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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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新武装

 艦内の自室で雪乃が宙に浮かぶ収納魔法から材料を出しながら、あれやこれやと何かを確かめながら部品を作り組み立ていく。その光景を見ても何をしてるのかさっぱり分からない。分からないので雪乃の真剣な顔を眺めていた。


「そんなニンマリした顔で見られていると気が散るよ」

「それはしょうがない。雪乃がかわいすぎるのが悪い」

「もう。程々にしてね」


 雪乃は手のひらくらいの赤い薔薇を何個か作っては、それをたまに浮かべて確かめていた。


「やっぱりノワールには、機械じみたものよりも薔薇花びらの方が似合うよね」


 そう言って、五個の薔薇の花びらを宙に浮かべて自在に動かしていた。


「かっこいいな。というか、華麗だな!」

「でしょ。でも悠哉くんは私みたいには出来ないから、このモノクルから魔力を送って操作してね」


 手渡されたモノクルに某高校生怪盗を思い出す。


「大丈夫。似合ってるか。かっこ悪くないか」


 それを着けて雪乃にしつこく確認する。


「悠哉くんは何をしてもかっこいいから大丈夫だよ」

「そっか。雪乃がそう言うなら大丈夫だな」

「魔力をモノクルに集めて、薔薇の動きをイメージして動かしてみて。でもビームを出したら駄目だよ」


 モノクルに魔力を集めて、五個の薔薇の花びらが円を描く動きをイメージする。

 ゆっくり揺ら揺らしながら歪な円を作りながら五個の薔薇が浮かぶ。それをゆっくり回転させようとする。が、その場から動かなかった薔薇にぶつかったりして床に落ちた。


「ふうぅ、難しい。意識の集中がハンパないレベルで必要だ。これは練習しがいがある」

「そうだね。これを自在に動かせたら、この世界最高峰の魔法使いだね。魔法操作に関してだけど」

「それはハンパないな」

「だからそう簡単には習得出来ないと思うよ。それこそ何十年単位でね」


 その雪乃の言葉に俄然やる気が出てきた。

 負けず嫌いの血が騒ぐ!

 頑張って練習している俺の姿に微笑みながら雪乃は何処かに出掛けていった。


 ◇


「うん。ピッタリだね。とても似合ってるよ」


 光沢のある赤のドレスを纏ったグレイシアを雪乃はそう褒めた。その隣にいるアリステラも同じ反応を示す。

 グレイシアが着ているドレスはアリステラと同じデザインの色違い。ただ、同系色の帽子ではなく雪乃と同じ色の白い帽子だがデザインはアリステラと同じだ。雪乃なりの配慮で、喧嘩にならないように同じデザインの色違いにしていた。ただし、武装はそれぞれ違う。雪乃が出した案をそれぞれが好きなものを選んでいる。

 そして雪乃はテーブルの上に二つの拳銃を並べた。銀の翼が装飾が施されたソードカトラスだ。


「本当にこれでいいの。弾は私と同じで魔法だけれど。結構それなりに反動もあるし、命中させるのも大変だよ」

「いや。一目見て気に入った。これでいい」


 グレイシアは銃を手に取り、何度かポーズを変えて銃を撃つ真似をして構えていた。


「なんか様になってますね。なんで私はありふれた剣にしたのでしょうか。ソフィアみたいに大鎌みたいな珍しいのにすれば良かったです」

「まあ、あれはあれで見た目とギャップがあっていいよね」

「まさか娘が死神みたいな武器を持つとは思わなかったよ。奇天烈なのは誰に似たのか」


 そのグレイシアの嘆きに、雪乃とアリステラは無言でお前だよ、と視線を向けた。


「これでルージュの衣装も完成したし、全部揃って肩の荷が降りたよ」

「ユキノ殿、ありがとう。でも、私も下着を作ってもらいたかった」

「なにを言ってるのですか。グレース様やソフィアはユキノ様の高級下着ブランド店。ブランシュールで優先的購入てきるではありませんか。それにこの前も新作の白のチューブトップの寝巻きを買ったのも知ってますからね」

「な、なんでそんな事を知っている」

「私とマチルダは商会の幹部でもあります。各お店の顧客情報などや購入品及びその金額まで目を通す立場なのです」


 嘘だ。そんな事に一々目を通うしていたら仕事が終わらない。単にマチルダが偶然目にしただけだ。


「いつもユキノ殿と遊んでいるだけのくせに、ちゃんと働いていたのだな」

「そうです。私はユキノ様とユウヤ様達専用のいつでもどこでも傍にお仕えするメイドですが、私の仕事は多岐に渡るのです」


「その立場を利用して、ユキノ殿達の伽をのぞいているのか。卑怯なやつめ」

「のぞいていません! 偶然目にするだけです!」

「別に私達は見られても構わないけどね。アリスにもわざと見せてるし」

「そうだったんですか!」

「うん。アリスが一人ではぁはぁしてると悠哉くんの凄い盛り上がるしね。おかげで私は幸せだよ」


 驚愕して固まっているアリステラにグレイシアはあきれた視線を送っていた。


「一人でしてたのか。でも、その気持ちも分からなくはない。けれど、膜を破りそうな激しいことはしない方がいいと思うぞ」


 そのグレイシアの忠告にアリステラは更に固まった。


「うーん。既に手遅れだと思うよ」

「そうか。なんとなく察せるな」


 アリステラは床に両手をついて項垂れた。


「だって、あんなに激しいのを……」


 項垂れながらそう言って涙を溢した。

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