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プロローグ
萌黄は21歳の大学生。
3歳年上の兄、青磁と二人で暮らしている。
両親は他界しているが、兄の収入が非常に多いおかげで、生活に困ることはない。
「この日はお墓参りだからダメ、この日は午前中にゼミがあるだけだから・・・。」
「萌、まだ寝ないの?そろそろ日付が変わるよ?」
「バイトを入れる日を考えてたの。」
「無理するなよ?親がいなくても、お兄ちゃんの収入なら萌を養えるからな。」
「青兄の収入が滅茶苦茶多いことは知ってるけど、自分が使うお金はできるだけ自分で稼ぎたいもん。それに無理はしないから大丈夫。私が倒れたら、青兄が食事と睡眠を疎かにしそうで心配だし。」
料理などの家事は、主に萌黄が担当している。元々は青磁の負担を減らすために始めたのだが、現在は青磁の体調管理が目的になっている。(青磁は何かに集中すると食事や睡眠を削るので、萌黄が気をつけないと身体を壊す気がしたのだ。)
「分かっているならよし。遅くならないうちに寝るんだよ。」
「うん、今日はもう寝ようかな・・・。おやすみ青兄。」
「おやすみ萌。」
こうして、二人は今日も眠りについた。