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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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38/85

野盗を求めて

起きていたので投稿します。

また明日も三話投稿しますので、よろしくお願いします。

 探しても探しても見つからない。

 雪が浅く積もった街道や脇にそれた林の中など潜んでそうな場所を隈なく探すが見つからない。


「ブランシェ、どうする。もう三日も賊と遭遇していないぞ」

「このままでは赤字を通り越して廃業ね。なにかいい策はないの、アルジョンテ」

「無茶振りはやめてください。ブランシェ様」


 正装姿で馬に乗り、賊を探すも、ほぼ心は折れかけていた。実際、俺と雪乃に関しては熱しやすく冷めやすい。もう、どうでもよくなっていた。


「あきた。オートリアに行ってシャルルの手伝いでもするか」


 その何も考えてない。思ってもいない適当な言葉が自らの首を絞める。


「いいわね。公都ならまだ裏組織も健在かもしれないわ」

「そうですね。ついでに城を落としましょう」

「なあ、君達なに言ってるんだ。そんなのは」

「城を落とすのはまだやってないわ。楽しそうね」

「実は私もまだ経験ないんですよ」


 んなもん、ポンポン経験があってたまるか!


「ノワール、そうしましょう」

「あほか。城を落としても金になんかならな、い。いや、待て。城の宝物庫には夢がいっぱい詰まってるよな!」

「ええ。金銀財宝、なんでもあるわ!」

「はい。もしかしたら宝剣や聖剣も!」


 速攻で正装姿から身なりのいい庶民姿に変わると、俺達はお宝目指して馬を走らせる。


「急げ。なんとしても、ローマ軍より早く公都へたどり着くぞ!」



 ◇


 グレースがくれた馬はとても丈夫だった。

 疾走すること八日間。俺達はローマ軍より早く、オートリア公国首都へ到着した。

 そして例の如く、最高の宿屋で最高のサービスを受ける。


「いやあ、中々品のある美しい都だな。そんな都を戦場に変えたら駄目だよな」

「そうね。ここは私達が都を守りましょう。城を守る兵達を殲滅してローマに引き渡すのよ」

「はい。私達が都の平和を守るのですね。頑張ります!」


 この瞬間、この国の命運は決まった。

 思慮の浅い三人の欲深い心によって。


「よし、今夜は前祝いだ! シャンパンをジャンジャン、持ってこいやあー!」


 浮かれ切った三人のどんちゃん騒ぎは夜遅く迄続いた。


「おい、アルジョンテ。あの、おパンティはやらし過ぎるぞ。少しは雪乃のギリギリの線を見習え」

「なんで知ってるんですか、そんなこと!」

「お前が勝手に脱いだんだろうが!」


 次の日の深夜。シェーンブルン宮殿でやかましく口論する二人を横目にブランシェのライフルが火を吹いている。


「もう、二人とも真面目にやりなさい」

「だってブランシェが全部倒すから」

「ええ。何も出来ませんし」


 現れる兵士をブランシェが片っ端からライフルで一掃していれば、あとの二人はやることがない。


 それに既に公王は倒してしまった。彼が逃げてる最中に鉢合わせしてしまったのだ。本当にかの王は運が悪い。

 ということで今は宝物庫へ向かっている最中だった。そして遂にたどり着く。その鍵の掛かった重厚なドアを押し破った。


「あああ、お宝天国だ。なんて夢がたくさんなのだろう」


 俺が感嘆している間にブランシェとアルジョンテは黄色い歓声を上げて、お宝に突撃していた。


「女神も剣姫も所詮はただの女性か。なんと夢のない」


 そんなことを言いながら、山のように積まれたお宝の中を進む。いや、実際はろくに確認もしないで今回用にブランシェが作成した革の大きな泥棒袋に放りこんでいた。


「まさか、女神がルパンのファンだとは誰も思うまいて」


 時間にして一時間足らずでお宝の山は三人の泥棒袋の中に消えた。


「やっぱ、あれだよな。泥棒袋が膨らまないとイマイチだよな」

「うん。ちょっと物足りないよね」

「そうですよね。こんなにペラペラですし」


 アルジョンテは泥棒袋を左右にブラブラ振った。

 それを見た俺とブランシェは吹き出した。

 そして皆で腹の底から大笑いしてから宿屋へ転移した。



 部屋に戻り、風呂に入り汗を流す。

 すっきりしてガウンだけを羽織って窓際に立っていると、アリステラが風呂に入ろうと部屋を横切っていたので揶揄いがてら振り向いた。


「あっ、あ、あ、」

「なんだ。どうした」


 彼女の視線は前回のように股間に固定されている。そして見せつけるかなのように腰を左右に軽く振ると、彼女の瞳がそれを追っていた。


「なあ、やっぱりそんなに凝視されると恥ずかしいんだが」


 俺の方が恥ずかしさに耐えられなくなり、ガウンで隠した。


「申し訳ありませーん!」


 と、彼女は叫びながら風呂場に入っていった。


「もう、揶揄いすぎ。悠哉くんてそんなに見せたがりだったの」

「いや、別に見せたがりではないが、裸を見られたところであまり気にしないな」


 なぜか雪乃を一目見て反応する我が半身。

 そういえばヴェネシーアを出てからしてないな。

 俺と雪乃は自分達の寝室に入って、防音結界を張り、久々の熱く激しい夜を過ごした。



 後日、首都へあと僅かと迫ったローマ軍のもとへ、オートリアからの使者が完全降伏の意思を示す。

 ローマ軍はそれを受け入れ、戦争は終結した。


 だが宮殿へと足を踏み入れたローマ軍は驚愕する。宮殿の広い宝物庫には何も残っていなかったからだ。その光景を目にした将軍たちが肩を震わせていたという逸話が残った。


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