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併交世界  作者: 氷桜羽蓮夜
113/200

4ー3ー2

 国王執務室に昏く微笑むマリナがいる一方で、部屋出たサキとナナは元国王居住室(現 和輝の部屋)で茶を啜り。


「というわけで、旅行ってのはどう?」

「空気もいいし、お勧めだよ!」

「回し者か何かなのだ??」


怪訝な視線を浴びながら、熱烈にトーラムタウン行きを主張していた。

意図が理解できないと静まる空気の中で双子の目に水滴溜まり、救い願う瞳で和輝見て。


「いや、うん俺はいいんだけど(やることもないし)……」

「主様が行くなら付いてくのですよ♪」

「マナに同じく、なのだ」

「私もですよ」


まさか粛清ではないだろうと一人納得する和輝に頬引き攣らせ(酷くないかと)、続く幼女たちの声に今度は口の端引き攣らす。


「あの……ごめんね?」

「今回は、和輝くんを連れてけとしか言われてないんだ」

「「そう」」


戦々恐々とした様子で申し出る双子に首傾ぐ、和輝へ慌て繕う顔が向き。

対して互い見る幼女たちの顔には笑み浮かび、唇歪め心弾むような低い声が鳴る。

目を見開き息飲むサキとナナのことなぞ捨て置かれ、距離取る彼女たちは顔を上げ。


「じゃあ、仕方ないのだ!」

「主様、お土産よろしくなのですよ♪」

「私たちは良い子で待ってるです!」


弾けんばかりの笑み咲かせ、和輝の部屋を飛び出した。

手を伸ばし挙動止めた双子は開きかけた口を閉じ、()噛んで息を吐き。

私たち、何の引き金を引いたんだろう。

揺れる瞳で呟く声が重なると同時、和輝の後方にマリナ現れ彼の両肩に手を置いた。


「さて、話が纏まったかと……」

「わ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"っ"っ"!!!???」

「「わっきやぁぁあぁぁっっ!!!!????」」


一応は視界に収まる(マリナの出現場所が)範囲の中だったからと、双子が落ち着き失わぬ理由語る未来ある他所で。

後方には誰もいないことを信じ切っていたと態度で語る、天神和輝は理解の及ばぬ存在(恐怖の対象)にでも遭遇した様子だったと声揃い。

驚く声(少年の)驚かされて(妖怪変化が)は混乱に拍車掛かって叫び声の音量上がり、悲鳴の合戦終わるは暫し後。


「ど、どうしました和輝様……」

「……本当に人間ですかあなたは」

「何てとこに疑問持ってるんですか!?」


涙目で訴えるマリナに対し、人類辞めたのかと本気で問い掛ける和輝の構図は最高だったと酒瓶取り出す(戻って来た)幼女たちの表情(かお)揃い。

 私らは見えたから良かったけど。

 普通に怖いよね、マリナの特技(変態)

離れた場所で囁き合う双子に視線向くや妖怪変化の涙が溢れ、呆れ疲れた息が漏れ。


「ほら、和輝くん怖がってるから一回離れよ?」

「縛られたいなら言ってね?」

「どういう意味!?」


サキがマリナを締め上げ引き離し(強引に)、ナナが怖かったねと和輝の頭を撫でて慰める。

ふざけるなと叫び掴み掛かる彼女に対し、ソレを地面へ叩きつけた者に浮かぶは昏き笑み。


「で、わざわざ廊下(どうせ)らずに来たのには(悪戯目的)か理由あるの(でしょ)?」


言葉で表せぬ気持ち良さがあったと茶髪の背を踏むサキに覚えていろと恨みがましい視線刺す、マリナの視線は脇に逸れ。

 それはそれとして、旅行の日程ですが。

何事も無かったかの如く様子で立ち上がり、虚空より書類取り出し吐き出した(飄々と)


「明日の午前に出発し、約二週間ほどご自由に行動していただくことになります」

二週間(長いな)?」

「はい。最長ですので、お気になさらず」


問い掛ける少年に執政官が薄く微笑む一方で、どう逃れたのかと恐れ慄く双子いて。

 どうせ、すぐに終わるだろうから。

自嘲含んだ音を響かせマリナは和輝の顔を見て、儚く微笑み高く飛び上がり。

天井に足掛け空いた穴の中へ入り、そのまま部屋の外へと移動する(音なく)


「……忍者屋敷か、ここは」


マリナの消え行く様子を眺め、誰に聞かせるでもなく呟く声は虚へ消えた。



 マリナ人外説がまことしやかに議論されている一方で、王城敷地内に設置されている練兵場でのことだった。


「さて、部屋を出たは良いものの……私は、どうするべきなのだろう」

「何かお困りごとでありますか、兵団長殿」


考え込みながら歩くブリュンヒルデ(宮廷兵団兵団長)に甲冑鳴らす兵士が敬礼し、近付く彼女と目を合わす。

返礼し口を開く彼女は言葉留めて相手を見つめ、思い付いたと顔で言い。


「聞きたいのだが」

「は! 何なりと」

「……とりあえず何かをやってこいと、目配せされたとしよう。お前ならどうする?」

「まずは部屋を出ますね」

「ふむ、そうだろうな」

「…………なるほど、いつもの如く無茶振りされたわけですな!」


納得の表情浮かべ笑う兵士に恨みがましい視線(他人事だと思って)向け、慌て繕う様子へ昏い笑み歪め口開き。

前線送り(左遷)を悟ったという彼の者が、乾パン(凄く固い)と酒瓶取り出した時のことだった。

唐突に動き止めて思い付いたと晴れやかな笑み輝かせ、ブリュンヒルデの説明求める視線に頷き全てを虚空へ投げ捨てる。


「いっそのこと、放っておくのは如何でしょうか?」

「……その手があったか!!」


教習項目第一項ですよ!

自信に満ちた声を響かす兵士の言葉に、天啓を受けたようだったと彼女は書き記す。


「さて、悩みも解決したことだし……」

「解散、ですかな?」

「何を言う。これからが本(楽しい楽しい)番であろうが(訓練の時間だ)?」

「あ、アハハ……」


練兵場では今日も断末魔が響き、それは一際大きかったと逃げる兵士に伝わって。

この日、全憲兵に占める犯罪捜査稼働率(生贄除いて)史上最大(ほぼ最大)を叩き出し、決済官(面倒上司)を軒並み過労で倒した記念日に指定され。

今日飲む酒は旨かったと、口を揃える兵士がいたという。


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