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ヒロインは始まる前に退場していました  作者: サクラ マチコ
第一章 幼少期編 

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第322話新しい町へ


アンヤの町を出れば フルシェの町へ向かう道と ジャトラの町へ向かう道がある。

どちらもダンジョンを管理する町なんだけど、ジャトラのダンジョンは人気がないらしく 人通りも少ないという事で 私たちはジャトラ経由で王都を南下する道を選んだ。


「でも なんでジャトラは人気がないの?上級で凄く難しいとか?」


宝箱もショボくて旨みが無い初級ダンジョンでも、学生たちの経験値を詰むためにはそれなりに需要があるのに。


「中級ダンジョンなんだけどね、中が高原と森になってて階層も広いんだよ」


「ジャトラは通称鳥ダンジョンっつってな、魔鳥が多いんだよ。高原エリアを歩けば 空から狙い撃ちされるし、森に入れば 熊と蜂が多い。俺らは2階で止めたんだよな」


「あんときは魔法を今みたいに使ってなかったしな。今だったら 挑戦できるんじゃねえか?」


おお、未踏破ダンジョンなんだね。

確かに今までのお兄ちゃんたちは 接近戦担当って感じだったもんね。空から攻撃されるんじゃ届かなくてイライラが溜まっただろうね。


「じゃあ再挑戦しに行く?」


「興味深いけど、ジャトラに寄ったら ウミユに到着するのが年越ししちゃうよ?」


トンガお兄ちゃんに言われて、確かにそうしたら ウミユの踏破後 村に帰るのが 夏を過ぎてしまうと気付いた。それは駄目だね。

鳥ダンジョンも興味があるけど まずは遺跡ダンジョンだもの。


少ないとはいえ それなりに人が通る道なので そうそうウインドダッシュをする訳にもいかず、1週間程の時間をかけて ジャトラの町に到着、一泊だけ町でゆっくり休憩してから また南下。

流石王都領だけあって プレーサマ辺境伯領地のように こんもりした森とか林がないから 魔獣に会うこともない。

全員が容量多めのマジックバックを持っていて、豊作ダンジョンの食材と肉をしこたま入れているから 途中で町に立ち寄る必要はなかったから 普通の人より随分移動に時間はかかっていない筈とはお父さん。


「普通の冒険者は 水と食料の補充が必要だから 小さい村や町に結構頻回に寄るんだ。

小さい村は 入村料を取られることはまずないけど、ダンジョン管理するレベルの町なら確実に徴収される。

移動だけでもそれなりに出費がかさむから 立ち寄った町で依頼を受けて小銭を稼ぐ。

だからこの距離の移動だと 1か月から2か月くらいかかるのが常識だ。覚えとけよ?」


人が少なくなったらウインドダッシュをして距離を稼ぎ

お風呂に入りたいからという理由から 野営地とは離れた場所に野営をし

豊作ダンジョンで得た食材で毎日しっかり料理をするから干し肉を齧ることなどほぼなく

そもそも全員がマジックバック持ちだから 途中で討伐した魔獣素材も売る必要が無く

王都を真っすぐ横切るような移動に4週間弱しか掛からないのは 非常識という事でファイナルアンサー?


けど、水生成魔法が常識になったんだったら 食料の補充だけで済むし 他の人たちも時短になりそうだよね。

王都はちょっと食材《魔獣》が少ないけど、辺境だったら ちょっと山の近くを歩くだけで いくらでもお肉はあるもの。野菜が少ないのは困るけど、【ドライ】で乾燥野菜を作っておけば時間停止の鞄じゃなくても 長持ちはするよね?


「トンガ、ルンガ?」


「あはは、まあヴィオらしいというか、これは父さんの教育が原因だと思うよ?」


「ヴィオいいか、普通の冒険者は 山の近くは歩かない。できれば避ける奴らの方が多い。

そして魔獣は出来れば会いたくない相手で、肉は美味いが そう簡単には探せないし、ランクが低い冒険者なら 自分が美味しく食べられる可能性が高いんだぞ」


ふむふむ、ダンジョンに慣れている人たちからすれば 何が出てくるか分からない山は怖いのかな?

でも浅瀬なら ホーンラビットとか ボアとか ピッグぐらいしかいないのにね。


「ダンジョンとは違って 解体も必要じゃしな、慣れておらんと 時間がかかって 魔獣を寄せることになる。危険なのは間違いないぞ」


そっか、確かに 私もマコールさんのお肉屋さんで 練習をしたからこそだもんね。

ダンジョンでしか体験したことが無ければ ドロップアイテムに慣れ過ぎて解体なんて出来ないかもね。

内臓とかちょっとグロイもんね。


「いや、そうだけど、そうじゃねえ……」


クルトさんが頭を抱えているけど 大丈夫ですか?

あまり深く考えすぎると疲れちゃいますよ?


そんなこんなで 町に立ち寄ることもなく、風の季節の最終月(12月)に目的の町ウミユに到着した。

首都を見た事があるから 驚きはしないものの、グーダン、プレーサマ辺境伯領都と同じくらい大きな町だ。


「おっきいね」


「上級ダンジョンを管理する町は それだけ素材も手に入りやすいからな。商人が集まれば 町は活性化する。

このダンジョンは深層階にアンテッドが出るから 踏破する人数は少ないが、それでも 1階層から豊作ダンジョンらしく 採集が出来るからな、人の出入りもグーダンと同じくらい多いはずじゃ」


アンテッド!?

アンテッドが出るんですか!?

ウガァ~~~~、デロ~~~~って感じで?

グールかな、ミイラかな、骨かな、どんな感じで出るのかな。


「いや、なんでアンテッドで楽しそうなのか分かんねえんだけど」


「まあ 普通は嫌がるよね。特に女の子は怖がる人が多いっていうけど ヴィオは平気そうだね」


結界があるから臭いは大丈夫だろうし、どんな感じで歩いているのか気にならない?

骨だったら 筋肉も無いのにどうやって動いてるのか気になるし、グールだったら 歩きながら腐肉が落ちることがないのか観察したいし、ミイラだったら 包帯の下が透明なのか 肉があるのか気になるよね?


「俺 アンテッドは臭いが無理だ……、ヴィオに任せる」


ルンガお兄ちゃんは 苦手なんだね。という事は今までのダンジョンでお会いしたことがあるって事だね。


「お父さん、聖魔法の攻撃で練習してみても良いかな?」


「あ~~~~、まあそうじゃな」


聖魔法って 回復以外の練習をする機会がなかったんだけど、一応ピリュ何とかって【浄化】も習ったし、セイクリッドアローっていう聖属性の矢も習ったんだよね。

あれだよね、他の魔法に比べて聖魔法って全部ちょっとカッコつけな感じがする。


【ファイアアロー】は 火矢が出るんだけど、何となくスンって感じで唱えて ピューンって飛ぶイメージなんだけど、セイクリッドアローって、名前がまずなんかカッコよくない?

月のかわりにお仕置きしに来る美少女戦士の決め台詞、ムーン○リズムパワーとちょっと似ているというか、唱える時に キラキラしたエフェクトと金色の薔薇とかが背景に出そうなイメージ。


無駄に「セ~イクリッド アロ~~~~☆☆☆」とか言いたくなる。

なので私は無詠唱です。

的当てで練習はしたけど、他の魔法と違って 的が壊れるとかが無いので実感がなかったんだよね。是非打ち込んでみたいです。


アンテッドに対しては 三者三様の反応を見せながら ウミユの町を歩く。

まずはお宿を決めて、明日の朝には武器をメンテに出さないとね。

ダンジョンに潜れるのは来週かな? とっても楽しみである。


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