2ー4ー4
人間を辞めたと評されるほど笑い声響かす和輝が無為に疾走している頃のこと、恐怖に包まる天界が一画では冷凛とした声が放たれた。
「というわけで、和輝を返して欲しいんだけど♪」
「今どこをほっつき歩いているのか、教えてくれるかな♪」
「ち、ちょっと担当の者が不在でして……」
正座して項垂れ恐れ慄く女性の首を刃で叩くは天桜望來と天安院月菜で、蚊の鳴く如き音吐き出す天照はただ災害過ぎ去ることを乞い願い。
額に血管浮かべる少女達が舌打ち鳴らしたその瞬間、ミクの足が振り下ろされては彼女の頭が地に埋まる。
「下手に出てりゃ随分と付け上がってくるじゃねぇか」
「まだ自分の立場ってもんが分かってねぇみたいだな、牝豚ぁっ!!」
それに合わせて振り上げられるルナの足は抵抗能わぬ天照の鳩尾へと吸い込まれ、鈍い音響き嗤い声が闊歩して。
何でこんな仕打ちを受けないといけないの。
踏み付ける力が緩まるや頭上げる天照は掠れた声を吐き絞り、涙流して俯いた。
その様子を遠隔で眺める他の神々は囃し喝采響かせながら盛り上がり、天照が涙見せたところで挙動止め。
「お、おい! あいつ危なくねぇか……」
「でも、どうする? 武闘派は全員出払っとるし、儂らでは止めれんぞ」
「でも、あの表情いいっすよねぇ……」
程なくして逸れる話で盛り上がり、高みの見物は遠見の余興へと変貌し。
この事実を知る天照が後に、般若が如く形相で鉄槌の風を吹き荒らすこととなる。
そんな未来のことなぞ捨て置かれ、一人神柱に捧げらる天照は震える唇噛んで顔上げた。
「あ"? おい、その目は何だ」
「よく考えたら家畜は跪くものだよな?」
「躾のなっていない家畜には……」
「自分に価値がないんだって、教えてやらないとなぁ……♪」
「ヒィッ!!」
即座に返る獰猛かつ無慈悲な笑みに、ただただ絶望したという彼女の顔より正気は引いて。
嗤う2人は天照の髪掴んで地に転がすと、虚空より首輪取り出し太い声を震わせた。
「さぁ言ってみろ。私は何の価値もない牝豚ですってな……」
「おら、言ってみろよ!」
「私は♯α#大好きな変態ですってな!」
「誰がそんなこと……」
天照の首が締まっては抵抗能わぬまま鳩尾に拳が沈み、鈍い音漏らすや踵が心臓部を揺らす。
心が壊れない程度に加減されるも自重知らぬこの拷問が始まってから時隔て、未だ抵抗の気概保つ天照に驚嘆の表情重なった。
それに伴いミクとルナが動きを止めたのは一瞬、目撃者曰く醜悪かつ残虐な底冷えするが如く笑みを浮かべて口開き。
「「じゃあ、抗ってみろや♪」」
「なに……をあぁぁあぁっっ!!!???」
掠れた息漏らす天照へと腕伸ばすミクの指より電流走り、標的に吸い込まれるやルナが足を振り上げた。
その足は垂直に天照の両足の間を縫い進み、骨部分に直接与える衝撃は頭頂にまで駆け登る。
脱力する天照だが崩れ落ちること許されず、彼女の首掴むルナは手を胸の位置まで上げると口開き。
「楽になれるなんて思うなよ♪」
歌うが如く声音投げらるその瞬間、首が絞まって彼女の頭部は天を見て。
天照の頭を鷲掴みにして嗤うミクの手には鑢が握らるも、それを動かすことなく彼女は掴む手より電流流し囁いた。
「ほら言ってみろよ、私は♯α#が大好きな§¤ですってな……!」
「もう許して……」
「「誰がそんな発言を許した?」」
無慈悲に投げらる言葉に返るは懇願が如き微かな音で、それを遮る声と共にミクが蹴る。
電流纏う足が心臓部震わすや苦悶の叫びが辺りに響き、唇舐める2人の顔に愉悦混じる笑み浮かび。
そんな2人に恐怖の表情色濃くする天照のことなぞ捨て置かれ、脳天へと踵落ちるや意識手放し戻されて。
「言え。誰が貴様の主人だ」
「や、止めて……」
「もう面倒臭い。これから私たちに逆らえば、風刃を1回ずつ当てて指を折る」
暫し経ってからのこと、尚も理性を保つ天照に鋭き舌打ち鳴っては苛立ち混じる声が放たれる。
