【2】
読者の皆様にお願いです。出来ればブックマークをお願いします。まだ、少しずつですが、タカミ君は活躍を紹介していきたいと思ってます。ご意見、お待ちしております。
高評価をいただけると励みになります。読者の皆様、よろしくお願いしますm(__)m
「あ。パーキンさんこんにちは。お久しぶりです。」
「ん?君は?」
「タカミですよ。」
師匠が横から、タカミであると言ってくれた。
「タカミ?あのタカミですか?本当にタカミであるなら凄いタイミングだ!」
パーキンさんが俺の所にやって来る。
「ジューク様が大変なんです。呼吸が速く苦しそうで、汗を沢山かいて、ミルクがあまり飲めない状態なんです。」
「ジュークって、生まれたばかりだったよな。急いでいった方がよさそうだ。師匠、俺行きます。」
「うん。私もついて行こう。その方がややこしくなくていいかもしれない。」
ノアが”パタパタ”やって来て俺の肩に留まる。俺は、ゲートを開きヤマト侯爵の屋敷に繋げる。
「相変わらず、凄い魔法を使うんだね。感心するよ。」
「行きます。」
俺達はゲートを潜り、ヤマト侯爵の屋敷に行く。そのままパーキンさんが侯爵の所まで案内してくれた。
「旦那様、ウォーレン様とタカミ様をお連れしました。」
「え!タカミ!彼がなぜここに!しかし、それは凄く心強い!」
侯爵様は、”キョロキョロ”している。お約束だな・・・
「タカミはどこにいるんだ!」
「ここですよ。師匠の隣にいるじゃないですか・・・」
「ん?君は?」
「だから、タカミです。まぁ、説明は後でします。ジュークは大丈夫ですか?」
「ああ、わかった。ジュークは、エヴァの部屋にいる。」
「わかりました。急いで向かいましょう。」
俺達は、エヴァの部屋へと行く。
「エヴァ!タカミが来てくれた!もう安心だ!」
「え!?タカミ!?」
「ああ。タカミ様が来てくれるなんて!よ、良かった・・・」
俺は、エヴァの所に行き、赤ちゃんを見てみる。確かに呼吸が早いし苦しそうだ。見た感じ、”あの病気”の症状だ。
「ちょっと、診察をします。よろしいですか?」
「はい。お願いします!」
「え?え?」
俺は、白衣を空間収納から取り出し、バサッと着、オペ室を作り出す。
<クリーンルーム>
そして、赤ちゃんの下に行った。俺は、赤ちゃんの上着を脱がせて、ベッドに寝かせる。
《アナライズ》
俺は、心電図を見る。右心室負荷所見(右軸変位)、心房細動、右脚ブロック等および左心室負荷の所見が見られるな。
《スキャン》
次に心臓内部の画像を見る。うん、やはりそうだ。約5ミリ程度の穴がある。ちょっと大きいな。心室中核欠損症(VSD)に間違いないな。チアノーゼを起こしているので肝機能、腎機能もチェックする。ここはまだ大丈夫そうだ。
「えっと、赤ちゃんは生まれつき心臓に病気を持っています。心室中核欠損症と言う病気で心臓の心室に5ミリ程度の穴が開いています。」
俺は、心臓の絵を描いて説明する。
「心臓はここから奇麗な血が来てこちらに流れて行きます。ここに流れ着いた血は、ここから全身に行くわけです。この病気は、ここに穴が開いていて、奇麗な血と汚れた血が混ざってしまって全身にきちんと酸素が行かなくなってしまいます。それで、このように酸素が足りない状態になってしまうんです。」
「心臓に穴が・・・」
エヴァは”ふら”っとしたが、それを侯爵様が受け止める。
「大丈夫ですよ。結構、多くの子がこの症状を持つことがありますが、大きくなるにつれ穴は塞がっていきます。でも、ジュークは穴が少し大きいですね。今からこの穴を塞ぎます。」
俺は、ジュークの胸に手を当て、再生魔法をかける。
《リジェネレイト》
心臓の穴がみるみる塞がっていく。これでよし。
「はい、終了です。少し風を引き気味なのでそれも治療しましょう。」
《キュア》
《ヒール》
ジュークの状態がみるみる改善していく。
「おお!流石、タカミだ!!簡単に奇跡を起こしてくれる。」
それって奇跡って言うのか?
