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痛くないからゴリ押し特効!  作者: 神代 信明
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冷たいおっちゃん、熱いオジサン

ワイルドなウザイ系クールなおっちゃんに見た目ライオンっぽい敬語型松○修造。結構強いらしいです。

腰を低くする。おっちゃんは強いだろうと思うのでじりじりと斜め後ろに後退。

おっちゃんは鋭い目でこちらの動きを観察している。

後少しで最寄りのテーブル。その上には木製ジョッキ、なにも無いよりまし。

―あ、バレた―

おっちゃんがこちらに走ってくる。隙がない。横の大振り、下に回避。足払い、後ろに回避。膝、右に頭を反らし、足を上に持ち上げる、がバランスを崩さず。そのまま左足で頭を狙う、足の下をスライディング、体をひねってしっかり様子見。動きが止まる。

―強い―

はっきり言っておっさんとは比べ物にならない。子供相手にそこまでするかってレベル。でもそれのせいで武器がとれない。

―あちらも様子見か、なにか良い武器…あっ―

おっちゃんの食べてたものはステーキ。ならもちろん、

―ステーキナイフ…!―

が、しかしおっちゃんがとらせてくれない。割り込んで威嚇する。

―攻撃できない―

どうする?そういえばこの世界って魔法があったよね。どうやってつかうんだろ。

雑念が混じったせいでおっちゃんの動きを見落とした。鋭いパンチが顔面に刺さり視界がつぶれる。チカチカして目が使い物にならない。痛みはないけどこれは痛い。そこに横からの衝撃。

―あ、これ肋骨いってる―

呼吸するときに違和感、吸おうとするとミチミチする感覚。横倒しになった視界。

「どーした。強いのは威勢と意地だけか?」

身体は動く。痛みもない。けど頭がガンガンする。なにこれすごくキツイ。頭が割れそう。おかしくなる。

『体内の魔力を怪我の部分に集め圧縮。その後自分の万全な状態をイメージ。』

謎の言葉が浮かび上がると同時に割れそうな感覚は引いていく。そして

―これが痛み。そしてさっきのは魔法の使い方?―

ためしにミチミチする肋骨付近に力というかなんというか熱っぽいのを溜める。そして人体標本を思い浮かべる。骨を接合し筋肉を元の位置にずらす。ついでに全身の筋肉がズタボロなので治そうとして、思い出す。

―筋肉って治るとき強くなるよね―

筋肉を直すついでにちょっといじるっ

自分の魔改造中に脇腹に衝撃。

「おい、すぐに起きろクソチビ」

そのまま転がる。

―筋肉を普通に治すのではなく圧縮すれば?イメージは金だわしをきぅってしてワイヤーにする感じで…―

「聞いているのかオイ、コラ」

ガスガス蹴られるがその都度治す。

―出来た―

胸ぐらを掴まれ持ち上げられる。今の私の見た目はズタボロだ。この際だ周りを見よう。誰もいない。気絶したおっさんは放置。ちょうど近くのテーブルにナイフが二本。

―勝ったな―

おっちゃんの右手が顔面をとらえる。骨は折れない皮膚が裂けてもすぐ治る。

足を振り上げたところで立ち上がる。踏みつけは外れ私は足を払う。

足の骨を折る感触がする。脛がくの字に曲がる。そしておっちゃんはこける。

走る。速さが全然違う。すぐナイフをとり向き直る。

「っ!…キサマ、殺されたいようだな。」

私が痛みを感じずすぐに傷が治るのを頑丈なだけだと誤解して普通なら死ぬレベルで踏んだり蹴ったりしたあなたに言われたくない。

―次は腕、右を折ったから腕は左―

ナイフを構えおっちゃんを見据える。突如後ろから声。

「んむぅ?、ぐしゃぐしゃじゃないかヘイトス君。」

右に跳ねて新しく来たオジサンも視界に入れる。

「団長…っ!」

驚きの表情。あのおっちゃんもあんな顔するんだ。

「で、そこの子供はなんなのかね?」

観たところ乱闘があったみたいだが、と呟くオジサンにおっちゃんが

「団長!そいつは私に攻撃してきたんです!足を折られました!」

あ、そりゃ悪手だわ。

かたやキレイな状態で折れた脛を抱えている。

かたやズタボロの血まみれ。ナイフ持ってるけど。

どっちが悪いかは見ればわかる。

「んん?そんなもの関係ない、喧嘩両成敗である。」

右手を下に振ると、ズンッと異音が鳴る。おっちゃんは倒れ伏す。倒れたテーブルや椅子、ジョッキが割れてつぶれる。そして私は

―…!重い!―

体が上から押さえつけられる。耐えるより四つん這いになっていつでも逃げれるようにしておく。

「ほう、これに耐えるか。とんでもない逸材であるな。」

若干低くなった声を聞きながら推察する。

―体が重いのはオジサンの仕業、でもおっちゃんも巻き込んでる。本気で喧嘩両成敗してる?―

内心呆れながら体全体に癒魔法をかけ続ける。この空間ならもっと鍛えられる。

「ほぅ、癒魔法か。全身にかけてるようだな。意味が無いようだが。」

もう一度次は上に腕を振る。重みがとれる。体が軽くなる。呼吸もしやすくなり普通に立てる。

「はぁっはっはっは!とんでもないな本当に!ほぼ無傷まで治してなお余るか!」

熱い。空気が灼けている。喉がヒリヒリして、目が乾燥する。癒魔法をかけて潤わせる。

「君がクロノヨーコで良いのか?本当に将来有望だな!しかも見た目も良い!きっと将来とてつもないことをやらかすだろうな!」

がっはっはと笑いながら空気を灼く。熱い。でもこれ乾燥するだけで特に嫌じゃない。夏の晴天を思わせる暑さだ。

「私が黒野羊子です。あと熱いです。抑えてください。」

おお悪いな。と萎縮する。そうか、テンションの上がり下がりで周囲の温度が変わるのか。めんどくさ。

とりあえずバーナードの部屋につれてってやる。と言われついていく。自分出歩けるし運べるから、抱えないで。

恥ずかしさを押し隠しながらおっさんと一緒に運ばれていく。というかおっさんってバーナードって名前なんだ、初耳。などと考えていたら眠ってしまった。

初魔法は癒属性です。本質は魔力をのせた物質を思い通りに整形すること。実質物理無敵の魔法です。デメリットは自分に使うととんでもない激痛に見舞われます。尚(ry

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