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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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ジブラルタル支店

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 ソフィアとの初めての夜も恙なく終わり、二日が過ぎた頃。ジブラルタルの商会を任せられたサリーといった女性が滞在している宿屋へ挨拶に訪れた。

 緩くカールした金髪の女性で品のある人だった。


「私はユウヤ様とユキノ様からあの時に奴隷商から救っていただいた者です。今後も変わらずに誠心誠意にお二人にお仕えします事をお約束いたします」

「あの時のか。屋敷て仕えている人達もそうだが、皆んなが元気にこうして働いていてくれてることが何より嬉しい。今後もよろしく頼むな」


 それから今後の商会などの方針やマフィアが残したカジノや娼館などの対応を話し合った。

 ただ、潰したマフィアには後ろ盾となっていた更に大きな組織があるらしく、そこのマフィアの対応に頭を悩ませた。


「シチリア島って、あの映画の島か」

「そう。その映画の舞台となった島だね」

「あの島は地中海最大の島だ。マフィアを掃討するのも骨だぞ」


 グレースの知ってる範囲でその島の情報を確認するも、ただめんどくさいという感じしかしない。


「別に見つけ次第マフィアを仕留めるのは簡単だけど潰し切るのには時間が掛かりそうだよな」

「潜伏先を見つけるのがね、大変そうだよね」

「しかし、奴等は報復してくるでしょうか。私にはそんな馬鹿には思えません」


 アリステラは報復しないと見立てを立てた。


「そもそも、シチリアにまで商会を広げるのは無理です。人手が圧倒的に足りません」


 マチルダの発言に皆が同意してうなづく。


「潰してもそのままじゃ意味ないよな。また違う組織に変わるだけだしな」

「今回は相手の出方を様子見するのが一番だね」

「よし、シチリアに関してはそんな感じでいこう。で、他に何かあるか。サリー」


「吸収した奴隷商の事ですが、南の大陸から連れてきた黒人奴隷達の中で国に帰りたい者もいますが、帰してもいいでしょうか」

「いつも通り、犯罪奴隷でなければ構わないだろ。そこは好きにしていい」

「はい。かしこまりました」


 南の大陸ね。アフリカ大陸のことだよな。

 あまり興味は沸かないな。


「暫くここに私兵を集めよう。ヴェネシーア本島もロマーニャも安定してるし、それで構わないよな」

「はい、大丈夫です。それでは私からスコット様にお伝えします。それとスコット様から伝言を預かっております。シャルル陛下が突然寝込まれてしまった。との事です」


 その伝言を聞いて視線が何故か俺に集中した。


「悠哉くん、もしかしてやっちゃた」

「いや、俺は何も」


 最後にシャルルに会った時のことを回想しながら皆に話した。


「やっちゃたね」

「ええ、やっちゃいましたね」


 雪乃とアリステラが仲良く俺を責める。


「いや、あれだぞ。いきなり斬り掛かれたのは俺の方だし。それに、アリステラを物扱いしたんだぞ。そんなのが許される訳ないだろ」

「だからといって。次は殺すは、かわいそうだよ」

「そうですね。あの怯えて震えた夜を思い出したのかもしれませんね」


 なぜ雪乃とアリステラが俺を責める。なぜ、シャルルに同情するんだ。


「俺は悪くないね。それでも悪いって言ってくるなら、ローマを一日で灰にしてやる」


 俺の言葉に皆があきれて絶句した。


「いいか。俺は俺の愛人を物扱いされたり、馬鹿にされたら許さない。勿論、雪乃にそんな事をしたらその場でぶち殺す。それは例え相手が神であろうと変わらない。誰であろうと許さない」


 俺は練習中の薔薇のファンネルを心と同化させるように、背後で怒りを表しながら激しく動かした。


「それでアリス。なんで貴方の妹さんはそんな事したの」

「あの、私の妹ではありませんから。勝手にお姉様呼ばわりされていただけで。エリザ様は負けず嫌いで気性が激しい所もありますが。うーん。なんででしょう?」

「私に訊かないで」


 流石はアリステラ。剣以外のことは駄目駄目だ。おそらくその女の事も大して気にも留めてなかったのだろう。


「まあ、そのうち復活するだろ。それか慰謝料替わりにシチリアでももらうか、あっはははは」


 何故かまた視線が集中した。


「だめだよ。そんなこと言っちゃ。絶対にフラグになるから」



 それから三日後。慌ただしく事態が一変する。

 ヴェネシーア宮殿からゲートを使って送られてきた書簡に皆驚愕した。


「ローマがエリザ殿下をユウヤの側妃に。その対価にユウヤにシチリア島を自治領として与え、尚且つシチリア候として侯爵位を授けるだと」


 グレースが震える手で、書簡の内容を要約して皆に伝えた。


「却下、却下だ。すぐにそう返事をしてくれ」

「だがユウヤ。これを断るのは大変だぞ。お主は既にヴェネシーアの公爵位にある。即ち、我が国とローマの同盟強化、血盟の柱にされたということだ。これを無かった事になどしたら、両国内でどれだけの反発をくらうか分からん。おそらくシャルル陛下も無理を通してこれを送った筈だからな」


「そんなのは知らん。それに俺が公爵とやらになってた事も聞いてない。そもそも、そんな面倒事は御免だ。さっさと断れ。それが出来ないなら最低一ヶ月はお前と寝ないからな」


 その言葉にグレースはスタッと立ち上がると、アリステラに頼んで宮殿まで転移していった。


「オーガだね。そんなかわいそうな事をよく言えたね」

「流石にお母様には同情します」

「でも相手が勝手に言ってきた事ですから。断るならば即断即決で早く伝えた方がいいかと。ただそれをしないと寝ないってのは酷いと思います」


 わかってないな。グレースはあのくらい強引で乱暴の方が喜ぶんだよ。

 今頃、上からも下からも涎を垂らして喜んでるさ。

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