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ギルベルの屋敷 2

私たちはお風呂と着替えを済ませると、ナナさん(本人にそう呼んでほしいと言われた)に出してもらったジュースを飲んでいた。


「ルキ見て!この子たち天使みたいでしょう!布は同じなんだけどここの」

「分かったから落ち着け。あと、セイとモエはそのままでも十分可愛い。」


ん?ルキ隊長から甘い言葉が・・・と思っていると、部屋に男性が入ってきた。

うさ耳が付いてる!と気を取られていると、男性が話し始める。


「鍵が開いていたから勝手に・・・ってルキ?君、子どもができたのか?女性と縁がなかった君もついに結」

「違う、この子たちは今」

「そうだわ!リュカ、この子たちを診察してくれない?」

「まずは説明させてくれ・・・。」


そう言うと、ルキ隊長はこれまでのことを説明してくれた。


「状況は分かった。引き取るかはギルの判断待ちだろうけど、診察はしておく。」


男性はそう言うと、私とセイ兄の前に膝をついた。


「初めまして。私はリュカ・スノーホワイトといいます。見ての通り、兎の獣人です。耳に触ってみますか?」


セイ兄は遠慮しているけど、私はもふもふの誘惑に勝てず触る。

気持ちいい・・・癒やされる・・・。


「ふふっ、気に入ったようで良かったです。私は医師で、普段は患者さんがいる家に行って診察をしています。今は仕事道具を持っているし、君たちの健康状態も心配だから、診察してもいいかな?」


私とセイ兄が頷く。


「ありがとう。私のことはリュカ先生と呼んでくださいね。」

「警戒されないように触らせたとはいえ、モエをあんな顔にできるとは・・・獣人が羨ましい・・・。」

「私も、今日ほど耳や尻尾が欲しいと思ったことはないわ・・・。」


ルキ隊長とナナさんが何か言っているが、リュカ先生は診察を進めていく。


「セイは八歳、モエは五歳くらいかな。痩せていることと記憶がないことは気になるけど、それ以外に大きな問題はないね。あとは・・・。」


少し考えてから、リュカ先生が話し始める。


「君たちは獣人だから、耳と尻尾のブラッシングを忘れないように。ブラッシングをしないと、埃や虫が付いたままになって、病気の原因になることがあるんだ。あと、ブラッシングをしないと毛並みが悪くなるから、見た目を気にするなら余計にやった方がいい。」

「他に、獣人だから気をつけた方がいいことってありますか。」


セイ兄が確認する。


「いや、それ以外はないよ。人間と獣人の違いは、耳の形、尻尾の有無、耳と尻尾への感情の出やすさの3つくらい。昔はもっと違いがあったそうだけど、今は見た目以外ほとんど差がないんだ。だから、基本的には人間も獣人も同じように生活できると思っていい。」

「獣人ってどのくらいいるんですか?」


セイ兄、ナイス質問。

珍しかったら注目されそうで嫌だもん。


「この国だと獣人が四割、人間が六割くらいかな。どちらかが物凄く多いということはないよ。」


それなら一安心・・・と思っていると、部屋に男性が入ってきた。

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