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筋肉と遭遇する姉妹


 部屋から出たら確かにホテルだった。

 映画とかでマフィアな人達が銃撃戦を始めそうな感じ。

 うん、我ながら良い例えだね。

 部屋の入り口の扉が分厚い自動ドアってのが変な感じだけど…


 って、鍵持たずに出ちゃったじゃん!

 いや、あんな部屋に戻りたくないし良いかな。


 あれ、そもそも入り口に鍵穴がないね。

 自動ドアだし。

 うん、まあ良いや。


 入り口の横にネームプレートが貼ってある。


「706号室 源頼朝様 平清盛様」


 うん…?

 いや、私達って絶対にこんな名前じゃないよね?

 そもそも読めんし。

 思い出せないけど違うのは分かる。


 よし、名前なんて気にするなってことかな。


 さっさとエレベーターで下に降りよう。

 下に行くボタンをポチっと押す。

「むんっ!」

 あっ?

 変な筋肉がむさ苦しい掛け声をあげながら、私達の隣のの部屋から出てきたよ。


「705号室 大村マッスル様」


 って、あれも本名じゃないと良いけど…

 それにしても隣にヤバいの泊まってたよ。

 プライベートで「むんっ!」とか言っちゃう人間がヤバくないわけないよね。

 うん、絶対にヤバい。

 関わらないようにしたいね。

 つか、ムキムキなのにタキシードって…


 私とお揃いじゃん!


 もうやめて欲しいね。

 マッチョはどうせ脱ぎたがりなんだからティーシャツにしとこうぜ。

 そして一般人の人目につかないところで暮らすべきだよ絶対。


 ああ、なんか泣きそう。

 やっと、エレベーターの扉が開いたよ。

 さっさと乗っちゃおう。


「ボーイ!そしてタイガーレディ!この!おおっ!むらっ!マッ!スル!ご一緒してもよろしいか!?」


 うざい!

 きもい!

 こわい!

 一言一言話すたびに変なポーズをとらなきゃいけないのかな!?

 もう悪夢だよ。

 具体的に言うと、文字にするとビックリマーク付きそうな所でポーズ取ってくるよ。


「無理です」


 ははっ、やっぱり姉ちゃんは神だぜ。

 きっぱり神だ。


 確かにあんなデカい筋肉はこのエレベーターでご一緒したら狭くて潰されそうだよな。

 無理だよ、むりむり!


 私は閉ボタンを連打する。


「了解した!大村マッスル!次の…」


 ドアが閉まった。

 エレベーターの中には私達の二人だけ…


 ああ…

 良かった…!


「姉ちゃん!あいつ、ちょー怖かったよ!」


 ご一緒してたら潰されてたよ絶対。

 ミンチだよ!


 良くて窒息死してただろうね…

 姉ちゃんは命の恩人だぜ!

 ああ、泣きそう…


「怖かったのなら、泣いてる場合じゃないわよ」


 ああ、もう泣いてた!?


「うん、でも本当に気持ち悪かったから…」


 もうちょっと泣きたい私だけど、涙を拭うぜ。


「えっと、エントランスは2階か…」


 一階はレストランみたいだね。

 あれ?

 一階のレストランから外に出たら受付みたいなとこ通らずに出れるんじゃないこれ!?

 よし、これは一階に行っちゃおうかな!


 一階のボタンを押そうとしたその瞬間、

 すっとエレベーターの入り口の扉が開いた。


「むんっ!?やはり!この、大村マッスルと!ご一緒したく!なりましたかな!?」


 ならねえよ!

 行き先押さずにちんたらしてただけだよ!


 間抜けでごめんなさいね…

 姉ちゃんの泣いてる場合じゃないってこういう意味だったんだね…

 バカな妹でごめんね…


 だめだ、やっぱりこの筋肉怖い…


「おや!ボーイよ!泣くんじゃない!このっ!おおむらっ!マッスル!力になろう!」


 姉ちゃんが閉ボタンを押す。


「無理です」


 姉ちゃんが言い終えた所でドアが閉まる。

 ははっ、姉ちゃんは着ぐるみパジャマなのにかっこいいぜ!


 姉妹で助け合うことって、唯一の姉ちゃんから主張したルールだけど、私ってやっぱり助けてもらってばっかりだな。


 よし、またドアが開く前に一階のボタンを押しとこう!

 泣いたらお腹も減ってきた。

 あっ、お金っていうか財布すら無いじゃん。

 どうしよ?


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