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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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42/85

駄女神とその恋人

明日も二〜三話投稿します。

よければ評価などもお願いします!

 アレースは名をキョウヤとし、アフロディーテはユキナと名乗ることになった。そして設定上はユキナは雪乃の従姉妹で、キョウヤはそのユキナの婚約者と決めた。


 そしてその夜。皆に紹介した。

 広い部屋も与えて、充分なお金も渡した。


 なのに、なのにだ。


 それから三日もしないうちに、ユキナはお金を全てカジノで溶かした。みかねた俺は雪乃に内緒で金貨千枚を渡した。絶対に賭け事をするなよ、と釘を何度も刺して。


 しかし、この見てくれの良い女神は一週間で使い切ってしまった。カジノや高級なレストランで豪遊をして。

 彼女達を庇うとすれば、今までの辛く隠れ住んでいた、そんな抑圧された環境から解放されて少しハメを外した。そんな風にも思えて、仕方がないのだと。

 或いは、豪遊した先は全てうちの店だし、巡り巡ってまた戻ってくるからドンマイ。気にするな、といったところだろうか。


 なので、必死に頭を下げて金を無心する二人に俺はまた手を差し伸べた。


 ところが、そんな現場を雪乃が目撃してしまった。

 今までに、あれほど彼女が激怒した様を見たことがない。二人は何処かに連れていかれ、そして帰ってきた時には二人は顔を腫らし全身痣だらけでボロボロの姿で戻ってきた。その後、二人は三日三晩眠りについていた。


「働かざる者、食うべからずよ!」


 雪乃にそう命じられた二人は商会で下働きをさせられていた。キョウヤは荷運び。ユキナは事務。それぞれ真面目に必死に働いていた。


 しかし、何があそこまで二人を変えたのだろうか。


「あなたにもいつか分かる日がくるわ」


 ユキナは遠い目でそう語り。


「いいか。決して抗ってはいけない神はいる。たった一柱だけな」


 キョウヤも夜空を見上げながら遠い目をしてそう語った。


 そんな人生を達観した二人それぞれに、頑張っているご褒美を手渡した。大きな革袋で。


 これが憐れみという感情(やつ)なのだろうか。

 もしかしたら俺はまた一つ人として大きく成長したのかもしれない。


 とても為になる反面教師を得て。



 ◇


 またグレースから呼び出された。あまり気軽に呼び出さないで欲しいものだ。


「ハンガリーの内戦が激化した。陸地で国境を接している地域に関してはまだ大丈夫なのたが避難民の流入が多くて混乱している。そんな時にだ。お主も知っておるだろう。あのバッカスがやらかした」

「え、誰?」

「野盗討伐で会って、お主が叩きのめした奴だ」


 あああ。と、言って軽く手を打った。


「再教育中だっにも関わらずに、避難民の抗議に激怒してそこに紛れていた貴族諸共皆殺しにしおった。誠に嘆かわしいことよ」


 全然そうは見えませんけど。


「あっそう。俺には関係ないんで」


 踵を返し、右手をヒラヒラ振って立ち去ろうとしたら肩に手を掛けられて止められた。


「おいおい。ずいぶん素早く動いたものだ」

「ふっ、まあ待て。話は最後まで聞くものだ」


 こいつ、面倒事を押し付けるつもりだな。


「いいか。俺は絶対に戦争へは加担しない。ましてや、軍勢など率いらない。そして、俺に色仕掛けは通用しない」


 なんだその今にもおパンティが見えそうなスリットは。仕事中に着るには不適切。全くもってエロ過ぎなんだよ。だから、足を開くな、脚を!


「色仕掛けとはなんのことだ。まあ、そこにでも掛けてくれ」


 言われるままに側のソファに腰を掛けると、グレースは向かいに座り、優雅に足を組んだ。

 足フェチと謳われた俺の視線が、そのプライドを懸けて固定される。

 うむ、中々に良い眺めた。


「話は戻るが、バッカスは止めに入った兵士五名も殺害し逃亡したが、すぐに捕えてその場で斬首にした」


 彼女は逆の足で足を組み直した。誠に優雅な所作である。


「まあ妥当だな」

「なんだ。元気だな」

「放っておけ。これは自然現象だ」


 まるで大山のように聳え立つ自身の股間を確かめるような無粋な真似はしない。

 逆に自らつっこんでおいて、頬を赤らめているグレースを見て口の端が上がる。


「で、本題はなんだ。いつまでも俺の股間を見ても話が進まんぞ。まあ、見ていたい気持ちも分からなくはないが、な」

「うるさい。そんな訳があるか。ましてやそんなもの目にしていない」


 彼女は真っ赤な顔で顔を背け、話を続けた。


「お主の商会から避難民にテントなどの日用品や食料を援助してくれないか。勿論、報酬も払う」

「なんだ。間違って殺めてしまった罪滅ぼしのつもりか。なら、止めておけ」

「それもあるが。避難民の中に子供が多くてな。中には子供だけで逃げてきた者もいたらしく、なんとかしてやりたい」


 まあ、国は避難民に支援はしないと公言したからな。


「はあ。王様のくせに、グレースも冷徹にはなりきれないよな。しゃあねぇな。代わりにやってやんよ」


 礼を言いながらテーブル越しに首に抱きついてきた。何気に良い香りがするが騙されない。

 そんな風に思っていると突然首筋にキスをされた。思わず小さく息が漏れる。


「おい。それ以上ご乱心したら叫ぶぞ」

「ユウヤもな」


 俺の聳り立つ股間を軽く一撫でしてから彼女は離れた。

 そんなグレースに、なぜか負けた気がする。

 まあ、仕方がない。自然現象だもの。

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