ホームルーム前
これから裸足で学校生活を送るなんて…… 恥ずかしくて死んじゃいそうです。
私は保健室の前から動けずにいました。このまま教室に行くのは恥ずかし過ぎます。
周りを見渡しても、裸足の人など誰もいません。やっぱり裸足なの私だけ……。どーしよー。でも、もう教室に行かないと遅刻になっちゃう。
私は決心しました。素足を一歩前に踏み出します。誰かに見られてるような気がしてたまりません。誰かと目が合わないように下を見て廊下を歩きました。
ペタペタペタペタと私の足音が聞こえてきます。足はやっぱり冷たく、もう感覚がありません。
ようやく教室の前に着きました。もう殆どの生徒が教室に入っていました。
ガラガラガラ、私は教室の後ろから自分の席に向かいました。めちゃくちゃ見られる気がしてたまりません。
自分の席に座ると私は自分の足の裏を確認しました。
「うわ……汚い……。こんな足誰にも見られたく無いよ」
真っ黒になった私の足の裏はとても人に見せれるものではありません。ほこりや砂、髪の毛など色々な物が付いていました。
私は恥ずかしくて、指をぎゅっと丸めて椅子の下で組んでいました。すると、
「おはよ!ユリカ!」
そこには私の親友の棚田あかねが挨拶に来ました。
「おはよ、あかね。朝から元気だね」
「そりゃ!いつも元気じゃ無いとやって行けないよ!ユリカは今日元気ないね?どした?」
「うん、ちょっとね……」
んー?とあかねは私をぐるっと見渡しました。そして、
「あれ?ユリカ裸足じゃん!?どしたの?」
「朝、雨で靴下と上履きを濡らしちゃって、替えもないから、仕方なく」
「なるほどね!いいじゃん裸足!ユリカかわいいよ!」
「もう!からかわないで!私は恥ずかしいの!」
ほんと、あかねは困ります。
「大丈夫だよ!ユリカ堂々としてな!変に恥ずかしがっちゃうと余計に人目に着いちゃうよ!じゃ、裸足生活頑張ってね!また後で!」
そう言ってあかねは走って自分の席に戻りました。もう!人の気持ちも知らないで!
堂々とできるもんならもうしてるよ!