「本当に何度も私達親子を救って頂きありがとうございます。」
ヤマト侯爵は大絶賛だ。エヴァはジュークを抱きしめ涙を流す。きっとずっと不安だったのだろう。この屋敷の回復師に見せても一向に良くならなかったらしい。”そりゃ、ヒールだけじゃ治らないよ。バイタルの状態は改善されると思うけど。”
「うん、もう大丈夫だから心配しなくてもいいですよ。」
「ありがとうございます。ありがとうございます。」
やはり、こういう場面を目の当たりにすると、母親が子供の事になるとわが身を顧みないと言うのが分かる気がする。そんな中、シルビアが俺をジーと見ている。
「うん、やっぱりタカミだ!こんな凄い事が出来るのはタカミしかいないもん!」
「そうだ!なんで、そんな立派な青年になっているんだ!」
師匠がヤマト侯爵に説明してくれた。俺が説明するよりも的確で速い。
「なるほど。しかし、フェニックスを従属にするなんてなんて奴だ。私も、そのフェニックスに会ってみたいよ。」
侯爵が俺の背中を”ポンポン”と叩く。
「え。いるじゃないですか。ほら。」
俺は、肩に留まっているノアを紹介する。
「ノア、この方達は俺の大切な人達なんだ。君に紹介するよ。」
ノアは、俺の方から降りフェニックスに戻る。
「初めまして。フェニックスのノアですわ。」
皆が、目を丸くしてノアを見ている。誰しもが同じ反応だな・・・
「ふぇ、フェニックス様!!!」
「あら、ノアでいいですのよ。えっと、何てお呼びすればよろしいのかしら?」
「侯爵様でいいんじゃないかな?」
「では、改めてご主人がお世話になっておりますわ。侯爵様。今後ともお見知りおきを」
「は、はい!こちらこそ、よ、よろしくお願い親します。」
なんだか、侯爵が緊張している様子だ。シルビアとエヴァは、まだ固まっている。そして、なぜかシルビアは俺の後ろに隠れる。
「何?シルビア。どうしたの?」
「えっと、フェニックスって言ったら伝説の聖獣の事よね。あの本とかに出てくる。」
「うん。」
「なんで、目の前にいるの?」
「ん?侯爵様が会いたいって言ったからじゃない?」
「そうじゃなくて、何でここにいるの?」
「ん?俺が連れて来たから?」
「何で連れて来れるの?」
「うーん、古代竜ドラゴンのイグニールに火口で閉じ込められていてさぁ。それを助けたら一緒に来るって事になった。あ、後、イグニールを見つけたらぶっ飛ばしてやるって約束したかな。」
「えっと、タカミ、あなた何言っているか分かっている?」
「うん、一応。」
シルビアがそのまま、腰を抜かした。俺はそれを受け止める。そして、我に返ったらしい。
「で、伝説のフェニックス!!!すごい!!すごいよ!!本当にいたんだ!」
「お嬢さん、私はノアと言うの。ご主人がつけてくれた素敵な名前。名前で呼んでいただけると嬉しいわ。」
「うん。私、シルビア。よろしくお願いしますノア様!」
「はい。シルビア。よろしくね!」
「ねね。触れてみてもいいかしら?」
「いいんじゃない?ノアいい?」
「構わなくてよ。どうぞ。」
ノアは翼を広げ、シルビアを抱きしめる様に包み込む。
「あぁ、私、私、今、凄い幸せ。私、昔からノア様の大ファンなの!!自由で、美しくて、強くて、小さい頃から憧れていて。お父様に沢山本を買ってもらったし、小さい頃はお母さまに沢山物語を聞かせてもらっていたの!!!!こうやって会えるなんて思ってもみなかった!!!しかも、お話が出来るなんて夢みたい!!」
どうやら、シルビアはフェニックスの大ファンらしい。女の子の憧れなのかな?まるでディ〇ニーファンが本物のミッ〇ーに会ったような感じかな?
