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第92話 日々の訓練


他の冒険者との関わりをもたないまま銅ランクとして討伐を頑張っているヴィオ5歳です。

週末は 銅ランクの冒険者たちが訓練場で 特訓していると聞いたので参加の是非を聞いたんだけど、お父さんとサブマスから止めておくように言われたんだよね。


銅ランクっていうのは、一番お年頃の人たちが集まっているらしくて、あまりよくないらしい。

まああれですよ、ギルドのお約束的なのをやらかすのが そのランクの人たちなんだって。

銅から銀に上がれる能力がある人、例えばケーテさんのお兄さんなんかは さっさと薬草採取と討伐ポイントを稼いでランクアップをする。

ガルスさんが長く銅ランクでいたのは、妹のケーテさんが産まれて 可愛すぎて引き籠り状態になっていたかららしいからね。


やらかす系の人は、討伐だけに拘っている人に多いらしい。

「冒険者と言えば討伐だぜ!俺TUEEEEEE!」をやりたい人。

そういう人は どこまで行っても自己流になるらしく、討伐をしても素材が駄目になることも多い。

勿論 薬草採取などをすることもなく、ポイントが貯まらない。

悪循環のままにダンジョンに行って 大怪我をしたり、帰ってこなくなることもある。

この村は そういう人が物凄く少ないらしいけど、ゼロではないらしい。


で、そういう人は 週末の訓練場で教育的指導を受けているらしいので、そんな場所に見た目5歳児の私が行ったら確実に絡まれるらしい。ちなみに平日に来るような真面目な冒険者は 直ぐに銀ランクに上がれるような人だから、貸切にしていないという事だった。

うん、止めとこう。

不慮の事故的な巻き込まれでも楽しめると思うけど、初めから絡まれると分かっているところに入りたいと思うほど戦闘狂ではないからね。



という事で、残念ながら他の冒険者との訓練をすることはなく、サブマスが裏の森に来てくれての魔法訓練を行う。


「サブマスさん、少し離れた場所にいる人とお話が出来る魔法ってありますか?」


「伝達魔法ですか?風属性の魔法であると聞いていますが、私には使えないですね。エルフには使う者が多いと聞きますが……」


お父さんと二人で森に入っている時、サイレントで聞こえないようにいしてくれているんだけど、距離が離れると使えなくなる。伝達魔法があれば便利だと思ったけど エルフしか使えないのか。


「来年 ドゥーア先生に聞いてみます」


「私も使えるようになりたいので、来年一緒に勉強しましょう!」


サブマスも使いたいと思ったんだね。あればきっと便利だと思うんだ。

海人族は水魔法で伝達魔法があるらしいけど、それってイルカとかが水の中で会話しているのと同じ感じなのかな?

私は人族だから風魔法が使い勝手も良さそうだよね。



「その小さくする【ファイアボール】は使い勝手が良さそうですね。火の魔法は魔獣討伐に非常に効果的ではありますが、素材を駄目にしてしまうことが多く、使い勝手が良いという事はありませんでした。

しかしヴィオさんの方法でしたら 傷も最小限に抑えられますし、攻撃能力としては通常よりも高い。

ただ、魔力操作に長けていないと攻撃が当たらないという欠点もあります」


確かに【ファイアボール】が大きければ 多少ノーコンでも掠る可能性はあるけれど、この小粒だと ダーツで20のトリプルを狙う勢いで集中する必要があるもんね。

お父さんも土魔法の【アースボール】で同じように出来るよう練習をしている。

サブマスは【ウォーターボール】で使えるように練習をするらしい。あれだけ魔法が得意な人でもまだまだ練習をしたいと思うのは凄いことだよね。

ただの魔法オタクではないという事だ。




風の日は ギルマスや サブマスが来てくれて特別魔法練習を行い、聖の日は 隔週で子供薬草採取体験を行う。

木の日と土の日は常設討伐依頼を受けに森に通い、火の日と水の日の午前中は ギルドの2階でお勉強をしている。水の午後はケーテさん達との特訓だ。


ミミーさんが歴史の勉強を教えてくれて、タキさんをはじめとしたギルドの受付をしている人達が、冒険者として知っておくべき知識を教えてくれる。

時々ポール先生も顔を出し、羊三姉妹が勉強していたような 資料の読み方を教えてくれている。


学び舎は本当に文字を読むためと、冒険者になった時に困らないようにする基本だけを教える場所なのだという事がよく分かった。

まあ、それですら教えてもらえない場所の方が多い事を思えば、凄いんだけどね。

お父さんに買ってもらったノートも、この資料室での勉強会が始まってからどんどん増えている。


「ヴィオちゃんってば、呑み込みが早いんだもの。難しい言葉でもどういう意味か、理解してから次に行くでしょう?

どんどん吸収するから 楽しくなっちゃって、無理しないでね~」


大人たちはそう言いながら、新しい資料を手に教えに来てくれるから 頑張らないとって思っちゃうよね。5歳児だからか、ヴァイオレットの身体能力が凄いのか、スルスルと覚えることが出来るのも面白くて、私も知識欲が湧いてしまっているというのもあるんだけどね。


お父さんも時々一緒に付き合ってくれるんだけど、歴史系と書類系は苦手らしくて、それが始まると 魔獣図鑑と分布図とかを読み込んで、次に行く場所を探してくれている。



浅い森にいる ホーンラビットとウルフ、少し奥にいた グレーウルフは問題なく討伐が出来ている。

更に奥に行けばブラックウルフがいるらしいけど、これは集団になると結構大変という事で、そこまで奥にはいかないようにお父さんが調整してくれている。

今度はどこに行くのかな?


お読みいただきありがとうございます。

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