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少年サッカーのコーチやってみた! 短編版

少年サッカー 第9話 短編版

作者: 岩田 ヒロ
掲載日:2026/05/31

エンリコのテーブルに、湯気の立つコーヒーが並んだ。明日の区大会予選に向けて、コーチ陣が集まっている。

村上コーチ 、浜田コーチ 、そして厨房から顔を出した 山下コーチ 。自分も席につき、明日の相手・港北FCの話を始めた。


昨年の練習試合は1対1。互角。どちらが勝ってもおかしくない。


「ユースケはほぼ完治ですが、今回はサブで。第二試合に温存しましょう」

村上コーチの判断に、全員が頷いた。


「もし負けたら次の試合の主審と副審をやらなきゃいけません。今回は私が主審、浜田コーチが副審で。石川コーチは無理しないでください。ま、勝つので心配いりませんがね」


浜田コーチが笑って「はい」と答える。


---


スターティングメンバー


トップ:トオル

ミッド:ナオヤ、ヒョーガ、ユーメイ

ボランチ:ワタル、マオ

バックス:ゲン、ムラッチョ、マサト、リクト

キーパー:アキ

サブ:リュージ、ソウ、ユースケ


---


作戦会議は熱を帯びた。


「ミドルをどんどん打っていきましょう」

「相手が弾いたところをトオルが狙う形ですね」

「空中戦はマサトとムラッチョがいけるはずです」


最後に山下コーチが言った。

「実力は互角。集中力で決まるよ。勝とう」


---


試合当日


1月下旬の冷たい空気。選手たちはロングスリーブに手袋。

ユースケは悔しそうだが、アップに混ざりながら足の具合を確かめている。


試合開始。両チームとも硬い。


ヒョーガの前にボールが転がる。

ミドルシュート。

キーパーがキャッチして大きく蹴り返す。


マオが拾い、ユーメイへ。

ユーメイが強烈なミドル。

キーパーが弾いた。


こぼれ球にトオルが走り込む。

シュート。


ピーッ!


横浜SC、開始3分で先制。

ベンチが揺れた。


---


しかし港北FCはすぐに修正し、ミドルを打たせないよう前から圧力をかけてきた。

横浜SCはボールを持つが、決定機が減っていく。


その瞬間、マオが珍しくトラップミス。

相手のカウンターが始まった。


左ウィングが突破し、リクトが抜かれる。

センタリングが上がる。


だが――

マサトが前に出て、相手より先にヘディングでクリア。


「ナイスクリア、マサト!」


前半は1対0で折り返した。


---


ハーフタイム


「ミドルばかりだと相手は固めてくる。次はサイド攻撃だ」

村上コーチの声に、選手たちが真剣に頷く。


---


後半


マオ → ヒョーガ → ミドル。

ムラッチョが奪い返し、マオへ。

右サイドへキラーパス。

ユーメイが追いつき、センタリング。

だが相手センターバックにクリアされる。


揺さぶり続けたその時――


ワタルが左へキラーパス。

ナオヤが追いつき、止めた。

センタリングかと思いきや、ドリブルで抜き去り、ミドル!


キーパーの手をかすめ、ゴール左下へ吸い込まれた。


ピーッ!


ナオヤ、公式戦初ゴール。

ベンチが爆発した。


---


残り5分、2対0


疲れが見え始めた頃、村上コーチが動く。


「リュージ、アップ。トオルと交代。ヘディング決めてこい」


リュージが緊張した顔で頷く。


---


そして――


マオがインターセプト。

ユーメイへ。

港北FCは全員攻撃で戻りが遅い。


ユーメイが右サイドを駆け上がり、センタリング。


完璧な軌道で、リュージの頭へ。


ヘディング。


キーパーは届かない。


ピーッ!


3対0。

リュージのゴールに、仲間たちが頭を叩いて祝福した。


---


試合終了


3対0の快勝。

しかしソウとユースケは元気がない。


「来週も試合あるぞ。明日も練習だ、元気出していこう」


次の相手は鶴見FC。

その名を聞いた瞬間、空気が変わった。


ユースケがつぶやく。

「マジで」


昨年の市大会0対2。

11月の練習試合も0対2。

そしてユースケは骨折した。宿敵だ。


村上コーチが言う。

「ユースケ、リベンジだ。10番を抑えれば勝てる。今日は3対0で勝ったんだ。みんな進化してる。次も勝とう」


その言葉に、選手たちの目が少しだけ強くなった。


今の彼らなら――

本当に勝てるかもしれない。

本編はこちらから

https://ncode.syosetu.com/n0828ls/9

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