「あら、シルビア。羨ましいわ。私もノア様の事が大好きなのよ。厚かましいお願いかも知れませんが私も同じようにしてもらえたら嬉しいのだけれど・・・」
エヴァが、ジュークを抱きながら恐る恐るやって来た。
「いらっしゃい。ご主人の大切な人達ですもの勿論いいですわ。」
「うわー。凄く素敵。ノア様に抱かれるなんて。こんな日が来るとは思っていなかった。ジューク、伝説のノア様よ。」
「あ、あの。良かったら私も・・・」
侯爵もやって来たがノアが嫌そうな顔をしたので諦めた。なんか、隅で”シクシク”している。侯爵の威厳ないな。
暫くして、皆が落ち着いたくらいにノアは小鳥に戻り、俺の肩に留まる。
「ありがとな、ノア」
「いいえ。皆さんに喜んでもらえて光栄ですわ。」
そんなバタバタした感じだったが、皆応接間に戻りゆっくりとする。ノアはシルビアと共にシルビアの部屋に行った。
「侯爵様、中央まで馬車をお貸し頂きありがとうございました。無事に中央帝都に到着いたしました。」
「うむ。無事に到着出来て良かった。しかし、君には驚かされてばかりだな。もう、驚かないと思っていたけど、流石に驚いたぞ!」
「まぁ、道中色々ありまして。何とか昨日到着致しました。」
「今日は、どうしたのだ?ヤマトの街が早速恋しくなったのか?」
「そうですね。それもありますが、ちょっと、師匠が気になって一旦帰って来たんです。」
「なるほどな。青年になったから、良い女のウォーレンが気になりだしたか。若さだな。だが、ウォーレンは難攻不落で攻略が難しいぞ!」
「ち、ち、違いますよ!」
「なんだ。照れなくてもいいんだぞ!でも、うちのシルビアもあと数年したら凄くいい女になると思うぞ!」
「シルビアは今でもとても魅力的で可愛いですよ。」
「ほう、タカミも隅に置けぬな。だかな、ちゃんと筋を通してもらうぞ!」
「何おっしゃっているのか分かりませんが・・・」
「あなた!ご本人を目の前になんて話をしているんですか!失礼でしょ!」
エヴァが伯爵を一括する。
「奥様、大丈夫です。侯爵がこういう人物だと昔から知っているので。」
師匠も広い心で侯爵の言動を受け流した。伯爵、威厳ないな・・・
「あら、そう言えば、ウォーレン様。なんか、若くなっていませんか?」
エヴァがウォーレンを見て、何か気付いた。
「あぁ、先ほど、タカミから薬を貰いまして。そのせいかもしれませんね。」
「あら、何かございましたの?」
「ちょっと、大病を患いまして。タカミに治してもらったのです。その時の薬の副作用らしいのですが、私にとっては良い副作用ですね。魔力が漲るのが感じるのですよ。」
「ほう、魔力が漲る薬か。どんな薬なんだ。」
「別に魔力が漲る薬ではありませんよ。師匠の場合、そうなっただけだと思いますが。」
「それにしても、肌の艶とかも良くなっている気がしますわ。どんなお薬をお飲みになったの?」
「ええ、まぁ…」
師匠は俺の方を”チラ”っと見る。俺は、首を横に振った。
「師匠の病気は、再発の可能性がある難病でした。それは、俺が中央帝都から帰ってくるほどの病気です。俺は、ある人?から病気の再発予防の薬をもらったので師匠を診断後、発病していない事が分かったので、その薬を飲んでもらったのです。その副作用ですね。」
「そうなのですね。これ以上詮索するのはやめておきましょう。タカミ様は、これからどうなさるのですか?」
「一旦、家に顔を出してから帝都に戻ろうと思っています。」
「そうね。それがいいわ。お母さまもお喜びになるわ。ちょっと、ビックリなさると思うけど。」
”バン!”
俺達が話をしているとリビングのドアが勢いよく開いた。そこには、涙で”グシャグシャ”になったシルビアがいる。シルビアが勢いよく俺の所に駆け寄ってきた。
「タカミーーーー!!!!」
俺は、突っ込んでくるシルビアを受け止めた。
「タカミ、やっぱりあなたは凄いよ!捕らわれのノア様を自由にしてあげるなんて!!!しかも、イグニールに奪われた宝玉も取り返すんでしょ!!!やっぱりタカミはノア様と”私”の勇者様だ!!!」
なんだか、シルビアが暴走している。多分、ノアが火口での事を話したんだろう。
「私、決めた!!私、タカミのお嫁さんになる!!ね。お父様、お母さまいいでしょ?」
師匠が一瞬、”ピク”ってしたのが目に入った。しかし、顔は笑顔だ。
「そりゃ、私は構わんが。」
「あら、私もいいですのよ。タカミ様が息子何ていいわね。」
「ちょ、ちょっと待った!!何言っているのか分からないんですけど(;’∀’)」
「私、私もタカミに相応しい奥さんになるため、魔法学園に行きたい!!ねえ、お父様、お母さま、いいでしょ?」
「ふむ。魔法学園か。確かにいいかもしれんな。シルビアは魔導士になりたいと言っていたし。」
「それに、タカミ様が居れば安心だものね。」
師匠の笑顔が怖い。
「ちょ、ちょっと待って待って!話の流れについていけて無いんですが(;’∀’)」
そんな俺をシルビアが上目遣いで見てくる。
「タカミ、私の事嫌いなの?」
「え!そ、そりゃ、嫌いじゃないけど・・・」
「じゃあ・・・」
”ガタ!”
