ひるめし代
「ひるめしおごってやるよ」
「まじかよ、珍しいなー」
「まぁ今日が期限切れのポイントだしなー(笑」
予算は300円
焼きそばパンとコーラを選択
ありがとなー、と友人に手渡した。
コンビニの横手に座り込み、たわいない雑談を重ねる。
ゆっくりと食すも10分と持たなかった。
「この後どうする~?」
「俺は5限まで授業空いてるよ」
レジ袋にゴミをまとめて捨てる。
「じゃ、カラオケでもいかね~?」
「おっけ~」
あくびをつきながら、目的地へと足を進めた。
***
「いらっしゃいませ~」
笑顔で出迎えてくれたのは見知った店員さん。
友人にニヤニヤと小突かれ、自分が受付へと進む。
今思えば、このとき既に友人の計画は始動していたんだろう。
――――――
罠カードオープン!!
某アニメ声優さんの声が脳内に響き渡った。
退出時のこと。
先に払えと言われて会計を進めようとした。
「別々のお支払いでよろしいでしょうか~」
はい。と切り出そうとしたその瞬間。
「そういやひるめし代、返してもらってなかったよな~」
ニヤついた顔でヤツはそういうのだ。
いやいや、違うだろ!!
そう言いたかったが、ここで口論になるのは恥ずかしい……
心象を悪くしたくないが手前断れず、見事に払わされた。
さすがは長い付き合いだけのことはある。
俺のことをよく存じていらっしゃる。
許さないけどな!!