「TS部」の元ネタ(1~3)
本編の感想欄でご要望をいただきましたので、拙作『滾れ! 群山学園TS部』に登場するTS作品をカンタンながらまとめてみました。
元ネタも出しています(敬称略)。
本作をきっかけに名作の数々に触れていただければ幸いです。
× × ×
☆1話
『ホンガール』
メディア:マンガ
ジャンル:変身(不可逆)
イタズラ好きの女神により女の子にされてしまった主人公あおいの受難を描いたドタバタ作品。
元々男子から告白されるほどの女顔だったこともあり、あおいは女性化を隠そうとするのだが、マッチョな友人にはすぐに知られてしまう。
女子になったあおいに友人は平静を装いつつもトギマギ。
一方のあおいは密かに好意を抱いている女の子・冷泉さんと仲良くなるためにも「元に戻りたい」と願い続ける。しかし友人とも奇妙な間柄になっていく。
そんな三人にヘンタイなクラスメイトや元凶の女神も加わって……。
伏原評「5巻の成長したあおいがエロ可愛いです」
元ネタ:ボクガール(杉戸アキラ)
『傾城太平記』
メディア:マンガ
ジャンル:変身(不可逆)
太平記をベースにした作品。作者は中村ワダ子。
楠木正成や新田義貞といった南朝側の武将たちが北条得宗家の呪いにより女性化してしまう。だが彼らは姿を変えられても帝のために戦い続けるのだ。
終盤には同じく女性化させられた足利尊氏との湊川決戦も描かれる。
現在正成が自ら生んだ子供・正行と高師直の戦いを描いた「続~」が連載中。ただしこちらはTSしない。
五郎評「オレにも呪いをかけてみてほしい」
元ネタ:傾城水滸伝(滝沢馬琴)
『銀齢の果て』
メディア:小説
ジャンル:
筒井康隆の傑作小説。非TSモノ。
老人たちの殺し合いが描かれる。
生き残ったのに流しの用心棒として戦い続ける者、老いてもなお女であり続ける者、主人のために狂ったように満州土産のマシンガンを撃ち続ける者――たった一人の生き残り枠をかけた戦いの末に何が起きるのか。
鳥谷部評「最高の悪趣味」
『吉里吉里人』
メディア:小説
ジャンル:脳移植
東北の寒村「吉里吉里国」の独立騒動を描いた作品。著者は井上ひさし。
実験小説的でもあり風刺作品でもある。全体的にとてもナンセンス。
終盤に主人公が脳移植を受けて女性(日系人の女スパイ)の身体に移る。おかげでたまに女の気持ちになったりする。女スパイなのでエロかったりもする。
伏原評「かつての知り合いを抱きしめたくなるシーンが好きです」
『男を探せ』
メディア:小説
ジャンル:ニューハーフ
小松左京の短編小説。
主人公(探偵)はBJという外科医により好色な女に改造されてしまう。
BJから渡された薬を飲まないと心まで女になってしまうので、彼は元に戻してもらうためにヤクザの下にいるBJを探すことになる。
主人公が行く先々で発情してしまうのが見所。
伏原評「ラストシーンはとても凄まじいです」
『超革命的中学生集団』
メディア:小説
ジャンル:変身(不可逆)
平井和正の小説。
作者未読。
『保守点検の日』
メディア:マンガ
ジャンル:仮性半陰陽
BLで知られる作者の少女マンガ。
主人公が女性だったとわかるところから始まる。いわゆる仮性半陰陽で外性器の形と本来の性別がごっちゃになっていたのである。
女子生徒として一年下のクラスに転入することになった主人公だが、そんな彼にかつての悪友たちが迫ってくるのだった。
のちにある男子との恋を描いた『続~』も作られた。
ちなみにこの男子は『王女と王女』という女装モノの主人公だったりする。
伏原評「仮性半陰陽は現実味があるので五郎さんが好きだったりします」
元ネタ:革命の日(つだみきよ)
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☆2話
『かしましくない』
