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召喚と初体験

よろしくお願いします!



「今までの悲劇、殺し合いの連鎖全ては、全部お前が...」


「そう、バレちゃったか。なら君は帰す訳にはいかない。ほかの神にバレたら負けることはないにしても面倒だ。ここで果てろ。『救世主』」


何万の生物の死を運ぶ光が、ただ1人の少女を消し去る為に放たれる。

そんな光を前にしても、少女には逃げる素振りも怯えもなかった。


「私は、この世界を救ってみせる。たとえ、私が私でなくとも」


そう言って、少女が小さく何かを呟いた次の瞬間。少女の背後に、何かが現れたように見えた。

ただ、それも一瞬のこと。結果は何も変わらず、死が少女の身に降り掛かる。

残ったのは最初からそうだった真っ白い空間と、その持ち主である青年だけだった。




「さて、次の遊びに取り掛かろうか」


残った青年は笑顔でその場を立ち去り、笑いながら次の遊戯を始めるため準備を進め始めた...











━━━━━━━━━━━━━━━











「ようこそおいでくださいました、救世主様方!そして、急な召喚をお詫びします」


皆さんこんにちは、こんな経験はありますか?あるなら対処を教えて欲しいです。


目が覚めたら、数人と一緒にキラキラした服装の男女数人と、甲冑的な防具に身を包み槍を持った10名程度に囲まれているといったような事なんですが。


僕だけでなく、一緒に囲まれてる人達もこの状況を理解出来ずに顔に困惑が現れている。


「みなさんはこの状況に戸惑っていると思われます。我々は神の導きに従って召喚魔法を行使しました。そして、我々の世界を魔族から救ってくださるあなた方救世主様達を召喚することになりました」


僕達の心を読んだかのように説明が始まる。


長い話だったので、まとめて整理してみる。




僕達は魔王と呼ばれる魔族の王を倒し、この国、『グラン』を救うために召喚された。

僕達には神から授かった【祝福】という特殊な力がある。それを活かして世界を救って欲しい。同盟各国も支援を惜しまない。

無事、魔王を倒したら元の世界に戻せるようになる。




以上が、この国を代表して僕達に話しかけている王女メル様の説明である。

なんかよくある設定だなあ...


しかも、なんで俺なんかが...

ただの下っ端会社員だぞ?


「おい!何勝手なことべらべら喋ってんだこのアマ!」


金髪の男一人が叫んだ。いかにもヤンキーって感じである。

しかし、王女様は動じた様子はない。


「申し訳ないとしか言えません...しかし!魔王を倒してくだされば、ちゃんと元の世界に戻せます!それに...」


王女は金髪に近づいて、彼の腕を豊かな双丘で挟み込んで何かを囁く。

すると、


「その言葉、忘れるなよ」


金髪がまんざらでもない顔をして、引き下がったのがわかる。王女様...その手を使うのね。


王女様は、手を叩いて仕切り直す。


「では皆様、とにかくステータスと祝福を確認してください」


しばらく説明が続き、その後各々が確認作業に入る。


とにかく僕も言われた通りに確認してみよう。えっと確かやり方は...

さっきのメル様の説明では、ステータスオープンって念じたら頭に自分の能力とかが浮かび上がるんだっけ。


僕は1度深呼吸して、自分のステータスを確認する。



-----------------------------

如月蓮 男 22歳 レベル1


体力 45 魔力量20


筋力 30

魔力 30

対物 30

対魔 30

敏捷 30


【祝福】

無限の魂(いつまでもここに)

静寂の垣間見(あなたをしることが)

盗み見禁止(みせられないひみつ)

《言語理解》


【称号】

《非救世主》

《神が写さぬ者》

-----------------------------



おお!まるでゲームである。


ちなみに王女様から各項目に説明があった。

ステータスは、体力魔力量含め最低基準値ははオール25。あとは鍛えれば才能しだいで上がっていく。レベルとは、ステータスの成長度合いを表すもので、99が最高。

レベル99になれば、自分の能力の限界を引き出したことになる。

...ちなみに、救世主である僕達は元からステータスが高く、レベルアップでさらに伸びるのが普通らしい。


【祝福】。

神からの贈り物で《救世主》のみが持つ。簡単に言えばその人のが神から授かった固有技というところ。


【称号】。

自分に起きた物事などから勝手に神によって設定される物で、ステータスに補正がある物があるとも言われているが、その点の詳細は本能でしか理解できず、不明。



さて、自分のステータスを確認した訳だが。

自分のステータスが基準値程度な点はとりあえず置いておこう。


問題は称号の《非救世主》。

これ、不味くない?

