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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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青の洞窟

今夜はあと二話投稿します。

 美しく青い洞窟があるらしい。

 そんな幻想的な場所を女子は好む。

 水上バイクの航続テストも兼ねてそこを目指した。


「おい、あんまり飛ばすと魔石切れすっぞ!」


 競うように先を。いや、先頭を競っている。

 そんな負けず嫌い共を眺め、アンヌを乗せながら普通に走る俺。その横には雪乃が並走していた。


「あれじゃあ、テストにならんだろ」

「みんな今日が初乗りみたいなものだし仕方がないよ」


 風を受けて気持ちよさそうなアンヌの頭を撫でながら走らせる。

 本当に青く綺麗な海だ。グレースが欲しがったのもわかる。


「やっぱり切れたね」


 前方で止まる水上バイクの群れ。波に揺ら揺ら揺れながら、みんな魔石の交換をしていた。

 おそらくそんな様子を後方で護衛しながらついてくる新型艦の艦長はハラハラした気持ちで見ているのだろう。


「だな。やっぱりそれなりに波があると航続距離は縮むな。分かってはいても残念だ」

「だよね。スクリュー式より魔力消費が激しいから仕方がないけど。なんとかしたいよね」


 浅瀬を航行できる。落ちてもスクリューに絡まれる事がないから安全性が高い。

 俺が当初目指した競艇、海上騎馬戦陣取り合戦には適したタイプなのだが、圧倒的にスクリュー式と比べて魔力消費が激し過ぎる。


「まあ、これからの課題だよな」


 雪乃の叡智を待ってしてもこれなのだ。解消されるのか不安になる。


「あ、また飛び出してくよ。もう、本当に懲りないなぁ」


 魔石の交換が終わりしだい全力で走りだす皆を呑気に眺めながら、俺と雪乃はちゃんとテスト走行した。


「お兄ちゃん、私も運転したい」

「アンヌ、あなたのも実は用意してるのよ」


 アンヌは雪乃の言葉に目を輝かせた。


「ほんと!」

「ええ、本当よ。ただ今日は遠くに行くから乗せなかっただけだからね。戻ったら、少し遊んでみようね」


 そう。限界まで小型化した子供用水上バイクはアンヌ為に作っていたのだった。

 それもそうだろう。ロリっ子の守護者たる俺がそんな下手は打たない。

 喜ぶアンヌの頭をまた撫でながら、俺たちは青の洞窟を目指した。



 なんとか大きなトラブルもなく到着すると、先に着いていた女性陣はその幻想さにただ静かに見入っていた。

 隣の雪乃もうっとりとした表情を見せていて、ここに来て良かったと心から思った。


 まあ、子供のアンヌでさえうっとりしてるからな。大人はもっと感動してるのだろう。


 気の済むまで、あきるまでしばらく眺めて、俺たちは帰路についた。

 俺的には、ああ綺麗ですね、程度だったのは内緒だ。



 ◇


「痛えよ、肌がヒリヒリするよ」


 久々にしっかり日焼けをして苦しんでいた。

 隣で涼しい顔で一緒に湯舟につかる雪乃に疑問を感じた。


「なんで雪乃は日焼けしてないの」

「私には回復魔法があるからね。日焼けなんて怖くないよ」

「ねえ。なんで俺にはしてくれなかったんだ」

「だって、日焼けは夏の男の勲章だぜっ! って、言ってたから」


 確かに調子に乗って言った記憶がある。

 そんなことを回想していると、腕に激痛がはしる。


「いたっ! つついたらダメだって!」


 反撃を試みようとするもお湯の抵抗が痛い。

 どうやら俺の動きは封じられたようだ。


「ふふふふふ、今夜は私の大勝利が確約されたね。どうしてあげようかなぁ。焦れ焦れに焦らしてあげよかっなぁ。それともぉ、放置してあげようかなぁ。たくさん、たくさん、愛を叫ぶまで、ね」


「くっ、殺せ。そんな辱めを受けるくらいなら一思いに、いたっ!」


 大袈裟に演技をしたらお湯の攻撃を喰らった。


「情けないのね、悠哉くんは。いつものケダモノらしさはどこにいったの。あの欲望にただ素直なオークのような悠哉くんはどこに。あのゴブリンなみの性欲はどこに消えたの!」

「なあ。ケダモノ、オーク、ゴブリンって絶対に褒め言葉じゃないよね」

「じゃあ、回数だけの早漏野郎の方がいい。それとも、」

「待て待て、ストッープ! 言っとくけど早いのは雪乃にだけだからね。俺は今まで生きてきて早いのね、ふっ。て、笑われたことなんてないからね!」


 なんだこれは、新手の言葉責めなのか。


「ふーん、そうなんだ。みんな優しかったんだね」


 その辛辣な言葉で俺はお湯の中へ沈んでいく。

 あああ、綺麗な雪乃の体が揺らめいて見える。


「もう。子供じゃないんだから、お風呂で遊んだら駄目だよ」


 沈みゆく、俺の身体。その脇腹を雪乃がつついた。声にならない叫びをあげて湯舟の中から飛び出した。


 そしてそのまま洗い場にお尻から落下した。


「ちゃんと体をお湯で流してから出るんだよ」

「あの、雪乃様。お尻が痛くて、全身が痛くて、立てません。助けてください」

「えええぇ、どうしよっかなぁ」

「お願いします、雪乃様。この、か弱き子羊をお助けください!」

「えっ、性欲まみれの早撃ちオークじゃないの」

「そんな悪口まみれの言葉責めはいらないから!」


 その後も雪乃の辛辣な言葉責めは続いた。


「早くたっていいじゃないか、愛があればっ!」

「言葉だけならなんとでも言えるよね」


 俺の心はついに完全にへし折られた。

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