とある海沿いの宿場町
少しエッチかもしれませんが何卒って感じです。
本当はもう少しエッチいのやワイルド的なものも出したいのですけどバンバンが怖いのでここら辺がギリギリなのかと思ってます。
「長引いてますね。アリスは何か聞いてますか」
「いえ。さりげなくは聞くのですがはぐらかされて」
マチルダとアリステラは宿屋の一室で互いにベッドに座り向き合っていた。
「普通なんですよ。ただ会話が少ないだけで」
「そう、普通なんですよね。イチャつかないだけで」
互いに深いため息をついた。
予定よりはかなり遅いペースではあるも、目的地まであと半分の距離まで進んだ。遅くなっている理由もアンヌが興味を示したものを悠哉が課外実習と称して遊びながら教えているからだ。
川に興味をもてば一緒に川に入り遊び。野原の花々に興味を示せば、そこで花摘みなどをしながら遊ぶ。アンヌにとってはこれ以上楽しいことはないだろう。
「悠哉様に御者のポジションも奪われました」
「殿方ですからね。馬車の操作が楽しいのでしょう」
「「ただアンヌも一緒だということを除けば」」
二人は息ぴったりに同じ事を言って、そこでまた大きく息を吐いた。
「そのせいで余計に遅れていますからね」
「それもありますが。アンヌが悠哉様を独占する形になって雪乃様との会話がますます」
二人は幸せそうなアンヌの寝顔を見て微笑むも、何度か目のため息を吐く。
「やっぱり隣は静かですね」
「あんなにアレだったのに」
「よく、続き部屋とはいえ、同じ部屋で耐えられましたね」
「慣れですね。最初は戦場の雰囲気よりも最悪でしたけど」
「ぶっちゃけ興奮しました?」
「まあ、あれだけ激しければ」
「のぞいたりしたのですか」
「こっそりとは。あ、でも寝室はのぞいてませんよ、さすがに」
「場所なんて選びそうもなそうですからね」
「そうなんですよ。いきなり始めるし、最初は驚き固まりましたよ」
二人はやや顔を上げて、その状況を想像をしていた。
「殿方にあんなに愛されるなんて、本当に羨ましいですよね」
「私の友達や同僚から話を聞いた限りでも、かなりラブラブですよね」
「大抵は一ヶ月もしない内に減るのに」
「そ、そうなんですか。そんなに早いものなのですか」
アリステラが一層興味を示した。
「私の経験と、お茶会での話を総合すれば、ですけど」
「それは体に飽きて、なのでしょうか」
「おそらく。それに殿方なんてすぐに目移りしますからね」
「なんか夢が冷めますね」
剣一筋に生きてきたアリステラには現実が厳しく思えていた。なにせ彼女は本でしか恋を知らないのだから。
「マチルダも苦労したのですか」
「私はアンヌがお腹にいる頃から致してませんね」
「本当なのですか」
「元夫は侯爵ですからね。外でも中でも愛人だらけでしたよ」
「15歳で嫁いでその仕打ちは酷いですよ」
「けれど、15だったから受け入れられたのかもしれません。そんなものだと素直に」
「婚姻って、そんなに幸せなものではないのですね」
二人の話がどんどん脱線していく。
こうして恋バナとは呼ばないかもしれない話が夜遅くまで続いた。
◇
一方その頃、悠哉達はというと、音遮断の結界を周りに展開して激しく愛し合っていた。
なぜそんなことに。と思うかもしれないが、大体悠哉があんな青褪めた表情を見せた雪乃を放っておける訳がない。
たとえ、クソ女神、と悪態をついても次の日の夜には、ちゃんと謝って、思っていたこと全てを雪乃に打ち明けている。それに雪乃も、不能のこともリンクのことも嘘だと伝えて悠哉に謝っていた。
既に二人は完全に仲直りしているのだった。
では何故、皆に誤解されているような行動をするのかといえば。あれだ、恋愛初心者にあるあるな、付き合いたてに廊下でバッタリ会っても恥ずかしくて逃げる。とか、人の目を必要以上に気にして話し掛けられない。そういった状態に落ち入っただけなのである。
それでいて少々面倒なのは悠哉の強がりによる、そんなの認めねぇ。俺は敢えて距離を取ってるんです。的な態度が余計にアリステラやマチルダの誤解を増長させていた。
「今日もアンヌと川遊びをして少し遅れちゃったね」
「別に期間を決めてた訳でもないし構わないだろ」
「うん。それにアンヌにとっては良いことだと思う。子供の頃の旅の記憶が辛い逃避行だけなんて悲しすぎるから」
「だな。初めてアンヌと会った時を思い返せば今でも胸が苦しくなる。俺に助けを求めるのも、本当はとても怖くて勇気がいっただろうな」
そんな良い話をしてる風で、やることをやっている二人を見たら、アリステラ達はなんと思うのか。少し彼女達が気の毒に思えてくる。
「ねぇ。悠哉くんはなんで私を好きになったの」
「なんでかな。教えない」
「教えてよ。それにいつから好きになってくれたの」
誰も見ていないからといって、イチャイチャし過ぎである。常に繋がってなきゃ死ぬのか。と、激しく罵りたくなる。きっと、これを読んでいる方もそう思うに違いない。
「気付いた時には既に君が好きだった。もしかしたら、初めて出逢った時に既に雪乃に恋をしていたのかもしれない」
悠哉はそう言って雪乃にキスをした。
まったくもって度し難い恋愛ぶりだ。
この物語は一体なんだったのだろうか。初めの設定はどこにいったのだろうかと首を傾げたくなる。
ダークサイドを駆け上がるんじゃなかったのか。
天界から観た神々はそう思うのだろう。きっと。
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拙い文章で申し訳ありませんが、目を通していただきありがとうございます!




