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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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ローマ陥落

夜も投稿しますので、よろしくお願いします。

 昨夜集めた総督達とマフィアの癒着の証拠をスコットさん経由でシャルルに届けてもらう。

 さすがに一夜にして総督と都市長が襲撃されて亡くなったという事で、かなり騒ぎが大きくなっていた。

 そん中でシチリア島から船で逃げ出そうとしていたマフィアなどはヴェネシーア艦隊が漏れなく海の藻屑に変えていた。そんな事もあり、あのヴェネシーア艦隊がシチリア島を包囲していると否が応でも島民達を恐怖と混乱の渦に巻き込んでいく。

 ましてや、中央の判断を待たずに行動したローマ艦隊がなす術もなく沈められていく様を見せつけられば一層の恐怖を煽る。


『戦争も辞さない』


 また、グレイシアも動く。

 シャルルの弁明も待たずにローマに対し宣戦布告をすると、電撃の如くローマのアドリア海沿岸部の都市に侵攻を開始した。

 当然ローマも軍の派遣を決定するが、ローマ軍の援軍を待つこともなく、ヴェネシーアの力をよく知っている沿岸部の殆んどの都市は戦わずに降伏する道を選択した。



「うちの女王様。ローマに攻め込んだぞ。開始して早々にもはや勝ち戦濃厚だな」

「まあ、ローマがいくら強くても本気のヴェネシーアには勝てないよね」

「もしかしてそれって俺のせいじゃないよね」

「間違いなく原因は悠哉くんだよ。グレースに却下しろって言ったのは紛れもなく悠哉くんだからね」


 その雪乃の言葉に頭を抱える。

 そんな中、聞きたくなかった報告がアリステラから齎される。


「ローマ王都を守る上での最重要軍港都市がヴェネシーア新型艦一隻によって陥落しました。上陸部隊を載せた艦隊が到着後、一気にロマーニャへ進軍するとの事です」


「ロマーニャは戦火に沈むのか」

「グレイシア女王陛下はロマーニャ包囲後、ローマ側に降伏を呼びかけるそうです」


 まさに電光石火ってこの事だよな。


「なんでグレースはそんな選択をしたんだ」

「ユウヤ様が黙って消えたからです。皆んな、エリザ殿下の事が嫌で居なくなったと思ってましたから。それにヴェネシーアの重鎮の方々もあのローマの一方的な申し入れに激怒していたのもあるかと」


 はぁ、俺のせいかよ。まじ頭痛え。


「アリステラ的にはローマはどうなると思う」

「賠償金も取られずに、アドリア海沿岸部及びシチリア島。そしてジブラルタルをそのまま取られて終わりだと思います。グレイシア陛下もそのつもりですから」

「女王様も欲がねぇなあ。ローマ半島全部とりゃあいいのによ」

「キョウヤ様。それは違います。欲がないのではなく。わざと取らないと仰っていました。最初から、グレイシア陛下の狙いは大西洋に安全に出る海上ルートの確保です」

「ああ、醤油だね。そっか。グレース本気で悠哉くんを日本に連れていくつもりなんだね」


 いやいや。だからと言って戦争はさぁ、マジで困るんだけど。


「とにかく俺はマフィアを殲滅しないとな」

「お手伝いさせてください!」

「駄目だ。優しい騎士道精神のお前にはマフィアの妻子を殺せないだろ」

「いえ。マフィアなら殺しますよ。実際、ジブラルタルでもそうしましたから」

「え、マジで」

「はい、マジです。そうですよね、ユキノ様」

「うん、そうだね」


 嘘だろ。なんも聞いてないんだけど。俺だけかよ。この世界の常識外れは。



 ◇


「シャルル陛下。敵の新型魔導砲により正規軍二万壊滅しました。ヴェネシーア軍の進軍を止められません」

「嘘ではないのか。千の敵をこちらは二万で迎え打ったのだぞ!」

「残念ながら事実です。おそらく日没迄にはロマーニャに」


 軍務官が悔しさから言葉に詰まる。


「その新型魔導砲相手に城壁はどれくらい耐えられる」

「報告通りであれば一撃も耐えられません」


 くそっ! たった一人の愚か者のせいでどれだけの損失を被ったか!


「直ちに全軍戦闘中止せよ。アドリア海沿岸部全域と。シチリア、ジブラルタルをヴェネシーアに割譲する事で、なんとか降伏を受け入れてもらえるよう交渉してくれ」


 シャルルはがっくりと項垂れる。


「なんなんだ。俺達は本当に人を相手に戦争してるのか。こんなにも兵器差が開くものなのか」


 シャルルは、自分とグレイシア女王との差を痛感した。


「我がローマが三日も耐えられずに負けるのか。いっそこの半島を放棄してガリアに遷都した方が良いのではないか」


 この日、シャルルはローマ半島の放棄も決定する。

 そしてパリに遷都することをヴェネシーア側に伝えた。


 こうして開戦からおよそ二日で戦争は終結する。

 但し、シチリア島全域でのマフィア掃討は苛烈さを増していた。

感想やいいね。なども、是非よろしくです。

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