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第130話 ルエメイ遺跡ダンジョン その8


7階のセフティーゾーンで宿泊した翌日、8階の散策を行った。

果物の新作が増えることはなく、7階と同じものが生えており、果樹の近くにイエロースネークとゴブリンが居るのは同じ。


変化があったのは 8階には ゴブリンの他にオークが増えたことぐらい。

彼らは体が大きいので、その巨体を果樹にぶつけて 実を落とし 果樹を貪り食っていたので、そのおこぼれに預かろうと 周辺にゴブリンたちが集まっていた。


ちょっと数が多いのと、そっちをどうにかしようとしていると、上からイエロースネークが襲ってくるという面倒な感じだったので、魔法をしっかり使うことにした。


「【アースホール】、【アースウォール】」


まずは果樹を中心に、集まっているゴブリンとオークを落とし穴に落とし、落とし穴に沿って更に土壁で包囲。

その間に 先にイエロースネークを【エアカッター】で首チョンパする。

素材を回収しとかないと駄目になっちゃうから 即座に回収し、落とし穴の中で フガフガ吠えているオークとゴブリンを【索敵】で場所を確認してから【アースランス】で くし刺しにする。

【索敵】で魔獣反応が消えたのを確認してから 土壁を消し、落とし穴も元に戻せば、半分果物が残っている果樹だけが戻るという感じだ。

土壁からアースランスを生やせば 索敵の必要もなかったんだけど、そうしちゃうと果樹もボロボロになる可能性が高かったからね、ひと手間かかるけど 確実にやってみたよ。



「……安全と言えば安全じゃが、中々凶悪じゃなぁ」


その感想は是非 サブマスにお願いします。

集団戦の安全な戦い方として教えてくれた師匠だからね。

うん、私も結構容赦ないなって やってて思いました。


落とし穴&土壁&土の槍セットは中々良い方法で、貴重な薬草を採集するときにも 魔獣を隔離しておくことが出来たので、沢山安全に採集することが出来たんだよね。

皆も使えばいいのにってお父さんに言ったら、そんなに素早く落とし穴と壁を作るのは難しいし、普通は壁を作る前に数匹は逃げ出してしまうだろうだって。

しかも土の槍は 敵が見えない状態だと 命中率が落ちると言われて、そういえば【索敵】自体が珍しかったことを思い出した。


「お父さん、サブマスさんって凄い魔法使いだったんだね」


「ぶっ、今更か?」


あ、なんかごめんね。

そういえば最初にそんな事言ってた気がする。一緒にいると 凄い人なのはわかってるんだけど、魔法好きの気の良いお兄さんって感じが強すぎて、ちょっと忘れてた。

そんなすごい人に教えてもらってたなんて、果物のお土産だけじゃダメな気がする。


「ここのボス部屋の宝箱の中身で喜んでくれるかなぁ」


初級ダンジョンのボス部屋のお宝は 推定銀貨1枚分ほどの価値があると思われる。少なすぎるか? でも、愛弟子の成長の記録っていうプライスレスな価値があるって事で ダメかなぁ。

何もいらないって言われているけど、ココのボスの宝箱の中身は サブマスへのお礼として渡そう!


そう決意して、8階の果物、薬草、香辛料も少々採集してから一泊し、9階でも同じように討伐と採集を繰り返す。

9階には、何に使うのかよく分からないけど、常設買取に書いてあった素材が沢山あったので、それを採取し、保存袋をいっぱいにした。

あれだけ沢山買っておいた保存袋も、残り少ない。

往路で随分採集しすぎたかもしれない。まあ、時間停止機能が付いているマジックバッグだから、往路だろうが復路だろうが 鮮度は変わらないんだけどね。


食材は私ではなく、お父さんが興奮気味に採集していたよ。

お料理に使うスパイスらしくて、村でも普通に売っているんだけど ここで採取しておけば ドライで乾燥させて 直ぐに使えるんだって。

折角だからお父さんに教えてもらいながら 沢山採集したよ。

種類が多いから、野営地に戻ってから 【ドライ】の生活魔法で加工して、お父さんが持ってきてたすり鉢で 細かく砕いて 瓶詰めにするまでの作業もしておいた。


その中には 見覚えのある葉っぱもあったけど、加工してしまった後なので 見覚えのある素材と同じなのかちょっとわからない。

薬草の勉強はしたけど、調味料を含む食材の素材は多すぎたから メモはお父さんにお任せだったんだよね。

4種類ぐらいをミックスして瓶詰めしたスパイスは、お肉を焼くときによく使っているやつらしい。

爽やかな香りがする素材がミックスされてたのは、スープを作る時に使うやつらしく、お父さんのお料理上手の秘密が一つ分かった。

お父さんはスパイスの魔術師だったようだ。格好良いね!



夕食は採れたてのスパイスを使って焼いたお肉とスープ、デザートでペアーの実を食べた。

梨とよく似たペアーの実は 瑞々しくて美味しかった。

まあ、日本での梨を食べた記憶がある私としては 甘みが足りないとも思うけど、これはこれでアリだと思う。


「ペアーの実は、森ダンジョンには必ず生えておる果樹じゃな。冒険者にとっては水のかわりにもなるからな、ペアーを見つけたら 採集しておくというのを覚えておいてええ」


甘みが足りないからこそ水替わりになるのか、甘すぎるとそうはいかないもんね。

そうそう、赤と青があったアポの実だけど、赤が甘酸っぱいのに対し、青は甘さが増し増しだった。ギルドの依頼に ≪緑のアポの実≫と指定があった理由に納得だね。

甘酸っぱいのも美味しかったし、スイーツを作るなら赤い方が使い勝手が良さそうだけどね。という事で、私のマジックバッグには、赤と緑、両方のアポの実が袋詰めされている。


明日はいよいよボス部屋に挑戦だ。

こんな森があるダンジョンのボス部屋だからね、ボスはゴブリンとオークだと分かっているので 大して気合は入らないけど、ボス部屋がどうなっているのかは気になる。

しっかり眠って、明日は戻りもあるから頑張らないとね。

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