表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/34

「ボードゲーム叔父さんの奇行・春休み編」のあとがき

 2024年8月25日。

 春休み編と称しておきながら、今度こそリアルタイムで更新すると宣言しておきながら、やっとこさ完結に至りました。

 申し訳ないというか、出来ないことは端から言うべきではないと改めて反省するばかりです。頑張ろう。

 以下はネタバレありのあとがきとなります。




 春休み編では人間関係を主題に描きました。排除と受容。全ての悩みは人間関係に起因するという説を高名な心理学者は唱えたそうです。あまり詳しくないですが。本作では「友好的な新キャラは主人公組に問題なく加わる」というお約束を踏まえつつ、主人公たちにはある人物を拒絶してもらうことになりました。

 言わずもがな、彼らの中に悪人などいません。いないけど、そうなることもある。そういうお話にしたつもりです。

 一方でボードゲームのプレイヤーとしては誰でも繋がることが出来る。山名からしてみれば、若くて美人な京極は脅威でしかありませんが、卓を囲んで遊ぶことはできる。そういう救いもあるというか、ボードゲームの部分を仕事とかに当てはめることもできるというか……架空の「役割」が人間社会を円滑にしているというか。そんな感じです。

 そこから踏み入ろうとすると「受容」と「拒絶」の二択が発生する。互いにうわべでは仲良しだと思っていても、実際は互いにサービス精神旺盛だっただけで根本的には相容れていなかった、なんてこともあるでしょう。

 人間が互いの役割から生身に踏み入る時、必ず発生する摩擦。そういうものを描けたらいいなと思い、本作を書き上げました。やや右往左往したきらいがありますし、時間かかりすぎだし、物語として明確な解決を提示したわけでもないのですが、楽しめていただけましたら作者冥利につきます。


 以下は制作メモ的なものです。



【コンセプト】

 本編の続きを書こう、と思い立ったのはいつ頃だったか定かではありません。

 ただ、去年夏休み編が終わった頃には物黒部長と京極光のキャラクター像は浮かび上がっていました。

 奇行における『対戦』要素についても以前からアイデアとして存在し、それらを組み合わせて物語の骨子を大まかに考えました。

 叔父さんの前に同類たる『対戦』相手が現れる。

 蒼君は制限付きながらも元に戻ることが出来たが、好ましくない男性がもう一人の自分に粉をかけてくる。

 これらの問題をいかに解決するか。

 コンセプトが決まりました。次はプロットを考えます。


【プロット】

 基本的には高校生の春休みに合わせて出来事を設定しました。

 最終日前後に問題が解決したようで結局してないのは夏休み編と同様です。

 始まりと終わり、ある程度のイベント以外の展開は見切り発車なのも同じ。もっぱら人物の気持ちや流れに任せています。

 おかげで寄り道したり、右往左往したり、繰り返しだったり、もっとまとめられただろうとツッコミを入れたい部分もあるんですが、書きたいことは存分に書けましたし、彼ららしさを出すことは出来たかなと思います。

 プロットとキャラの重心については今後も研究していきます。

 余談ですが、キャラの心情や流れ任せで執筆していると中断した時の復帰が大変でした。

 一見気軽に書けそうなのに、仕事や所用続きで3日くらい机の前に座れないと、自分の中に彼らの気持ちを戻せなくなります。

 その点で社会人はプロット主義のほうが書きやすいのかもしれません。次はカッチリしてみたい。


【キャラクター】

 新キャラ。京極光については美女であること以外に長所をあえて設けず、容姿のおかげで世間からギリギリ受け入れてもらえているラインを狙いました。特に蒼君相手にやってることは横暴そのものです。しかし悪人ではない。そしてその容姿ゆえに叔父さんの恋人たる山名に排除されそうになります。

 物黒部長についてはあのまんまです。彼も悪人ではありません。自信がなくて不器用でズレているだけです。恋多き人生で挫折を繰り返すうちに彼自身がどういうふうになっていくのか、作者としても若干気になります。何となく大学あたりで出会った女の子にめちゃくちゃ尻に敷かれそうだし、その子に出会わなければ一生独り身のままという可能性も……ちなみにモデルは複数人います。

 他の人たちについては夏休み編から続投です。今回は主人公の叔父さんがあんまり活躍しないようで、山名さんとくっついて京極光を『対戦』でぶち倒すなどやることはやっているというか、やっぱり物語にはあんまり深く関わってこない感じになりました。ずっと悩んでる蒼君のほうが主人公っぽいのは夏休み編の時も同じだったかもしれない。


【ボードゲーム】

 夏休み編で手持ちのボードゲームをほとんど使い切ってしまったため、新品を仕入れることでネタ切れを防ぎました。冒頭の『スノープランナー』は結構当たりのゲームでした。

 一方で作中時間との兼ね合いで5月発売の『ミドルエイジス』は登場させられず。作中登場した『アクワイア』もプレイする間がなくて深掘りできなかったりしました。

 最終回に『リスク』を出したのは当時「長谷川ナポレオン」を読んでいた影響です。エジプト遠征は最高でした。


【TS要素】

 今回の蒼君は条件付きで元に戻ることができる可変TS娘です。

 当たり前と言えばそうなんですが、TSしてない時よりしている時のほうが作者のテンションが上がります。一方で男の子の時に女子扱いされて困惑する蒼君を描くのは楽しく、なかなか面白い執筆経験になりました。


【小ネタ】

 終盤に物黒部長が話していた「学園の七不思議」は過去作『滾れ! 群山学園TS部』ネタになります。

 石室もピエロも噂として残っているみたいです。

 蒼君たちは放送部を辞めたため悪名高い「図書部」に入ることになります。第2保管室で忘れ物の回収を担当することになるかもしれませんね。


 あとがきとしては以上になります。

 現状では完結となります。また次回作でお会いできれば幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