シルビアが何か言おうとした瞬間、師匠が立ち上がった。
「さて、タカミ、親御さんの所に行くのが遅くなってしまうよ。宴闌ではあるが、ここはお暇しようではないか。」
”ギロ”
師匠が笑顔で俺を睨んでいるように感じる・・・
「そ、そうですね。我々はそろそろこの辺で…」
「それでは、失礼いたします。侯爵夫妻にシルビアさん」
師匠は侯爵夫妻に挨拶をし、俺を”引っ張って”帰っていく。
「し、失礼します。侯爵夫妻、シルビア」
俺は急いで挨拶し、師匠に引きずられて帰路に就く。その途中で、
「まったく、君って奴は、いつの間にそんなに女ったらしになったんだい(怒)」
「え、俺、何もしていませんが・・・」
「まぁいいよ。さて、帰るとしよう。」
俺は師匠を屋敷にゲートを使って送り届けた。その足で俺は家に戻る。
「ただいま。」
パタパタと奥から母がやって来る。
「あら、タカミちゃん。帰ってきたの。おかえりなさい。随分と早いのね。半年じゃなかったの?」
「うん。今日は、師匠の所に用があったら魔法で一旦帰って来たんだ。折角だから母さんの顔が見たくて、一旦帰ってきた。元気だった。」
「もちろんよ。ささ、中にお入りなさい。」
俺は、普通に家の中に入っていく。
「お父さん、まだ帰って来てないのよ。今日はどうするの?」
「うん、もう少ししたら帝都に戻る。」
「そう。また、寂しくなるわね。タカミちゃんが帰ってきれくれてお母さんはすごく嬉しいわ!」
「母さん、俺がこんな姿しているのにすぐ分かってくれた。すごく嬉しい。」
「当り前じゃないの。どんな姿をしていてもお母さんにはすぐ分かるわ。だって、私の可愛い大事な息子だもの。」
俺は、猛烈に感動している。母と子って他人と比べてこんなに違うんだなっと思った。
「実はね、母さんに紹介したい人?がいるんだ。」
「あら、誰かしら?」
「ノア」
さっきと同じ様にノアは”パタパタ”と地面におり変化を解いた。
「ご主人のお母さま、お初にお目にかかります。フェニックスのノアです。ノアとお呼びください。」
「あらあら、また凄い方がいらっしゃったわね。初めまして。タカミの母のサニーと言います。狭くてごめんなさいね。」
「いえ、体の大きさはある程度、調整できますわ。お母さまとお呼びしてよろしくて?」
「ええ。構いませんよ。ノアさん、タカミちゃんと仲良くしてくれてありがとうね。」
「いえ、こちらこそご主人にお世話になっていますわ。」
俺は、母にノアとのいきさつを話した。母は、イグニールにご立腹だ。
「まったく、そのドラゴンにも困ったものね。ノアさんを火口なんかに閉じ込めるなんて。しかも、ノアさんの大事な物も持って行っちゃたんでしょ。お仕置きしなきゃ!それにしても、タカミちゃんも立派になったわね。おかあさんもビックリしちゃったわ。」
やっぱり、ビックリしていたんだ。余り変わりないからスルーされたのかと思っていたけど・・・」
そんな話をしていると、父が帰ってきた。
「ただいま。ん?誰か来ているのか?」
「あ、父さん、お帰り。」
「おう、タカミか。どうした。そんなに立派になって。ん?そこに居るのは・・・」
父がノアをジロジロ見ている。そして、何か考え込んでいる。
「なぁ、もしかしてそこに居るのはフェニックスか?」
「うん。帝都に行く途中で一緒に居る事になった。」
「そうか・・・フェニックスか・・・」
父が一瞬止まる。
「えええ!!!!なんであの伝説の聖獣フェニックスとタカミが一緒に居るんだ!!!それに、タカミ、お前、なんでそんなにでかくになってるんだ?」
父は、パニックになっている。まぁ、これが普通の反応なんだろうな。俺は、再度いきさつを父にも話す。
「なるほどな。道中色々あったんだな。まぁ、旅は子供を成長させるって言うが、お前、成長しすぎだろう(笑)」
流石、この母にこの父って感じだ。その父もイグニールにお冠だ。
