表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/85

凱旋

今夜あと三話投稿します。

もしよろしければ評価や感想。ブックマークなどもお願いします!

 転移魔法でパパッとヴェネシーアに戻った悠哉達は、さっそく屋敷に宝物庫を増設した。

 悠哉の居た世界では水位が上がることは知っていたので土台を高くして屋敷に繋ぐよう建設する。

 その工事を見たグレースは疑問に思うも、また変な事をしてるのだろうと、あまり気にも止めなかった。


 オートリアから宮殿を襲撃してお宝をいただいてきたことは、まだ誰にも話してはいなかった。戻ってきてからひと月は経つが未だに三人だけの秘密になっている。ちなみにあの泥棒袋は雪乃の収納空間魔法の中に納められている。


「そろそろね」

「ああ、そろそろだ」


 悠哉と雪乃はある程度完成した宝物庫を眺めていた。その建物は一見すると、ただの屋敷の一部にしか見えない。わざとその様に設計した。


「外から見ても、これがあれだとは、まったく分からないな」

「ええ。見破れる者はいないでしょう」

「ついにここまで来たな」

「ええ。世界の富を我が手中に」


 朝早くから正装に着替えて、ノワール&ブランシェごっこをしていた。

 そんな悠哉達の姿を三人の女性とロリっ子が遠目に眺めていた。



「毎日ああやって遊んで飽きないのでしょうか」

「あれが、あの御方達の真の姿なのよ」

「ソフィアはまだまだですね」


 ソフィアの疑問にマチルダ、アリステラは先輩ぶって答える。それしか彼女に勝てないと本能が告げていたからだ。

 実際、悠哉と手を繋いで歩いたのはソフィアだけなのだから。


「悠哉様もお暇でしたら、是非一緒にジェット水流とかいう物を開発してくれても」

「駄目です。そんなのは駄目よ。悠哉様はお忙しいのです。また半年も研究するなどもっての外です」

「そうですよ。そうやってまた独り占めするつもりなんですか」


 そんなマチルダとアリステラの嫉妬に塗れた言葉をアンヌは軽蔑の眼差しで見ていた。

 そんな二人の姿に嫌気を差したアンヌは悠哉達の所へ走っていった。


「お兄ちゃん、お姉ちゃん。私にもその服作って!」

「あら、アンヌ。これが欲しいだなんて、おませさんね。いいわ。素敵なドレスを仕立ててあげる」

「やったー! お姉ちゃん、ありがとう」


 アンヌは雪乃の足に抱きついて喜んだ。


「アンヌのその水色の瞳からシエルにしましょう。私が作ったドレスを着る時はシエルって名乗るのよ」

「はい。シエルって言います!」


 その笑顔の可愛さに雪乃の頬がゆるむ。


「魔法少女的な感じで頼む。出来れば翼付きで」

「私も同じように考えていたわ」


 こうしてこの世界に魔法少女は誕生したのだった。



 ◇


 宮殿の執務室でグレイシアは一人頭を悩ませていた。


「まさかあのようなものが。あの、まことしやかに囁かれていた噂は本当だったのか。ローマが手にしたのではなかったのか」


 ローマの発表によれば占領する前にオートリアの宝物はバブルスク家の手の者に密かに運び出されていた。と、いうことになっている。しかし、それは表向きの話で実際にはローマが接収したとする見方が大半を占めていた。


「なのに、なのに何故だ!」


 グレイシアは執務室の机を叩いた。


「こんな事が公に知られたら、あの二人の命が狙われるではないか。それにも関わらず、あの二人は呑気に宝など飾りおって」


 そう。彼女は楽しそうに宝物庫に宝を飾る二人の姿を。そして皆を集めて報告された事の重大さを。彼女は先程、初めて聞かされたのだ。


「なんとかして二人を守らねば。このままでは危うい。ましてや、またこんな事を引き起こすかもしれない。いや、おそらくする。絶対にする」


 彼女は両手で頭を抱える。


「まあ、あの二人ならば命を狙われても大丈夫か。私が、私如きが心配するのも失礼な話だな。風に身を任せるのみ」


 放棄した。彼女は思考することを完全に放棄した。


「それよりも、中々に手強い。こんなにも私の色仕掛けに落ちないとは。さて、今夜はどんな服にしようか。彼の好み的には派手に着飾るのは論外。それに過剰に肌を露出するのも論外だからな。中々に紳士的な好みをしている。誠に良い男よ」


 完全に彼女は現実逃避した。

 大体、彼女がこれまでに誰かに色仕掛けを仕掛けた事はないのに、なにを言ってるのだ。という話だ。

 あの知勇に優れたアドリア海の女王と謳われた、あのグレイシア女王の姿はどこにもない。


「いっそ眠り草を使って、既成事実をつくるか。いや、やはり私も女として殿方には甘く口説かれたいもの。正攻法が一番だな」


 グレイシアが何を想像しているのか分からないが、彼女は突然照れて恥じたように笑った。

 きっと甘い想像なのだろうと察しがついた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