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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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国境近くの村

もしよらしければ感想や評価などもお願いします!


明日も三話投稿します!

 ようやくだ。一週間掛けて目的の村に着いた。

 予め、グレースから野盗の出没地域を聞いてここまで来たが道中野盗には遭遇しなかった。

 なので、村に入って情報収集をしていた。

 すると、凄い勢いで近づいてくる二頭の馬。その馬には貴族様と思われる人と騎士が乗っていた。

 やや離れた場所で二人は下馬をし、息を切らしながら小走りで駆け寄ってくる。そして目の前で片膝をついた。


「殿下。お久しゅうございます。こんな僻地まで、なんちゃらかんちゃら」


 挨拶が長いので聞き流した。


「今は本業中だ。殿下はやめろ。それに態々挨拶に来なくてもいい」

「はっ、申し訳ありません」

「それで、そっちの勘違い野郎は誰だ」


 俺を舐めたような態度で目付きの悪い騎士に目を向けた。


「この者はこの周辺の国境防衛の任に就いているバッカス軍団長と申します。ほら、お前からも早く挨拶しろ」

「お初にお目に掛かります。ユウヤ殿下。国境警備軍軍団長のバッカスと申します。お見知り置きを」


 三十代半ばくらいだろうか。体も大きく、態度もデカいやつだった。なので。


「ほら、相手してやるから掛かってこい。駄犬の躾にはこれが一番だ」


 駄犬呼ばわりされて頭に来たのか、目つきも鋭くなる。その表情には怒りの感情を隠すことなく晒していた。


「そうですか。では一勝負お願いします」


 横に置いた槍を掴むと、ゆっくりと立ち上がり、やや距離を取って槍を構えた。


「殿下は武器を持たなくても宜しいのでしょうか」

「いらん。さっさと掛かってこい」


 鼻くそをほじるような態度で煽ってやったが、まんまと激怒して間合いを詰めて槍を突き出してきた。左に半歩横に避けながら左手で槍を軽く掴んで、それを軸にするように体を時計回りに回転させて、そのまま駄犬の首に回し蹴りをやや斜め上から決めた。そして駄犬は地面に倒れ込むように激しく叩きつけられる。


「調子にのりやがって。格が違うんだよ、格が」


 後から追いついてきた騎士達がその光景に絶句していた。勿論、貴族様も。


「槍を掴む必要なかったよね。遊び過ぎだよ」

「アリステラみたいに槍に乗って、クルって回って跳ねてからの踵落としでも良かったけど真似は駄目だろ。それに俺の戦いのコンセプトは無駄に派手に華麗にかっこよく、だからな」

「ええ。素敵でした!」


 アリステラのその尊敬の眼差しに最高の気分になる。


「さすがは同じ道を征くもの。そしてお手本のアリステラだ。よくわかってる」

「はい!」


 雪乃は付き合いきれないといった表情で俺たちを眺めていた。そん中、気を取り戻した貴族様が叫んだ。


「早くこの愚か者を連れて行け!」


 倒れている騎士の回収を命じた後、俺に何度も何度も頭を下げていた。


「気にするな。駄犬の躾も俺の仕事の内だ。ただ、相手の力量を見誤るやつは敵に裏を描かれて痛い目にあうからな。今後、気を付けておけ」

「はっ、やつを降格とし、再教育いたします」


 かわいそうに。やつ呼ばわりになっちまってよ。

 まあ、身から出た錆だわな。


 こうして何度も頭を下げながら貴族様達は帰っていった。



 その夜。村には大した宿が無かったので、村人たちには金を握らせ口止めをした後、ポーチから煉瓦小屋を出して設置した。

 さすがにアリステラには口止め料払い過ぎです。と、怒られもしたが、偶にはいいだろうと言っておいた。


 風呂に入り、そろそろ寝ようかとした時に激しく鐘がなった。どうやら待望の賊が現れたようだ。

 俺たちは素早く服を着替えて外に飛び出した。


「ブランシェ、ライフル使うなよ」

「嫌よ。あれは私のアイデンティティなの」

「ブランシェ様。このヴェール凄いですね。暗闇でもよく見えます!」

「なに、その無駄な高機能! ずるいぞ!」

「ノワールに無駄だなんて言われたくないわ」

「俺のマスクにもしてくれよ!」

「貴方のマスクには目の部分が空いてるでしょ」


 たしかに。俺のマスクは目の周りを隠すタイプだった。

 そんなことを言い合いながら、百名程の賊を目の前にする。


「はい、逆カツアゲでーす」

「命も金も、全て差し出しなさい!」


 くっ、やっぱり撃ちやがった。


「アルジョンテ、モタモタしてると見せ場がなくなるぞ!」


 ブランシェのライフルの餌食になっている中央を避け、俺とアルジョンテは左右に回り込む。

 そして今回の俺は剣だとアルジョンテと被るので素手でいく。無駄に華麗に美しく、蝶のように舞い、蜂のように刺す。炎の煌めきと、氷の煌めきを左右に輝かせて。


「圧倒的な勝利だな」


 戦闘は短時間であっさり終わり、村人達と賊の死体から金目の物を回収し、死体を穴に埋めていた。


「この人達、敗残兵ではないでしょうか」

「たぶんそうだよね。鎧着てるし」

「成程。だからこんなに金を持ってたんだな」


 なにも金があるなら村なんて襲わなくてもいいのによ。大人しく帰ってりゃいいのに馬鹿な奴等だ。


 俺達は村人にもの凄く感謝されながら、金だけを山分けした。他の鎧や剣などは全部村人達に渡し、更に俺達は感謝されるのであった。

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