その言葉に虚空見上げるミクは頷くと、虚空より短剣取り出した。
そのまま天照に剣を向ける彼女が息を吸って一拍後、その表情より愉悦の笑み消す彼女は口開き。
「まずは、さっきから私たちに逆らった。〈切り裂け〉」
感情なき声紡がれるや振り下ろされる短剣を中心に風が吹き、天照の肌を裂いて同じ色の内部を曝けさす。
目を閉じ苦悶の声に耳を済ます2人だが、絶叫なき様に疑問の表情浮かべながら瞼開けるや挙動止め。
纏う衣服で大部分が遮らる現実に、目撃者曰く悪魔染みた笑みを浮かべると、ルナも短剣取り出し投げ掛けた。
「あれ? 物足りない感じかな?」
〈〈切り裂け〉〉
重なる声と共に放たる旋風は威力増し、苦悶の表情強める天照の顔より余裕消え。
破れ切り裂かれる彼女の衣服は辛うじて薄衣が原型留めるに至り、遂には肌部分に切傷浮かんで悲痛な声が木霊する。
その様子に風止める2人は口元を凄惨に歪めると、手にする短剣を逆手に持って囁いた。
「ほらほら、早く墜ちれば楽になるよ♪」
「それとも、こうされるのがお望みなのかな♪」
返答待つことなく振り下ろされる短剣は天照の両肩へと吸い込まれ、深く刺さり動かされては外聞捨てらる悲鳴が空を舞い。
彼女が宙に吊られるや靴に棘纏わす少女らの足が脇腹突いて、短剣を軸に回転しながら踵を下腹部へと落とし。
地に降りる少女達が手に魔力を纏わせたその瞬間、天照の心臓部に拳を放って鈍く汚い音吐かす。
そんな天照に残虐な笑み向ける2人は剣を引き抜き脇へと振ると、眼前に突きつけ苛立ち混じる音を捨て投げた。
「「さぁ、選びなさい。私たちの奴隷になるか、未来永劫死より辛い苦しみ受けるのかを」」
「あ、そうだ。苦しみっていうのの欠片ぐらい見せておかないと、判断できないよね♪」
「それもそっか! ほんの少しだけ、ほんの少しだけでしかないけど。体験してもらおっか♪」
返答待つことなく続けらる2人の弾んだ声より愉悦の響きは最早消え、恐怖に染まる天照は何を為すこと能わずただ震え。
ミクとルナが湛える慈愛に満ちた顔見上げるや鋭く息を吐き漏らし、救いを乞い願ってそこに在り。
表情変えることなく瞳を真紅と深蒼に光らす少女達が短剣で天照を指したその瞬間、彼女の肩が跳ね上がっては慈悲なき声が紡がれる。
「「さぁ、泣き叫びなさい」」
「やめ……てェッアァァアァアアア!!!」
微かに響く懇願の存在否定され、力なく首振る天照に手が伸びては左右の胸が千切られた。
絶叫響くと同時に彼女の胸部が血を噴いて、純白の世界に朱を差しながら天照の体より力抜け。
手に付く血を舐め嗤うミクとルナの顔はどんな悪魔よりも怖かったと、後に語らることとなる。
「おいどうだ? 生身の感覚はよぉ!」
「久しぶりすぎて嬉しいだろぉ? しっかりと痛みを味わいなぁっ!」
これからが本番だ。
纏う空気でそう語る少女達に微かな吐息漏らす天照は空見上げ、その瞳より光彩消して力抜く。
そんな天照に電流放って意識戻さす2人の行為は留まることを知らないで、遂には魔法で首を締めながら腕を折って足を折る。
腕を砕いて足砕き、腕を千切って足捥ぐ2人に情け容赦の文字はなく。
胴体を縦に斬り割り天照の首落とし、頭部の切断面に切先向けては突き出して。
残る頭部を突き刺し持ち上げ目を合わせると、口元歪め問いかけた。
「ねぇねぇ、今の気分はどう♪」
「死ねない気分はどう♪」
2人が指を鳴らすや天照の体は瞬時で戻り、時隔てることなく拷問は無情に続けらる。
壊れた笑みを浮かべる2人の手が天照の腹を捌いて内臓掴み、それを引き抜き体を再生させては心臓抉って絶叫響かす口に詰め。
「うっわぁ、漏らしたぁ~」
「きったねぇ~!!」
天照が虹彩消えた瞳より涙を流す機械となった頃、ミクとルナは血に塗れた手を止め汗を拭って息を吐く。
もうそろそろ良いかな?
