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罪人のシュラ  作者: ウソツキ・ジャンマルコ
39/74

迎え



ブラッドベリー拠点内の中心部。


ブラッドベリーの参謀、白河の後を、

カイト達がついていっている。

マキオも一緒に連れてこられた。


ブラッドベリーの街を見ながら、カイトが声を上げる。


「へぇー、すげぇなぁ…ずいぶん栄えてんじゃん。

 ステイゴールドとは、かなり差がありそうだぜ」


マキオも驚く。


「ほんとだ、…見た目は、古びてるけど、普通に機能してそうな街だ…」


マキオもこのシュラに来て、初めて大きな街に来た。

この街は、元は駅前だった場所で、大きなビルが立ち並んでいる。

街中には、大勢の人達が溢れており、活気があった。

戦闘に参加しない団員も合わせて、12000人がこの領内で生活しているからだ。

街の中には、露天のような店まであり、人と物資が豊富なのが、一目でわかった。


カイトがはしゃいで、バニラに話しかける。


「久しぶりにこんなに沢山の人がいる所を見たぜ。

 なぁ…バニラ」


バニラはそれに答えずに、ただブラッドベリー参謀、白河の後をついていく。


「物資も溢れてそうだなぁ?

 いい靴とかあったら、欲しいよな…バニラ」


「…」


「お前はスカーフかな……な?…バニラ」


「…」


「小さいサイズのブラジャーもあるんじゃねーか!」


カイトに何かが飛んできた。

カイトはとっさに受け止める。


「!?」


カイトが受け止めたのは、ナイフだった。

それを見たマキオが二人を離して、バニラに声をかけた。


「バ……ニラ…、

 小石ぐらいに、しとこうよ?」


しばらく歩いて、街の中心地から20分ほど離れたある建物の前で、白河は止まった。


「ココだ」


そこは、大きいが古びた廃病院だった。

カイトは、見上げながら、


「ココ…?」


「…しばらくあんた達は、ココで生活をしてくれ」


不気味なたたずまいの建物に、団員達は、互いに顔を見合わせている。

カイトが不満そうに、白河に言う。


「本部のあるビルじゃないのかよ?」


白河は、冷たい表情で答える。


「…深見団長からは、一度ココで世話をするように言われてる。

 何も問題がなければ、じきに向こうに移れるだろう」


「問題?」


「ああ、裏切ったりするような奴らなんだから、

 きっちり調べてからでないとな」


「…」


「フン、建物の中に食糧などは運んで、用意してある。

 しばらく大人しくしてろ、いいな?」


カイトは建物を見つめる。


「…しっかし…マジかよ……変なの出ねぇだろうな?」


マキオも不安になる。


「出ても出なくても、嫌だよ…こんなトコ…」


白河は、鼻をフンっと鳴らし背中を向ける。


「では、また明日顔を出す」


去っていく白河を、カイトが引き止める。


「おい、うちの団長はいつ来るんだ?」


「悪いが、今日はあちらにいてもらう。

 …なんだ?…可愛い団長だから心配か?」


「…」


カイトは目を鋭くして、白河を見つめた。


「冗談だ。

 大丈夫、心配するな、仲間の生首かかえて歩くような奴に簡単に手は出さん。

 ただ、こちらもお前らを警戒してないわけじゃないからな。

 明日まで、大人しくしててくれ」


白河は、そう言い残して足早に去って行った。

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