装備の試着をしております。
「ヴィオちゃんはヒト族だけど 大きくなりそうね。 余裕をもって作っておいて良かったわ。
だけど これも二次性徴が始まればきつくなってくるわね。
次に作り直す時は 下着も新調しましょうね」
まだツルペタの身体を見下ろして これが成長するのだろうかと思う。
お母さんはどうだったかな? 身体のラインが分からないような洋服を着ていたと思うから あんまりよく分からないな。
そんなどちらかと言えばモサイ格好をしていたのに あのチビハゲデブはお母さんに言い寄ってたんだよな。まあ美人だったから着飾ればと思ったのかもしれないけど、嫁がいるのに 他に手を出す男とか気持ち悪すぎる。
そういう店がない世界じゃないんだから、お金を払ってそういう店に行けばいいのに。プロの皆さんはお金さえちゃんと払えば あんなキモ親父にでも ちゃんとヨイショしながらサービスしてくれたと思うよ。
ワンピースのような装備は 襟元から裾までチャックで開閉が出来るので脱ぎ着がしやすい。丈はお尻をすっぽり隠すぐらいの短い物なんだけど、長ズボンを履くので問題ない。
モスグリーンの長袖ワンピースはちょっと大人っぽく見えるね。
ワンピースの上から皮ベストを着るので チャックが引っかかってワンピースが脱げちゃうなんて ラッキースケベなイベントも起きそうにない。
「こないだ戻ってきた時に着てた運動着を見てこの形を思いついたけど良いわね」
着替えた私を上から下まで眺めながら リリウムさんがウンウンと頷いています。
試着室を出れば お父さんも絶賛してくれたので ちょっと照れるけど嬉しい。
ドゥーア先生のところのメイドさんたちが作ってくれた訓練着、あれは特殊素材を使っていないので普通の洋服なんだけど、結界鎧を常に纏っている私なので ギルドで訓練をする時くらいなら問題なかったのでよく着ていた。
凄く考えて作ってくれた洋服だったので 着やすかったし可愛かったんだよね。
それを見ていたランガさんは 特殊素材で同じようなデザインの装備を作ってくれていた。
巻きスカートはハイウエストになっているので 鞭ベルトと 剣帯も付けやすい。
「ヴィオちゃんくらいの年齢なら もっとフリルがあるものとかでも良いんだけど、既に上級に潜ってるんだったら 余計な装飾はない方が良いと思ったから お洒落に可愛く見せるのが大変だったわ。
だけど うん、良いわね」
シャツとパンツは黒っぽいものと 灰白色の2セットあり、巻きスカートとベストは モスグリーン、濃紺、灰白色の3セットもあった。
組み合わせで色々楽しんでほしいという事ですが、これ全部サイズ調整、温度調整、防汚機能付きです。
「リリウムさん、ランダさん、素敵なお洋服を沢山ありがとうございます。
まだ今のも着れるから しばらくは何を着るか迷っちゃいそう」
「うふふ、沢山素材を持って帰ってくれるしね、女の子の冒険者は少ないから着飾れるのは私たちも楽しいのよ。
ルンとレンも冒険者デビューしたけど、男の子はお洒落をしたがらないからシンプルになっちゃうのよね」
やっぱりレン君も冒険者登録をしたんだね。
ロン君は五歳になった事で レン君と一緒に学び舎に通うようになったらしい。
猫ちゃんになって走り回っていたロン君が もう学び舎に通うようになったとは時の流れが速いものだ。
リリウムさんのお洋服屋さんでも、装備代と素材販売料金はほぼトントンだった。
こんなに大量の装備を作ってくれたのに 支払い不要とはこれ如何に。
素材の量が思ってた以上に多かったし、状態が良いから逆にもっと支払うべきなんだと言われたけど それはこちらが遠慮しておいた。
また成長した時の装備をお願いします。