救世主じゃないのに【祝福】持ってるし。誰からの祝福だよバカ!


とにかくこれがバレるわけにはいかない。【祝福】にある各項目の効果も、自分の頭に勝手に流れ込むように理解できる。



《静寂の垣間見》

望む相手の情報を、全てに感知されずに見抜いて理解できる。


《盗み見禁止》

無意識下であろうが、他人に自身の情報を見られない。また、相手の鑑定等を思いのままに偽装できる。


《言語理解》

全ての言語を理解・自動で翻訳し、会話が可能。



これらは完璧に理解することが出来た。

しかし...



《無限の魂》

あなたの魂は無限の生を刻む。

dgdjpyvs?ykgkw(eqo



まさかの文字化け。どうしたものか...

ただ、《盗み見禁止》のおかげで《非救世主》がバレることは無い。

まずは、指示に従って動く事にしよう。


「では、皆様のステータスを確認させていただきますわ」


王女様直々に1人ずつステータスの確認が始まる。よく数えてみると僕と一緒にここに来たのは僕を含めて11人だ。


王女様は、一人一人に笑顔で話しかけて次の人に向かう。どうやらいい感じなのだろう。

そして、僕の番が来た。


「っ!?」


王女様は僕のステータスを見るなり驚愕したように見えたが、直ぐに笑顔に戻った。


「...き、きっと、成長すればステータスも伸びますよ」


見るからに作り笑いしているが。

ステータスに関しては偽装しなかったんだけどやっぱり不味かったのかな。あくまで基本は高いって話だったから低い奴がいても大丈夫かと思ったんだけど。


不思議に思って王女様が、他の位の高そうな人と話し合っている間、隣の人にステータスを見せてもらったのだが...


-----------------------------

桐谷結衣 女 18歳 レベル1


体力 250 魔力量200


筋力 170

魔力 300

対物 160

対魔 200

敏捷 180


【祝福】

《全魔法適性》

《魔力消費軽減》

《言語理解》


【称号】

《救世主》

-----------------------------


...やばいね。

そりゃ王女様も僕を見て驚愕するよ。僕生きていけるのかな。







その日の夜。僕達は各自に用意された部屋で休んでいた。料理名は分からないものの、出された晩御飯も尋常じゃなく美味しくて、風呂にもはいらせてもらった。

勝手に呼び出したんだからそれぐらい普通なのかもしれないが、僕は完全に安心して部屋でくつろいでいた。最初の緊張もほぐれて、ステータスを見せてくれた女の子ともちょっとは仲良くなれた。


「さて、そろそろ寝ようかな」


小さく独り言をいいながらベットに入る。僕は緊張の糸が切れたあとだからなのか、直ぐに眠りについた。






のだが、しばらくして僕の部屋の前でバタバタと走り回る音が僕の目を覚まさせた。

なんだと思って耳をすました。


「もっと静かに素早くしなさい、あいつが起きてしまいます。あんな使えないゴミのために私が直々に来てやってるのだから」


王女の声が聞こえてくる。

どういうことだ...?


僕がベットから起き上がり扉を見た瞬間、扉に穴が空いた。


全身に熱が走り、一気に失われていく。

一瞬の激痛と共に視界が霞む。

痛みの元である胸に手をあてればドロっとした感触が手に。

何が起きてるんだ...?

もしかして、これって死ぬ...


(がぁぁっ.,!)


連続して僕の体に痛みが走る。

足、腕、腹、そして頭。


僕は声も出せず...









━━━━━━━━━━━━━━━










僕の前には、小さな兵器が置かれていた。

首を動かして右を見れば穴の空いた扉と、その奥の部屋の中に倒れる、胸に穴が空いた僕の体が横たわっていた。


(どういうことなんだろうか)


これが幽体離脱ってやつなんだろうか。

さっきとは違い、今度は驚きすぎて声すら出ない。

何も考えず、目の前の兵器を触ろうと手を伸ばして気づいた。


これ、僕の手じゃない。


ぶわっと体から汗が吹き出す。周りを見てみれば、見た事ある兵士や王女様がいる。

僕は深呼吸して、自分の記憶を辿った。



ありがとうございました!

次回がいつになるかはわからないですが気が向いたらよろしくお願いします!

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