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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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男子会

明日も二、三話投稿します。

 キョウヤお気に入りの酒場は祭りの後という事もあり、ひっそりとした感じだった。その酒場の隅の丸テーブルに着くと、それぞれ酒とツマミを注文して、うかない表情でそれらを待つ。


「お前も災難だったな」

「なんでカタチに拘るのかね」

「女なんざそんなもんだ」


 意外と早く酒とツマミが運ばれてきた。礼を言って受け取り、軽く乾杯をしてから酒を煽った。


「ユキナにも困ったもんだな」

「あの茶目っ気もかわいいんだがな。たまにな」

「あれを茶目っ気と言い切るお前、凄いな」

「普段はあんなじゃねぇしな」

「お互いパートナーには苦労するな」


 自然と杯を軽くぶつけ合った。

 そしてテーブルに杯を置いて、イカ焼きを一切れ口に放り込んだ。醤油味で中々に美味い。


「大丈夫なのか、お前。あんなに大勢の女を相手にして身体が持つか。あれ、たぶん皆性欲強いぞ」

「やる前提で話すんな。未経験と何年もしてないのに。んな訳あるかよ」


 杯の残りの酒を一気に煽り、また同じ酒を注文した。


「神の勘だ。でもあれか。毎晩猿みたいにやってる奴に心配することじゃねぇな。失敬失敬」


 杯を口にしながら、チラリと俺を見て声もなく笑うと、キョウヤも酒を頼んだ。


「お前が言うな。ユキナからちゃんと聞いてるからな。オーク並のパワーと回数だってよ」


 まだ飲み切っていなかったのか、口に含んでいた酒を吹き出した。


「おい、汚ねえなぁ」

「うるせえ。なんでそんな話してんだよ。ったく、失礼な奴だな、お前はよ」


 キョウヤが吹き出した酒を、何故か俺がテーブルを拭いて綺麗にする。


「でもあれだよな。仕方がないよな。勃っちまうんだから」

「それな」


 何かにあきらめたように二人同時に酒を煽った。

 そして追加の酒とおすすめを頼む。


「お前的にはあの中で誰とやりたいんだ」


 その問いに四人の顔を思い浮かべる。


「なあ、順番って大事だよな」

「関係ねえだろ。いや、話を共有してたらやばいかもな」

「共有ってなんだよ。私、ここまでしました。とか。何回しました。とかか」

「ああ。他は手を付けていないのに、一人にだけ何回もした日にはやばいな。お前、刺されるぞ」


 その言葉に背筋がゾッとした。


「いやいやまさかだろ。そんな訳ないよな、無いって言えよ」

「ご愁傷様」


 憐れみを向けるような面差しで酒をゆっくりと口に含み飲み込むと、こう言い切った。


「手を出さなくても地獄。手を出しても地獄。詰んだんだよ、おまえさんは」

「なあ、俺はどこで間違えた。一体どこで間違えたんだ。教えてくれよ。お前神様なんだろ」

「いいか。彼女を神界から連れ出した時点でお前の結末は確定している。途中の選択は然程影響しない。人の生で、ターニングポイントなんてものは実際は一つしかない。それ以外は枝葉だ」

「じゃあ、俺が雪乃を連れ出さなければ良かったのか」

「いや。そもそも転生しなければ良かったんだよ。お前は騙したつもりなのかもしれないが、そうじゃない。騙されたのはお前の方なんだよ」


 え、なにそれ。意味が分からないんですけど。


「なに間抜けな顔してんだよ。大体、彼女がお前如きに騙される訳がないだろう。彼女を誰だと思ってんだ。生と死。愛と戦い。そして豊穣とセイズを司る女神だぞ。人如きにあっさり騙されてたまるか。だから最初に会った時に言っただろ。お前は選ばれたってよ」


 じゃああれは最初から演技だったのか。


「それになぁ。普通、異世界に加護を与えて人なんて転生させない。何もせずに黙ってでも勝手に人の魂は世界を渡り歩く。だがな。彼女は悪気があって、お前を騙したんじゃない。演技してた訳でもない。お前が望む展開を、彼女は整えただけだ」

「俺の望む展開」

「そう。だからお前は満足しただろ。彼女と会話をしていて楽しかっただろ。それはお前が既に、彼女の寵愛を受けていたからだ。もっとも、いつ、どこで、なんて事までは知らないけどな」


 喉の渇きを癒すように酒を一気に煽る。


「そうか。俺は愛されていたんだな」

「なあ。なんでそんなにニヤけてんだ。普通、違う反応するよな」

「これが嬉しくないはずがないだろうが! あほか。俺が楽しくなるようにしてくれたんだぞ。俺が満足して転生できるようにしてくれたんだぞ。これを喜ばずにして何を喜ぶ。やっぱ、雪乃はかわいいよなぁ」


 つい嬉しくて一番高い酒を二杯頼んだ。


「お前も大概だな」

「まあな。俺の雪乃への愛は絶対だからな。ほれ、一番高い酒だぞ。飲んだ飲んだ」


 まあ、あれだな。四人のことは流れにまかせるだけ。それだけだ。


「まあ、頑張れや。それと、お小遣いくれ」

「ああ。大事に使えよ」


 俺は革の小袋に金貨を満たして渡した。


「お、こんなにくれるのか」

「今夜は気分が良いからな」

「ありがとな」

「おう。とっとけとっとけ」


 それから更に二人の男子会は盛り上がる。

 ついには酒場にいた他の者達にも酒や食事を奢り馬鹿騒ぎが始まった。


「マスターもお姉さんも、飲んだ飲んだ! 今夜は無礼講。楽しく飲もうぜ!」

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