表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒロインは始まる前に退場していました  作者: サクラ マチコ
第一章 幼少期編 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

240/414

第210話快適な船旅



「へぇ~、んじゃ ヴィオとアルクさんは 王都近辺のダンジョンにも行くのか」


「うん、予定では今月末までグーダンのダンジョンにいる筈だったんだけど、思ったより早く踏破できたから 時間が出来たの」


「けど、銀ランクの兄ちゃんたちが居ねーなら 父ちゃん一人だし、然程大きいところは入れねーだろ?

王都近辺は辺境みたいな 初級ダンジョンはないからなぁ。

まあ 馬車に乗らずに歩いて王都に行くなら 丁度いいんじゃねえか?」


出向した直後は 見回りを再開したものの、この船自体に魔獣除けの魔道具が付けられていることもあり 道中平和である。

暇になった〔水竜門〕の面々とお喋りをしている。

仕事は良いのか、仕事は。警戒はしているんだろうけどさ。


まあ 彼らの仕事は護衛な訳で、道中何もなければ 何をすることもないって訳で。船旅は 馬車旅のように色んなルートを行くこともできず、だからこそ 警戒しやすくもあるらしい。

川の船旅で注意するのは空からの魔鳥による奇襲、陸からの 盗賊による襲撃、この2点らしい。


「海賊みたいに 船で襲ってくるのは居ないの?」


「海ですらいねーな。大体 海岸線を離れすぎたら 魔魚の餌食だし、海の移動は川以上にヤベエんだ」


えぇっ!?

じゃあ 『海賊王に俺はなる!』なんて夢は叶えられない世界なの?

どうやら海は魔境らしい。

この大陸から離れた場所に存在する 神国も、岬の部分が大陸に近く、晴れている日にはメネクセス王国からも島が見えるくらいの距離らしい。

だからこそ その島と大陸の間は 魔獣除けの魔道具がついた船で行き来することができるらしい。

それ以外の島は 伝説となっているだけで 誰も確認に行けていないんだって。


これは 将来の夢が増えたんじゃない?

大陸のダンジョン踏破をしたら 他の島も見てみたい。空を自由に飛ぶ魔法とか使えるようにならないかな。



「川は その危険性が少ない分 昔はそれなりに水賊と呼ばれるやつらが居たけどな、河川工事が進んで 行き来する船を大型化したことで 水賊は消えたな」


おお、昔は船も小さかったんですね。

どうやら屋形船サイズの時代はあったらしい。

その当時は風魔法などでスピードをあげて襲ってくる水賊がいて、荷物を奪われ 転覆させられるような事件が多くあったらしい。

だけどケストネル公爵が 自領地を流れる河川工事を推奨してダム建設をした事で、こっちの王都側の川も工事が行われたらしい。


ダムの建設って……、そのケストネル公爵様って転生チート持ちだったりしません?完全に内政チートじゃないですか。

そりゃ、私みたいなのがいるんだから 他に転生者が居ても驚かないけど、完全にヒロイン役だよね。ヒロイン=王妃になるかとおもったけど、そうじゃないのもあるんだね。

いやいや、悪役令嬢のざまあ物の場合は 『王妃なんてやってらんねー』タイプもあったから そっちだったのかもしれないね。

まさかの 既に物語終わってました。だったのかもしれないけど、モブとして 是非 立ち合いたかったねぇ。


やっぱりお約束のあれもあったのかな『其方との婚約は破棄させてもらう!私は真実の愛に目覚めたのだ!』ってやつ。

あれって たかだか王子如きが 王命を簡単に覆すという不敬

そもそも婚約者がいるのに “真実の愛” という呼び名の浮気を発表

婚約破棄するとか言ってんのに 自分のモノ扱いで呼び捨てにする失礼さ

大抵の場合 自分の側近達とは竿兄弟…ゲフンゲフン。

病気になってないと良いですね。


ツッコミどころ満載な婚約破棄イベントがあったのであれば 是非見たかった。

まあ、実際 公爵令嬢がそんな事になれば 公爵家が黙ってないだろうし 王子を監視する人がいないとも思えないので 物語だけの話かもしれないけどね。



ベンガルさんの話によると ここの河川工事が完了したのは5年前で、ケストネル領で既に運航していた 巨大遊覧船が 河川工事終了と同時に 使用されるようになったんだって。

河川工事自体 5年くらいで終わったというから 魔法の力って凄いなぁとしか言えないよね。

元々他国に比べてドワーフが多いリズモーニ王国だったからこそ、工事も早急に出来たのだろうという事だった。


「だから川からの襲撃は無理になったから 船の護衛も人数が少なくて良くなったんだよな。今は所々にある 襲撃危険地帯だけ 気を付ければいいんだけど、そこも各領主が 整備をするようになったから 随分減ったんだ」


川幅が狭いというよりは 崖のようなものに挟まれた場所などは 盗賊が襲ってくるようなポイントだったらしいけど、ポイントが絞られる=警戒できる=その場所を整備するとなる訳で。

領主とて 自領地を通過する船がいつもそこで襲われるのに 何もしてくれないなどと悪評が立つのは避けたいから 必死で整備したのだろう。

この5年で 川沿いの鬱蒼とした森や 高台のような場所は随分減ったらしい。


お陰で 危険なイベントは全く起きません。

出航時は早朝で まだヒンヤリしていたデッキも 2時間も経った今は ぽかぽか陽気で温かい。そうなると眠気が襲ってくるわけで……。

お父さんのお膝によじ登り 抱っこスタイルになったらもうダメだった。

背中ポンポンで寝落ちしてしまったのも仕方がないと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
アスレチック作るシーンとか見るとこの作品の土魔法は強そうなんで重機なくても土木作業ははかどりそう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