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痛くないからゴリ押し特効!  作者: 神代 信明
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おっさんの部屋にてwithホットなオジサン

オジサンにおっさんの部屋まで連行されました。

おはよう。知らない部屋パート2。

今回は普通に平民ならこんな感じって家。の布団のなか。

「お、起きた。おはようクロノ君!」

ベッドのとなりには熱いオジサン改め団長。赤い髪とライオンっぽい髪型がトレードマーク。朝の挨拶から熱い。

「バーナード君が朝食を作りおきしていた。食べなさい。」

どうやらおっさんは訓練かなんかしてるっぽい。

運ばれてきたのは皿の上に乗っかった厚さ一センチほどのステーキ。ソースがかかっていていいにおいがする。

「これは肉だ。結構うまいぞ!」

見ればわかる。フォークを刺しナイフで切り分け一口分。相手に直接口のなかが見えないように食べる。

「むぐむぐ。…、固っ」

まるで靴底。固すぎて噛みきれない。こともないけどこれをうまいと言う団長って…

「そうか?やわい方だと思うが」

とか言いつつ半分食べてる。速い。

顎の筋肉を強化しつつ食べてるとやわらかく感じてくる。というか朝からステーキって重くないすか?

「うむ!うまかった!」

「ごちそうさま。」

こちらには食後に言う言葉は称賛のようだ。団長は全部『うまかった!』で済ませそう。

「ではクロノ君、いくつか聞きたいことがあるのだが良いか?」

キリッとした顔。最初からその顔なら良いんだけどなぁ。

「まず君は孤児らしいが、どこでマナーを覚えた?」

ほえー、しっかりみられてた。サックリ入れてくる。

別にどうでもいいんだけどね、お約束的に。

「他言無用でお願いします。」

一応言っておく。

「うむ。」

「転生というのを知ってますか?」

「うむ、たまーにおるぞ。…つまりそう言うことだな?」

団長が理知的。知り合いにそっくりだわー。

「はい。えー、というわけで私は7才児らしからぬ知識を持っています。」

追加で激レア幼女です。

「ふむ…。クロノ君は魔法ありとはいえ素手でヘイトス君を倒したわけだが、それもか?」

答えはイエス。

「それとクロノ君、君は痛みを感じていないだろう。」

その質問は…デリカシーが無さすぎだろ…。

―でも、大丈夫そう。―

「はい、私は痛みと味を感じることができません。そして熱と触れるときの感覚もそこまで強く感じることができません。」

というのも、正直に言って、この人は信用に値する。前世で世話になった従兄弟のお兄さんがまんまこんな感じだったからだ。だから正確に物事を伝える。そうしなければ今後困ったときにも手助けなどしてもらえなさそうだから。

「ふむ…。正直にいってくれてありがとう。」

あれ、空気が微妙だな。従兄弟のことを思い出してほっこりしてただけなんだが。

「ああ、そうそう、これを渡しておこうと思ってな。」

取り出したのは古ぼけたナイフ。しかしそのナイフにはなにかを感じる。老人の凄みのような、巨木の静けさのような。そんな怖ろしさを感じる。自然と喉が鳴る。

「うむ。やはりわかるのか。それは私がまだ少年の頃に不思議な商人から譲り受けたものでな。何かが封じられているらしい。」

なにかってなんだ?でも、このナイフには魔王が入っていると言われても納得できるなにかがある。構造自体はなんのへんてつもないただのナイフだが。

あとはバーナード君に任せるから頼ってやってくれ。と残して部屋を出る。

ナイフを見つめる。刃を見る、結構ガタガタだ。欠けている部分もある。ナイフを俯瞰する、傷だらけで曇っている。一部深い傷もある。峰を見る、こっちは特にダメージがない。

目の前にぼろぼろのナイフ。ならやることは一つ。

「兵士なら持ってるはず…。」

部屋中探索する。箱の中、ベッドの下、クローゼットの中。砥石を探して右往左往

「あった、よし、次は水場。」

これはすぐに見つかった。水瓶があり、流し場がある。

研ぎ始め、かなりひどい状態なので粗めで形を整える感じ。

次、少し目を細かく、ガタガタなのをならす感じ。

終盤、目が相当細かいもので磨くような感じ。

最後、水で流し、目が細かいキレイな柔らかく起毛でない布で磨く。ひたすら磨く。超磨く。出たばかりの太陽が真上を通りちょっとするぐらいの時間がたった頃、

「ふー、楽しかった。」

満足した私の前には、ちょっぴり金属臭い布の上に冷たく鋭い輝きを放つ銀の刃が。

「おっさんの剣に負けず劣らず。…ふつくしい。」

恍惚。一拍置いてドアの音。

「昼飯昼飯。おいクロノ、って何やってんだ?」

椅子に持たれる私を見て怪訝な顔をする。

「みての通り、ナイフをキレイにしてた。」

「おお、ってすげぇなこれ。ってこの布高いんだぞ!」

知るか、と一蹴して昼飯を食べるよう促す。昼飯も肉、…肉かぁ。

「朝も肉だったんだけど。」

「肉は調理しやすい良い食材だろ、保存もそこそこ効くし。」

まぁそうだけど…。

「そうそう、これ団長にも話したんだけど、」

重要な話をしなければと思い出す。

「なんだ?」

「私には痛覚と味覚がありません。温感と物を触って感じる力もほとんどありません。」

結構真面目なトーンで喋れた。反応はというと、

「へー、そう。つまり肉は固いだけの塊に感じると。」

大体そんな感じ、と答える。なるほどそれでと呟いたりしている。

「あ、そうそう、これくったら訓練につれてくから。」

「へー、そう。」

訓練かー、何すんだろー。

「やるのは紹介、それとお前だけ基本的な訓練の順序を教える。だけかな。」

へー。…にやり

ホットなオジサン(物理)と朝食。朝からステーキとか…。あとナイフ。洋子ちゃんの宝物その一です。メッサ切れます刃が痩せきって使えなくなるまで使い倒す気満々です。

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