「ノアちゃん、大変だったな。俺に出来る事があったら何でも相談に乗るからな。しかし、イグニールの奴はふてー野郎だな!」
奥から、母が戻ってきた。
「タカミちゃん、ノアさんも、ご飯出来たから、食べて行きなさいよ。」
「うん。分かった。ノアご飯食べて行こ。」
「もちろんですわ。ご主人のお母さまの料理楽しみですわ。」
「まぁまぁ、たいした物はないけどね。」
俺は、夕食を父と母、ノアと共にし、少しして帝都に戻る。
「じゃあ、母さん、父さん、俺、帝都に戻るね。」
「はい。いってらっしゃい。身体には気をつけるのよ。」
「まぁ、タカミだから大丈夫だと思うが、折角行くんだ。出来る事を全直でやってこい!」
「うん。分かった。ありがとう。母さん、父さん。」
「ノアちゃんもタカミの事よろしくね。」
「お任せください。お母さま、お父様。」
俺達は、ゲートで帝都の屋敷に帰る。こうして俺のヤマトの街への一時帰還は終えた。
=============タカミのワンポイント=============
心室中核欠損症(VSD)
右心室と左心室の間に穴があいている生まれつきの病気です。最も多い先天性心疾患で、男女とも同じくらいの頻度です。約30%が2歳までに自然閉鎖します。自然閉鎖の90%は10歳までにおこります。本来混じりあうことのない右室と左室の血液がまじり、心臓そして肺に過度の負担のかかる病気です。赤い血液と黒い血液が混じりあい、右心室、肺のみならず左心室にも多くの血液が流れる病気です。心房中隔欠損症よりも小さいときに重症化し、幼児期、学童期にほとんど手術をする疾患ですが、穴が小さく大人になっても手術せずに元気にされる方もいます。
・原因
生まれつきのものです。遺伝的な証明はされていません。
・心室中隔欠損症の症状は
通常は運動時の息切れ、動悸、風邪をひきやすい等です。
ひどい場合 : 呼吸困難、チアノーゼ(まれです)、全身の浮腫
・病院にかかる必要は
まず、検診で心室中隔欠損症の可能性がある場合、小さいときに心室中隔欠損症と診断された場合はかならず一度は病院に行って診断を受けることをお勧めします。息切れ等の症状がある場合ももちろん早めに医師に相談したほうがいいでしょう。
無症状でも定期的に検査(心臓超音波検査、レントゲン検査、心電図検査)をすることをお勧めします。
・病院での診察、検査は
心雑音は大人の場合はっきりと聞き取れる場合が多いです。その後、心電図検査、レントゲン検査、心臓超音波検査をし、心室中隔欠損症の診断そして程度の診断を行います。さらに、手術が必要な場合は、手術したほうがいいかどうか迷う場合、心臓カテーテル検査を行います。
・心電図で何がわかる?
心室中隔欠損症は右房、右心室、肺に過度に多くの血液が流れ、負担が来る病気です。よって心電図では右心室負荷所見(右軸変位)、心房細動、右脚ブロック等および左心室負荷の所見が見られますが、心室中隔欠損症に特有というわけではありません。さらに上室性期外収縮、発作性頻脈、心房細動も起こりえます。
・胸部レントゲン検査
スクリーニング、心臓、肺の状態を大まかに見るのに役立ちます。右房、右心室、左心室を含めた心臓の拡大、肺における肺動脈の拡張等が見られることがあります。この拡大、拡張の程度をレントゲンで見て、おおよその心室中隔欠損症の程度を推測することができます。
・心臓超音波検査で何がわかる
心臓超音波検査で心室中隔欠損症を証明することができます。これが最終の確定診断になります。欠損の穴がどの場所に存在し、どの程度大きいのか、そして他の合併症がないかどうかが明らかとなります。右房、右心室が大きく肥大している場合、右房右心室の間の三尖弁にも負担が来て、弁の逆流が起こってないかが分かります。僧帽弁の閉鎖不全(逆流)と大動脈弁の閉鎖不全を合併することもあり、それもしっかり診断できます。
・血液検査で何がわかる?