メディア:マンガ・アニメなど
ジャンル:変身(不可逆)
地底人の力で女の子になってしまった主人公と二人の女の子の三角関係を描く。
あまり男性を感じさせない主人公であり、女の子になったから云々みたいな「お約束描写」は少ない。
伏原評「百合のようで百合ではなかったりします」
元ネタ:かしまし(あかほりさとる)
『さんま1/3』
メディア:マンガ・アニメ
ジャンル:変身(可逆)
天才ルーミックが生み出した国民的TS作品。
元ネタ:らんま1/2(高橋留美子)
『ハリアー☆ボーリック』
メディア:マンガ・アニメ
ジャンル:女装
詳しい内容は作中(2-1)を参照。
二期にわたってアニメ化されるなどメディアリミックスに恵まれている。
伏原評「純粋にマンガとしても面白いのでオススメです」
元ネタ:まりあほりっく(遠藤海成)
『ワイ、ポニーテールになる。』
メディア:小説・アニメ
ジャンル:変身(可逆)
ポニーテールを愛してやまない主人公シカは、ひょんなことから人々の持つ「特徴」を食べる謎の生命体との戦いに身を投じることになる。
しかし変身グッズの仕様で戦う時だけ幼女になってしまう(のちに製作者の趣味とわかる)。
幼馴染の女の子や生徒会長と力を合わせて、人々のためにシカは戦い続ける!
五郎評「オレ、実はポニーテール萌えなんだ」
元ネタ:俺、ツインテールになります。(水沢夢)
『キュートファザード』
メディア:マンガ
ジャンル:女装・整形手術
日本でもっとも知られている少年マンガ誌の連載作品。
詳しい内容は作中(2-2)を参照。
五郎評「小さい頃はオレの憧れだった。妹は死神の方が好きだったかな」
元ネタ:プリティフェイス(叶恭弘)
『王女と王女』
メディア:マンガ・ドラマ
ジャンル:女装
BLで知られる作者のマンガ。
とある男子校には「王女」と呼ばれる制度があり、それは可愛い系の生徒を女装させて生徒たちの癒しにするというものだった。
人気作であり番外編なども作られている。
伏原評「五郎さんにドラマ版を見せたらテレビを消されました」
五郎評「あれは女性向けだった。それだけの話だ」
元ネタ:プリンセス・プリンセス(つだみきよ)
『みつどもえ』
メディア:マンガ
ジャンル:女装・性転換(想像のみ)
小学生たちがおりなすギャグマンガ。作者は桜井のりお。
1話完結のスタイルを取っているが、長きにわたり連載が続く中でキャラクターたちの関係性が微妙に変わっていたりする。
佐藤を筆頭に女装シーンもそこそこ多い。ただTS的な旨みを求める作品ではない。
『腐るまでもない羊水』
メディア:マンガ
ジャンル:女装(ホルモン治療)
オリジナル。元ネタなし。作者は山田克彦。
かわゆい絵でエグいことをする系のマンガ。
絵柄のイメージは西島大介と村上保の合いの子くらい。
『カーネーションちょうだい!』
メディア:マンガ
ジャンル:ニューハーフ
痔を治すはずが手違いで性転換手術を施されてしまった会社員の物語。
すっかり美人になった彼を同僚たちは口説き落とそうとする。
一方で彼には以前からの恋人(女)もいて……。
伏原評「色々と美味しい作品です」
元ネタ:チューリップほしい!(長岡ひろし)
『天子の粉まみれ』
メディア:マンガ
ジャンル:
小学生時代にピエロの呪いで女の子になってしまった主人公。
心中の男らしさを失わずに成長していった彼女だが、高校生になる頃には美少女になっていた。
そんな彼女に不良・物部が惚れたところから物語が始まる。
中盤まではTSモノとして扱われるが……。
作者は不良描写に定評がある。またギャグセンスもピカイチで前作『昨日から僕は』においては幾度となく読者を笑い死なせてきた。
伏原評「この方の作品はどうしていつも不良やチーマーが出てくるんでしょう」
