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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ネファーリア幻夢譚

聖夜に蠢く赤い影

 ——もし。


 もし、そこのあなた。


 こんな時間に、何やってるんです。そんな、大きな背負い袋パンパンにして肩に担いで。


 は? 恥ずかしくて顔から火が出そう? 今、きっと顔が赤くなっている?


 ええ、確かに真っ赤ですね。


 返 り 血 で 、 全 身 が 。


 ええ。詳しいことはこの後、詰め所で。いやだって、あなたを放置しておくと、この先、人間社会にとてつもない被害を出しそうなので。


 は? こんな時間にこんな格好では、疑われるのも無理はない? しかし信じて欲しい? 自分は街人に手は出していない……?


 いやしかし、全身返り血、メイスも血だらけ。それでヤってない、と言われてもねえ……


 は? なんです? ほうほう、それは善良な市民の血ではない? 途中で襲ってきた山賊のもの? ではその、背負い袋から溢れんばかりの輝く山吹色はどう説明するんです?


 ——やめてください!


 え? いや説明じゃなくて


 返 り 血 で 全 身 真 っ 赤 の 身 で 乙 女 チ ッ ク に モ ジ モ ジ す る の を で す 。


 ……分かりました。貴女が最近、「赤い微笑み」だの「鮮血の魔僧侶」だのと、悪人にも


 善 人 に も


 恐れられてる女性ですね? まあ真っ青なのに赤いとはシャレが利いているような気もしますがそれは置いておいて。


 いいえウソです。今、確信しました。あんたヤれる。絶対、笑って人ヤれる。間違いない!


 て、抵抗するな!? よしんば私をここでヤったとしても、すぐに数多の兵たちに連絡はいきます! 貴女はもう逃げられない!


 は? その金は……襲ってきた山賊から……奪ったぁ!?


 ……場所は? ほう。分かりました、ちょっと待っていなさい。おい、お前たち聞いていたな!? 即刻、今の場所を調べてこい! 大至急だ!







 調べ終わりました。どうやら事実のようですね……


 しかし確信した。私は今こそ信じることにしましたよ、


 「 赤 い な ん と か 」 っ て の に ロ ク な 奴 は い な い っ て 話 を 。


 あー、もう行っていいですよ。でも二度とそんな、真っ赤な姿で背負い袋担いだ、不審者と勘違いされるような格好で深夜徘徊しないでくださいね。では。



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