血液検査では特に分かりません。チアノーゼが来るほど重症あるいは末期の場合、心不全から来るさまざまな肝機能、腎機能の悪化を認める場合があります。
・心臓カテーテル検査とは
カテーテル検査にて、どの程度血液が混じっているか、肺血管がどの程度傷害されているかを判定し、手術の必要性を判断します。
・治療の必要があるのは
★症状がはっきりある場合
★肺体血流比が1.7以上の場合
★肺高血圧がひどい場合
・治療しない場合どうなるか
右心房、右心室、肺および左心室の血流が多くなって、肺動脈の圧が上がります。肺動脈は多い血流に耐えられなくなり血管が硬くなり血管抵抗が高くなります。これで肺への負担も過大となり呼吸困難などの症状がひどくなります。さらに肺血管の抵抗が高くなり、全身へ行く大動脈の血管抵抗より高くなると、逆に右心室から左心室に多く流れるようになります。酸素の少ない黒い血液が全身に流れることになりチアノーゼが出現します。更に右心室、の負担も多く、右心不全として腹部膨満、全身の浮腫がでてきます。ここまで来ると末期状態であり、手術では症状の改善は見込まれず酸素治療、心肺移植が唯一の治療となります。ほとんどの心室中隔欠損症の患者さんがここまでなることはありませんので、病院で現在の状態を聞いて、病状を把握することをお勧めします。
心室中隔欠損症の穴が小さい場合、多少肺への血流が多くなりますが、末期状態になることなくお元気に過ごす方も多くいられます。そのため、手術の必要のない場合もあります。ただし、左心室から右心室への乱流により心室内に細菌がくっつきやすくなります。心臓内に感染巣を認めたり、弁の破壊を起こすことがまれですがあります。抜歯などでは、抗生剤等の予防が必要です。医師にその旨を話し、相談してください。
・手術
胸を約12cm切開し、心臓を開けます。このとき心臓を止め、心臓内の血液もいったん空にするため人工心肺装置で全身の循環を維持させます。心臓を停止させて右心房をあけ、心室中隔欠損部を閉鎖します。直接閉鎖するか自分の心膜を使って閉鎖します。
・薬物療法
心臓、肺の負担を減らし、合併した不整脈の治療のための薬物療法がありますが、根本治療ではありません。
・手術の時期
★症状がはっきりある場合
★肺体血流比が1.7以上の場合
★肺高血圧がひどい場合
各種検査方法で手術適応と言われた場合、手術する必要があります。決して緊急でするものではないので、手術を勧められてよく納得してから行うことをお勧めします。
・手術の危険性は
人工心肺装置を取り付けたり、心臓を停止させたりしますので、少なからず危険性はあります。心機能が一時的に悪化したり、不整脈を起こすこともあります。また、脳梗塞等の合併症も報告されています。いずれにせよ、心臓手術の中では難易度の低いほうですが、危険性もまったくないわけではありません。
・手術後2週間で退院
合併症がない場合2週間で退院は可能です。2ヶ月で重労働の仕事も可能です。
・手術で心臓はもとに戻る?
術前の心臓の状態、肺の状態によって回復度は違ってきます。いい時期に手術をした場合、症状も改善し、まったく正常の生活、運動が可能です。
心臓の弁に少し異常がある場合、不整脈がある場合、肺高血圧がひどく肺機能が改善しない場合は、改善に時間がかかることがあります。手術後遠隔期にはもとの心臓に戻りますが、心機能の変化、弁膜症、不整脈、に対し定期的な検査は必要と思います。無症状の場合でも年に1回の診察をお勧めします。
次の更新は1/8土曜日になります。
本日も読んでいただいてありがとうございます。高評価は励みになります(・∀・)イイネ!!
これからも、よろしくお願いしますm(__)m
******大和市にある冒険者ギルド酒場が舞台の物語。******
良かったら我々と同じ、冒険者になろう!
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