第31話 採集の準備
昨日は 3人と【ちびっこ採集体験】の相談をしてから帰宅。
結局 資料室に行ったのと 同じくらいの時間を相談していたから、帰宅時間は同じくらいになってしまった。
「今日は運動の日だったんじゃろ?
お昼寝の前に 軽く汗を流した方がすっきりするぞ。」
昼食後に お父さんからそんな提案を受けて、クリーンはしてもらったものの、やっぱり汗だくだったのが気になっていたから お風呂に入った。
その後 お昼寝をしたのは覚えている。
気が付けば朝だったんだけどね。
お父さんのプレゼントの為に頑張りたかったのに、寝ちゃった自分が悔しい!
そんでもって、先にお風呂を薦めたお父さんは 絶対にお昼寝で起きることが出来ないと確信していたはず。ちくしょう。
「ヴィオは採集が上手いし、一度に3ポイントも稼げるじゃろ?
運動の日は疲れるじゃろうし、その状態で無理するよりは、そうじゃない日に頑張ればええ。
青銅までは50ポイントじゃ。今のままでやれば1月ちょっとで上がれるじゃろ?
青銅の半分に行く頃には、もっと体力もついておるじゃろう。」
悔しがって拗ねる私に お父さんが諭す。
確かにそうだけど、効率を考えればそうかもしれないけど、大人だった筈の自分が 自分の身体を制御できないのが悔しいんだよね。
でもそっか、運動の日に 資料室で勉強することにして、もっと知識を増やす日にすればいいかも。
聖の日は 皆がお休みの日だから、一日採集が出来るし、もっと沢山ポイントが稼げる。
「そうだね。体力がつくまでは、運動の日の午後は 資料室でお勉強するね。
魔獣とかのことも、今のうちに ある程度調べておけば、ダンジョンにも困らないよね。
お父さん、私に合いそうな武器も一緒に考えてね。」
時間は有限だからね。
将来の事を考えると、ポイントは効率的に貯めないと。
現在7歳のルン君は錫ランクで、ナチ君は青銅ランク、8歳のケーテさんはもうすぐ銅ランクの青銅らしい。
7歳で登録するから、ルン君がまだ錫なのは きっと弟たちのことがあって、そこまで頻回に依頼を受けることが出来ていないんだろう。
村の依頼はお手伝いが殆どだけど、報酬額は違ってもポイントは1軒1ポイントだ。
私が初依頼で3ポイントも稼いだっていうのは ちょっと異例なのかもしれない。
沢山納品しても、素材の状態が悪いと数のカウントが減る。
何とか使えるなら2枚分で1枚くらいのカウントにはなるけど、しわくちゃだったり枯れてたり酷いとゼロの扱いになるんだって。
私は お父さんが用意してくれた籠に入れて、10本1束で纏めて納品した。
とっても素材の状態が良いまま納品できたから フルでカウントしてもらえたんだけど、初めての依頼を受けた子供たちは、大抵半分以上が使えなくなるんだそう。
確かに私もはじめの数枚は、ナイフに集中しすぎて 薬草を握りつぶしてたもんね。
だからこそ、タキさんは子供たちに小さい時に体験させる今回の息子からの相談話に乗ったらしい。
実はあの後(私がお昼寝をした後)お父さんはギルドに戻って ギルマスたちにも話を伝えたんだって。
話を聞いたギルマスたちも賛成しているらしくて、先が丸い小さなハサミ作りは ギルドがお金を出すことになったらしい。
村長のハロルドさんも、今後 子供達の採集の腕が上達すれば、納品される素材の状態も良くなり、自身の薬局で扱える素材の質が良くなるならと、鋏作りに協力してくれているらしいから、村全体での一大プロジェクトに変化しているみたい。
3本のハサミを作る予定が、これからも小さい子供たちがある程度成長した時に 体験できるようにと少し多めに作って、ギルドで貸し出しをすることも考えているらしい。
その費用はハロルドさんも負担するって言うんだから、村とギルドの協力関係が素晴らしくできているんだと感心しちゃう。
ラノベあるあるは、ギルドと領主は仲が悪いって多いじゃない?ギルドは国とは別機関というのはこの大陸でもそうらしいけど、ここのギルドはギルド長を含め、職員皆が この村出身だというから 仲良しなのも当然なのかもしれないね。
他の村や国ではどうなんだろうね。それも大人になって旅をすれば分かるようになるだろうか。
まだまだ先の事だけど、やりたいことが多すぎて、目標と計画を作るのが大変だ!
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