五郎評「さあな。ちなみに近年本格的なTSFを描いた作品を発表されていたりするぞ。変身モノだから同志ならチェックしておくべきだ」
伏原評「でもマンガから小説にシフトされているという話もありますよ」
元ネタ:天使な小生意気(西森博之)
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☆3話
『とりかえれば奴になる』
メディア:小説
ジャンル:女装・男装
平安時代の古典小説『とりかへばや物語』をベースとした作品。
病院内の権力争いから男子なのに女子、女子なのに男子として育てられた双子が主人公。
二人は本来の性との差に苦労させられる。
続編として『おちんちんがない!』『ミサイルガールズ』も制作された。
元ネタ:とりかへばや物語
『砲塔息子』
メディア:マンガ・アニメ
ジャンル:女装・性同一性障害
女の子になりたい男の子である池谷くん。
男の子になりたい女の子である吹田さん。
そんな二人と周りの人たちの「性の扱い」を巡る物語。
五郎評「主要キャラを含めて読者に求められるキャラクターばかりではないが、彼ら一人一人に寄り添うような描き方により納得できないところはない。作品として高いレベルで成立しており、作者の力量が窺える。あとオレにはコマちゃんの気持ちがよくわかる」
元ネタ:放浪息子(志村貴子)
『博徒な彼女の三連敗』
メディア:マンガ
ジャンル:入れ替わり
女っぽい主人公と男勝りなヒロインが入れ替わってしまう話。
二人はお互いの友人とねんごろな仲になっていく。
入れ替わり作品にしては珍しく「心の揺らぎ」が描かれているのが特徴。
五郎評「隔月連載だったから1冊出るのに一年半かかった」
伏原評「当時はヤキモキしましたね」
元ネタ:僕と彼女の×××(森永あい)
『おれがあいつであいつがおれで』
メディア:小説
ジャンル:入れ替わり
山中恒の作品。学校の図書館には必ずといっていいほどある。
性に目覚めたばかりのTS好きにとってはバイブルのようなもの。
五郎評「文句なしの名作」
『転校生』
メディア:映画
ジャンル:入れ替わり
大林宣彦監督。先述の『おれが~』の映画化作品。
二度にわたり映画化されているが、有名なのは尾道三部作の方である、
鳥谷部評「私はさびしんぼうが好き」
『大図書館の七不思議』
メディア:WEB小説
ジャンル:変身(不可逆)
オリジナル。元ネタなし。作者は仲田良弘。
むらやまをモデルにした大図書館における七不思議を描いた作品。
探索を命じられた生徒隊が次々と女性化していく。
ハーレム作品でもあり、とある小説投稿サイトにて高い人気を誇る。
五郎評「こんなことがむらやまでも起きるといいな」
伏原評「そうですね」
『ほぼ以上必然以下』
メディア:マンガ
ジャンル:変身(不可逆・薬品)
ちょっと古い少女マンガ。
詳しい内容については本編(3-3)を参照。
女の子になった元友人との交流が見所。作品としてはまとまっているものの「あと1話ほしい」という声は今でも聞こえてくる。
五郎評「あと1話ほしい!」
元ネタ:ほとんど以上絶対未満(桑田乃梨子)
『げんしたいけん』
メディア:マンガ・アニメ
ジャンル:女装
一般的にも有名な作品。該当するのは『~二代目』の八戸ちゃん。
男性でありながら腐女子という役柄であり、女装時には完全に女子になりきっているせいか無印の主要キャラ「マムシ上級生」に心惹かれてしまう。
高校時代には女子の先輩が好きだったので元からそっちだったわけではない。
彼自身は他の文化研部員を巻き込んだ紆余曲折の末に「男好きなのではなくマムシ先輩が好きなんだ」と自分の恋心を受け入れている。
伏原評「八戸ちゃんの将来が心配になります」
元ネタ:げんしけん二代目(木尾士目)
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