同じ言葉を無言で交わした2人の顔が凄惨に歪み、天照の頭を踏み付け吐き捨てた。
「さぁ、言ってみなさい♪」
「私はあなた方の奴隷です、♯α#に狂った牝豚です、ってね」
「……です」
「「ん?」」
「わた、しは……あなた様方の奴隷です! ♯α#に狂った牝豚です!!」
足放し彩り無くした瞳見つめる2人が纏うは勝ち誇るが如き雰囲気で、歪な音程で叫ぶ天照より理性の声音が消え失せる。
その目より涙溢れること厭わぬ彼女は狂気の笑みを振り撒いて、流れる体液は留まること知らず流れ落ち。
それを暫し眺めるミクとルナが短剣を虚空に投げ入れ一拍後、指鳴っては天照の体戻り無情な声が重なった。
「やっと堕ちた?」
「手間かけさせやがって。おい」
「貴様の主人は誰だ」
「あなた様方にございます」
さて、どうしてやろうか。
間髪置かず返さる音に嗜虐の笑み浮かべる2人は言葉止め、虚空より鞭取り出してはまた仕舞い。
ミクが天啓でも受けたが如く笑み湛えたその瞬間、恍惚の表情浮かべるルナが言い放つ。
「脱げ」
「はい、我が主の御心のままに♪」
「「アハハッ、最っ高……♪」」
淀みなく従う天照が命令者に向けるは狂気混じる感情で、壊れた笑み張り付け衣服手放す様に対する2人は笑み深め。
微かな声重ね紡いでは天照を蹴り転がして腹を踏み、純白の鎖顕現させては天照を縛り上げ。
〈〈裏切ったら身分を剥いでやるならな?〉〉
「管理者は……私たちと、和輝でいっか」
「うん。本当は和輝一人に任せたいところだけど、逆に操られたら困るしね」
〈〈おい、さっさと受諾しろ〉〉
〈奴隷契約を……無条件で、受け入れます〉
天照に声投げながら視線合わすことなく言葉を交わし、再び天照へと声を投げて腕を組む。
そんなミクとルナに平坦な声返す天照の瞳より光消え、その様子は音放つ無機物と形容されることとなるのだが。
奴隷契約が締結される様見つめる天界の面々より音が消え、時を隔てて静かな声が放たれた。
「……やりおったぞ、あいつら」
「神器を手放す意味は重々承知しているはずなのに……」
「……どうするか、皆の者」
「どうしようもあるまい」
「……下手に動けば儂らも同じ境遇になりかねん」
絶望に染まる別区画のことなぞ露知らず、満面の笑み浮かべるミクとルナより怒気は消え。
静かに衝撃広がる空間の事なぞ知る術なき侵攻者達が現状記録した後のこと、薄れゆく体を気にすることなく満面の笑み浮かべて口開き。
「ミク、時間切れだし帰ろうか♪」
「そうだね♪ それと」
「「これから宜しくね、あ ま て ら す ♪」」
満ち足りた表情で以て言葉を紡ぎ、今の天照を写した写真投げ捨て元の世界へ帰還する。
直後に一度天界で会議が開かるも、何も見なかったこと確認する結果に終わったと語り継がれることとなり。
かくして、第六次天界事変と呼ばれるこの騒動は集結した。
併交世界雑知識
ミク「はーい、皆さんこんにちはっ!」
ルナ「今日は女神(精神体)に攻撃すると、何で痛がるかを見ていきましょう!」
和輝「何その狂った企画……」
ミク「とは言ってもね、これは簡単なのですが」
ルナ「女神といえども所詮人の形をした精神体。『幻肢痛』って言葉は聞いたことがありませんか?」
和輝「いや、知らないよ? 本当に知らないから帰らせて?」
ミク「簡単に言うと、手足失った人でもまるで手足があるかのように痛みを感じる現象だね」
ルナ「何とこれ、珍しい現象じゃないだとか!」
ミク「それを応用したのが本話、天照大御神の天下し!」
ルナ「楽しかったから、和輝も一緒にやろうねぇ」
和輝「俺を巻き込まないで!? あんな頭狂った奴らと関わりたくないんですけど!!??」
ミク&ルナ「「大丈夫、和輝には素質がある!!」」
和輝「何の!?」
スラオシャ「……なにこれぇ?」




