表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインは始まる前に退場していました  作者: サクラ マチコ
第一章 幼少期編 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

341/416

第302話 ゲルシイの森ダンジョン その8


翌朝は スッキリ目覚め、魔力もバッチリ回復しているのが分かる。

まあ今日からは闇魔法を使わないし 余程無茶しない限りは大丈夫でしょう。



「前回もそうだったけど、10階までは【索敵】が出来る僕たちにとっては 大した困難な道ではない。

罠も避けれるし 出来るだけ避けて先に進もう。

宝箱も……ヴィオ宝箱開けたい?」


今日の作戦を話し合っていたら 突然トンガお兄ちゃんから質問が。

開けたいかどうか? 中身によるけど、既に罠の宝箱の安全な開け方はお兄ちゃんたちも体験している筈だし、純粋に私が宝箱を開けるのを楽しみにしていると思われている?


「ん~、中身によるけど 回復薬なら使わないからいらない」


「ん、じゃあ無視していこうか。ここのは回復薬か薬草系、水袋だったから。通り道にあれば開けて、態々探しに行かないでいいかな?」


「は~い」


という事で、鉱山ダンジョンでもないから 採掘もできない洞窟エリアは 出来るだけさっさと抜けることが決定しました。

まあそんな事ができるのも全員が索敵を出来るからだろう


準備完了でセフティーゾーンを出る。

4階に下りる階段は直ぐ近くだったので 直ぐに下りたら【索敵】でマップを確認。

魔獣はそれなりにいるから 昨日今日ここを通った冒険者はいないっぽい。


「うん、魔獣は近いとこだけやっていこう、2時間あれば十分抜けれそうだから 階段で休憩をしよう。途中速すぎたら休憩するから無理はしない事」


「は~い」


いつも誰も返事をしないからね、私はちゃんと返事しますよ。

索敵担当したのがトンガお兄ちゃんのようで 先導してくれます。


「そういえば お兄ちゃんたち武器変えたの? ルンガお兄ちゃんは棒が刺さってるけど それも武器?」


以前一緒に行動した時は トンガお兄ちゃんとクルトさんは長剣を背負ってたし、ルンガお兄ちゃんは槍だから洞窟とかの狭い場所ではマジックバックに収納してた。

だけど今回は、トンガお兄ちゃんとクルトさんもリュックを背負っているから長剣は持ってない。

その代わりにトンガお兄ちゃんは普通の剣を腰につけているし、クルトさんは 短剣をつけている。ルンガお兄ちゃんは太ももにベルトが付いてて そこに棒が刺さっている。


「ああ、マジックバックが増えたし 狭いところだと魔法を多用するようになったからね。

だけど魔法ばっかりでも魔力が気になるから 狭いところでも使えるように携帯武器を持つことにしたんだ」


「俺のこれは打撃系の武器だな。こうやって使うんだ」


そう言って見せてくれたのは 肘までより少しだけ長い棒の先の方に握り棒がついたもので、クルトさんが短剣で斬りかかるのを その棒で受け止めている。

その上握り棒を支点にくるりと反転させて こん棒として殴りかかっているから 防具としても武器としても使えるんだって。


「凄いすごい!ルンガお兄ちゃん格好いい!」


「へへっ、そうか? 父さんに武術習ってたからな、結構使いやすいんだ」


飛び跳ねながら手を叩いて絶賛してたら お父さんも興味津々のようで 武器を借りて眺めている。もしかしたら自作の棒を作るかもね。


「ちぇ~、僕もちょっと変わり種の武器にしたらよかったかな。剣じゃ普通過ぎたよね~」


トンガお兄ちゃんはちょっと拗ねながら 新しい武器を選ぶなら 面白そうなのを選ぶつもりだと宣言している。自分の身と仲間を護れる武器にしてくださいね。



そんなワチャワチャしているけど、ちゃんと魔獣が来たら倒していますよ。

ただ 現れるのが ゴブリン、コボルト、ホーンラビット、ウルフ、オークだけなのでね。出てきたというか見えた時点で魔法による攻撃をされてしまうので 危なげが無さ過ぎるんですよ。


そんなこんなで予定通り2時間ほどで5階への階段に到着。

階段の途中で行動食を食べれば 5階の索敵。おや?



「一組いるな、まあ会ったら会った時だろ。

ヴィオも索敵してんな? 近くになったら魔法は詠唱付きで、エアショットくらいにしとけ」


「は~い」


上級だから抱っこされた普通の子風にするのは逆に危険だからね。

けど、この人たちはあれかな、全部の宝箱を開けて回りたい的な人かもね。


「あ~、パニックルームあるけど 開けるのはやめとくか。とりあえず2つ目の部屋で昼休憩にして、6階を目指す感じで行こう」


5階の索敵はクルトさん、お部屋は5つあるけど広いのは3つ、そのうち一つはパニックルームで 中身アリ。四つ足の魔獣っぽいけど 鹿とかそんな感じのフォルム。誰だろうね。

けど他の冒険者もいるなら あえて開けないのも鉄則なのでやめておこう。

休憩予定は広めのお部屋のひとつだね。


オークがさっきまでより増えていて、ホーンラビットは殆どいない。魔獣の強さバランスが上がってきているという事らしいけど、周囲が規格外の人しかおらず サクサク倒していくのでよく分からない。


「ねえお父さん、この人たちって迷子になってる? さっきから同じところ回ってる気がする」


「そのようじゃな、まあ斥候が居らんパーティーじゃと こういう迷路状の通路の場合そうなることは珍しくもない。

じゃが印をつけて何度か回っておれば 抜けれるからそれほど心配せんでええ」


そっか。真四角の迷路だとそのうち抜けれるんだろうけど、この迷路 上から見ると 斜めに真っすぐの道があったりするんだよね。広場っぽいところも何カ所かあって、宝箱があるけど その周辺には別の通路に進む入口があったりして、結構意地悪。

私は 遊園地とかにある巨大迷路をクリアしたことがない人だったと思うんだよね。エスケープの扉口から出た事しか覚えてない。

索敵が無かったら確実にグルグルしてただろうね。

見知らぬ冒険者さん達、頑張って!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