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「ボードゲーム叔父さんの奇行」のあとがき

 2023年12月24日。

 実験的なコンセプトから始まった長編小説が終わりを迎えました。

 以下はあとがきです。



【コンセプト】

 本作は現実の時間経過と連動した企画があったら面白いかな、くらいの軽い気持ちでスタートしました。

 8月初旬から毎日1話ずつ公開していき、夏休み最終日に終わる物語。

 毎日の楽しみにしてもらおうというコンセプトです。

 早速物語の起承転結を決め、登場人物の骨子を定めました。

 あまり事前準備に時間をとり過ぎると高校生の夏休みが終わってしまうため、数日分の書き溜めを抱えた状態でなし崩し的にスタート。

 途中までリアルタイム更新できていたんですが……多忙と寄り道により最終回の『9月1日』をクリスマスに迎えるという醜態を晒してしまいました。

 次やる時はしっかり書き溜めてからやりたいと思います。


【プロット】

 本作のプロットは単純です。

 叔父さんのせいで女の子になってしまった甥が、結局元に戻れませんでした。そのかわり大嫌いだった叔父さんとは少しだけ歩み寄ることが出来ました。叔父さんも自分を省みる機会を得ました。

 大まかなストーリーと流れ自体はあらかじめ決めていたので、あとはおもしろおかしい日々を過ごしてもらい、最後にみんなで『満漢全席』という苦難に立ち向かう。

 一応、今回は当初の予定通りに最後まで書き上げられました。逆に言うと上記以外の展開は半分くらいが各キャラクターが勝手に動いた結果です。

 プロットとキャラのどちらに重心を置くべきか。

 もっとカッチリとプロットを決めておくべきか。

 より登場人物を深掘りし、その上で個性を活かせるプロットを作り上げるべきか。

 今回のように細かいところは人物の気持ちに任せてしまった方が「面白く」なるのか。

 この辺りの塩梅はなかなか難しく、いつも悩まされます。

 自分も執筆歴だけは長いので、終盤まで走ったらぶっちゃけ手癖でまとめられたりできちゃうわけですが、途中で失敗すると物語が折れますからね。上手くいかなかった原稿だってフォルダの中に山のように残ってます。

 今回は見切り発車のプロットでも非常に面白く書けましたが、次回はまた別の書き方を試してみたいと思います。


【キャラクター】

 変わり者の主人公=叔父さんと、生意気で可愛い甥というコンビはコンセプトの段階ですぐに思いつきました。

 叔父と甥なのは二人の恋愛物語にするつもりが一切無かったからです。従兄弟だと結婚できてしまいますからね。

 尾藤勇樹、小野蒼という名前はアナログゲームを題材にした漫画作品の登場人物に由来しています。

 普段は主要人物に「蒼」なんて格好良い名前を付けないのですが、結果的に瑞々しい印象を与えられたかと思います。


 他の登場人物はプロット由来の役割から性格などを深掘り・肉付けしていきました。山名であれば、蒼君の女子ライフの助言をしてくれる人であり、叔父さんとは先輩後輩の間柄。よく二人でボードゲームをするくらいには仲が良く、叔父さんに直言できる人。結構我が強い。人当たりの良さから交友関係は広い。営業職であり他人に不快感を与えない容姿で……といった感じです。

 蒼の友達・庄司と石生も同様に一緒にいる様子を想像しながら考えました。ちなみに庄司の名前は将棋からきています。

 山名は伝統的なアナログゲーム『いろはカルタ』から。いろは+後輩要素=一色いろは=四職繋がりで山名持熙やまなもちひろ=山名ちひろとなりました。

 石生も同じくカルタ=イシューというガンダムのキャラクターに由来します。

 他のキャラクターはたまにしか出ない=代打ということで野球界の代打の神様をもじっています。


【ボードゲーム】

 ボードゲームの選定について。

 作中に登場するゲームは基本的に自宅にあるものから選んでいます。

 一部未プレイのゲームもありますが、85%くらいは実際に遊んだ上で名前を出しています。

 とりあえず好きな物をポンポン出している感じです。後半は結構ネタ切れしてきたため、作中でも登場したヨドバシ梅田で新品を購入したりしました。

 ちなみに叔父さんは小難しいけど1時間くらいで終わるゲーム、蒼君は平和な拡大再生産系、山名はガチガチのタイマン戦術バトル、石生はシンプルに抽象化されたアブストラクトゲームを好み、庄司は楽しければ何でもいい(好みがない)という設定があります。


【TS要素】

 前作『二十五年契約公女』『あなたのいない日』に続き、本作でも登場人物が女の子になります。ジャンルとしては変身ものになるのでしょうか。

 今回は女の子になったばかりの初々しい様子を丹念に描けたと思います。前作の人たちはベテランでしたからね。


 蒼君は元に戻れないまま物語を終えましたが……あの後、どうなるんでしょう。

 学校に行けなくなり、あのまま一生叔父のアパートで座敷牢住まいみたいな生活を送り続けるというイメージは無いです。そのうち『拡張』で人生が好転するんじゃないでしょうか。多分。

 まあ元に戻るイメージも沸かないんですけどね……ブレザー姿で登校する日も近いかもしれません。知らんけど。


【小ネタ】

 蒼・庄司・石生は実名こそ出していませんが、設定上は過去作『滾れ! 群山学園TS部』に登場した群山学園高等部に通っています。

 部活を辞めると図書館で無償労働を強いられる、という記述は悪名高い「図書部」のことです。


 USJ=ユニバの略称は『あなたのいない日』と同じにしています。


 各話エピソードタイトルの「・」は手番開始時の叔父さんの精神力コマを示しています。

 途中から追加された「◎」はねがいカウンターです。

 最終回では『拡張』が全て吹き飛び、精神力コマが1つしかない状態だったわけですね。


 精神力コマについては増減を作者なりにリスト化して管理しています。例えば作中で描写はしていないんですが、序盤の叔父さんは女性化した蒼君の際どい格好に悩まされており、1日1つずつ追加でコマが減っていたりします。



 あとがきとしては以上になります。

 登場人物たちのおかげで楽しく執筆できました。来年の次回作も頑張りたいと思います。

 ではでは、皆様良いお年を。

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