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第119話 休養日とお手紙


変異種を倒した後、中央部分には例の如く ボス討伐のお祝い宝箱が現れた。

中にはシカーマンティスの外殻で作られたらしい盾と、お金が入っていた。

ちゃんと麻袋っぽいのに入ってて、ちょっと重みがある袋だったから 嬉しくなったよね。

まあ、中身を確認したら10ナイルで、価値としては1銀貨なのですけどね。

麻袋の中に銅貨が9枚と青銅貨が10枚入ってたので 袋がずっしりしていたのは、ダンジョンの気遣いなのかも知れないね。

銀貨1枚だけが宝箱の中に入ってたら あまり感動しないけど、膨らんだ袋の中でチャリチャリ音がして お金が入ってたらテンション上がるもん。


シカーマンティスの盾は とても珍しいアイテムだったらしく、普通はお金だけなんだって。

お父さん曰く、変異種が出たことによる特別アイテムだったんだろうという事だった。



今まで入ったダンジョン、コベニアダンジョンのボス踏破宝箱は魔力回復薬だった(価値:銀貨1枚 10ナイル)

中級のウレアダンジョンでは 中級体力回復薬2本(価値:1本銀貨1枚 10ナイル)と 魔力回復薬1本(合計で銀貨3枚分の価値)だったので、褒賞の値段も決まっているのかもしれないね。

次に中級ダンジョンに行って確認してみたいところである。


通常種のシカーマンティスの鎌は、ケピマルの村では 農具や家庭用の包丁、ハサミなどに加工して使われるという事で買い取りをしてもらえた。

ホーンラビットの角も 回復薬とかの材料として買取はあったので、今回のダンジョンで手に入れた 盾2つと、変異種のオレンジの鎌、魔石以外は 全部売ってきた。

マジックバックの容量はあるけれど、この先もまだ 数か所のダンジョンに入るからね。

ダンジョン以外で採集してきた魔獣の素材は サマニア村でしか売れないから、マジックバックの容量は確保しておきたい。


ダンジョンの為にも食材確保をしていたけれど、どの村でもお弁当を持たせてくれるから 村から村の移動時しか実質野営メシは作っていない。

だから家で用意してきた保存用の野菜類もまだ残っているんだよね。



◆◇◆◇◆◇



ダンジョンのボスを踏破すれば 次の村に移動するんだけど、今回は短剣と鞭も沢山使ったので、武器のお手入れをしてから旅立つことにしたよ。

武器屋さんに預けた後に お父さんと二人で冒険者ギルドに行ってきたよ。

大きさはサマニア村の半分くらいだけど、建物の感じは同じで、地下には学び舎、2階には資料室と会議室、3階にギルマスたちの部屋となっているらしい。


「サマニア村から手紙が届いていないじゃろうか」


「はぁ~い、ギルドタグの確認をさせてください。

はい、ありがとうございます。アルクさんですね、サマニア村から2通届いていました。どうぞ~」


ギルドの受付嬢から2通の手紙を受け取ったお父さん、ギルマスとサブマス、2人が別々に送ってきたのかな?

中身を早く読みたい衝動に駆られるけれど、色んな人が行きかうこの場所で読むのもちょっと落ち着かないので、お父さんを引っ張る様に 宿屋へ戻る。


「お父さん、ギルマスさんと サブマスさんの二人から別々で送ってきたの?」


「ん?いや、違うみたいじゃな。

ああ、こっちは息子たちからの手紙のようじゃ」


え? もしや旅に出ているお二人? もしかして村に帰ってきてるの?

すれ違いじゃ~ん!

そう心配していたら、二人分の手紙を読み終わったお父さんが教えてくれた。


「息子らは まだ共和国におるみたいじゃが、来年の水の季節に リズモーニ王国のダンジョンに入るのに 一度村に戻ってくるつもりらしい。

多分立ち寄って、リズモーニ王国の上級ダンジョンをいくつか入るつもりなんじゃろう。

丁度ええ、戻ってきたら息子らと一緒に 中級ダンジョンへ幾つか入ってみるか。

儂だけじゃと ヴィオが銅ランクじゃと言っても心配で止められる可能性もあるし、面倒な奴らに絡まれる可能性があるが、息子らが一緒じゃったら 流石に絡みはしてこんじゃろう」


「ほんと? お兄ちゃんたちにも会えるの嬉しいけど、一緒にダンジョンに行けるのも楽しみ!

マコールさんの息子さんも一緒なんだよね? わ~、すっごく楽しみ!」


虎と熊の団体なんて 絶対に厳ついじゃんね。そんな人たちの集団に喧嘩売ってくるような人はいないだろう。それに義理とはいえ お兄さんになる訳だし、兄に会えるのは嬉しい。


「あっ、でも お父さん、私のことお兄ちゃんたちは知らないよね?

勝手に妹になったって言って嫌われないかな?」


「ん?いや、大丈夫じゃろう。驚きはするじゃろうがなぁ。息子らも妹が欲しいと良く言っとったから喜ぶと思うぞ」


それなら嬉しいんだけど、初対面の印象は大切だもんね。

ちゃんとご挨拶できるようにしておかないとね。


トンガさん達は 共和国のギルドから手紙を送るだけ送って 既に出発しているだろうから、どのみち連絡が出来るのは 水の季節に戻ってきてからだという事だった。

連絡が双方で欲しい場合は、今回この町に来て直ぐに手紙を送ったように、いつごろまでどの町に滞在しているという事を書いて送るみたい。

ギルマスたちの手紙には その内容を書いていたらしいので、トンガさん達からサマニア村に送られた手紙を一緒にこっちに送ってくれたみたいだね。


ギルマスたちの手紙には、村の近況が少し書かれていた。

風の季節が始まって大量に訪れた冒険者も 随分減って、毎年の顔馴染みが殆どになっている事、新しく村に定住しそうな冒険者が1組いそうな事、私が居ないから レン君とハチ君が寂しそうにしている事、サブマスも早く会いたいと言っている事などなど。

最後の方はちょっと照れる内容だったけど、いない事で寂しいって思ってもらえるのは嬉しいね。


「お父さん、サブマスさんに【索敵】の使い道教えてあげたら喜んでもらえるかなぁ」


「そりゃ喜ぶじゃろうな。まさか宝箱の中身が分かるとも思わんかったし、パニックルームを察知できるのは凄い事じゃからなぁ。

あの壁を作って安全に開ける方法も、喜ばれると思うぞ」


そっか、そうだよね。

あれもお父さんが驚いてたもん、お土産話は忘れないようにメモにしておかないとね。

あ、変異種の事も書いておこう。ダンジョンのボスからもらえる報酬が一律のお値段になっているのかも聞いてみたい。これは ドゥーア先生の方がいいのかな?

まあメモしておこう。


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