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神様と歩む悪党街道  作者: そらまめ


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妨害

本日あと一話投稿します。

 執務室では優雅に仕事を進めるマチルダの美しい横顔に癒されるのが唯一の楽しみになっていた。

 わりと嫉妬深い雪乃が、アリステラとマチルダに関しては何も言わない。

 それに最近はアリステラとよく一緒にいて、少し俺は放置されているような気がする。しかも最近アリステラのスカートの丈がどんどん短くなっていて、おそらく好きな男でも出来たのだろう。

 雪乃とお揃いのエッチい下着も着ているようなので間違いないと思う。


 でも、それならば何故、アリステラは一人部屋に移らないのだろうか。不思議だ。


「悠哉様。スラム街の再開発許可が降りました」

「よし。なら計画通り進めてくれ」


 二ヶ月以上かかってようやくか。


「それに伴い、国から商会の正式名称を決めてくれと言ってきております」

「なんでもいいんだけどな、俺は。あ、俺や雪乃の名はなしな」


 なんか俺達の名を使いたがるんだよな。ほんと、いい迷惑なんだけど。


「はい。では、そのようにスコット殿に伝えておきます」

「ああ、頼んだ」


 ふと、ある一枚の書類が目に止まった。

 それは最近の警備報告だった。


「最近カジノでトラブルが多いようだけど何か聞いてるか」

「ええ、公爵と親しい関係の貴族が細かい言い掛かりをつけているようです。イカサマだとか、スタッフの態度が悪いとか。しまいには他のお客様に絡んだりしているみたいですね」

「くだらん。まとめて出禁にしちまえ。それでもなんか言ってきたら、俺がわからせて。いや、俺が直接対処しよう」

「悠哉様が直接ですか」

「ああ、最近暴れてないしな。ストレス発散にはちょうどいい。カジノ以外の警備レベルはあげておいてくれよ」


 あのスラム街のチョチョなんとか以降、歯向かってくるものが居なくなったからな。

 まあ、デカいとこは軒並み潰したし、そうなるのは当然なんだけどさ。でも退屈だよな。


「楽しそうですね」

「ああ、自分達が一番だと偉ぶってる奴を叩きのめすのは楽しい。特に弱い者いじめをして喜んでるやつなら尚更だ」

「悪い顔してますよ」


 マチルダは上品に口を隠して小さく笑っていた。


「しかし、マチルダはほんと、綺麗だよな。言い寄ってくる男なんてたくさんいるだろうに。なんで彼氏一人も出来ないんだろうな。ほんと不思議だよな」


 マチルダは何故か口をポカーンと開けて絶句していて、なんか珍しいものが見れたと得した気分になった。



 ◇


 久々のノワール&ブラン。

 ブランのヴェールを少しめくり、そっと口づけを交わした後、カジノに入った。


「あら、支配人が変わってるわ」

「あの悔しそうな顔はもう見れないのか。とても残念だ」


 そんな白々しい会話をしながら、多くのギャラリーを引き連れてルーレットのテーブルについた。


「相変わらずの人気だな、君は」

「あなたもね」


 常のように膝の上に座ったブランが頬に軽くキスをした。


「さて、今夜の幸運の女神は、私に微笑んでくれるだろうか」


 適当な数にチップを賭ける。


「常にあなたと共に在るわ」


 ブランが言い終わるのと同時に球は俺が賭けた目にピタリと止まる。

 以前のように大歓声があがり、ホールは熱気に包まれた。


 そんなイージーな勝負を繰り広げていると、お目当ての馬鹿が絡んできた。


「平民風情が、ずいぶん調子が良さそうだな。なぁ、特別に俺達に金を寄越す権利をくれてやる」


 貴族らしい身なりの3人組。その内の一番若い奴がそう声を掛けてきた。

 そして、俺の肩に手を乗せようとした、その手を俺は豪快に払った。


「羽虫風情が、俺に触れるな」


 払われた手を押さえながら、ギャーギャー騒ぎ始め、おまけに三人全員が剣を抜いた。


「レディ、少し席を外すよ」


 そう言って立ち上がり、ブランを優雅に席に座らせた。


「ここで剣を抜いたということは、殺されても文句は言えないな。そうだろう、支配人」

「はい、仰る通りです」


 支配人は同意を示し、丁寧に頭を下げた。


「ふざけるな! 我々貴族に対して、そのような不敬な態度。貴様らこそここで切り捨ててやる!」


 剣を振り上げて斬り込んでくるが遅い。遅すぎる。

 俺は素早く相手の懐に潜り、振り下ろす剣を握る手を柄ごと斜め上に払い、そのまま顔面にカミナリパンチを叩き込み、相手を吹き飛ばした。


「こんな羽虫程度の奴が貴族とは笑わせる」

「貴様っ!」「死ねっ!」


 今度は同時に二人並んで斬り込んできた。


「馬鹿か」


 剣が振り下ろされる直前に斜め右前に一歩踏み出すと、馬鹿二人はそれに釣られて左を向き、左側の馬鹿が右側の馬鹿の腕を剣で切り落とした。

 華麗に美しくムーンサルトのように跳んで馬鹿の頭上を超えて、背後に華麗に着地を決めて、そのまま馬鹿の首筋にカミナリキックを決めた。


 カミナリパンチとキックで気絶している奴は無視して、腕を切り落とされ痛みでのたうち回る馬鹿の頭を掴んで床に打ちつけた。


「おい、誰の指図だ」

「俺達にこんな事して、公爵様が黙ってないぞ!」

「はい。自白完了」


 用済みになったので、そのまま雷撃を放ち気絶させた。


「支配人、こいつらを捕縛しろ」


 一斉に警備の者達が現れ、三人を縄で縛った。

 さすがは元騎士だ。手際がいい。


「騒がせてすまない。これで気を取り直してくれ!」


 俺は金貨を宙に高くばら撒いた。


「素敵よ、ノワール」


 傍に来たブランの腰に手を回し、軽くウィンクを決める。


「女神様のおかげさ」


 支配人に目で合図を送り、俺はブランとそのままカジノを出た。



 ◇


 深夜、顔を隠した黒ずくめの男達が公爵邸を包囲していた。

 そんな不穏な中、ノワールとブランが公爵邸の門の前に立ち、ブランが襲撃の合図とは言わんばかりに派手な魔法で門を吹き飛ばした。


 二人はゆっくりと歩を進め、邸内に足を踏み入れる。

 襲撃に気付いた警備の者たちが慌ただしく外に飛び出してくるも、ブランのライフルで次々と一掃されていく。


「なあ、それやっぱ反則じゃね」

「かっこいいから有りよ」


 かっこいいというよりは、きっと爽快感を感じて気持ち良いんだろうな。


 あらかた殲滅して、屋敷の中に入ると両横から斬りかかられるも、逆にブランの暗器の餌食になった。


「その針みたいな手裏剣の技を教えてくれよ」

「今度ね」

「絶対だぞ」


 エントランス中央にある階段を上り、公爵が隠れていると思われる部屋のドアを蹴り破った。


「はい、やり返しに来ました」

「このゴミの返却もかねてね」


 ささっと背後から現れた黒ずくめの男達が、馬鹿貴族三人組を部屋の中に放り投げ、そのまま姿を消した。


「こんな事をしてタダで済むと思っているのか!

私は王族であり公爵だぞ!」


 五名程の騎士に守られている公爵がそう叫んだ。


「だから、なに」

「私達には関係ないわ。だって、この国の人間じゃないもの」

「まあ、苦しまずに殺してやるよ」


 俺が前に踏み出そうとした瞬間、ブランのライフルが火を吹いた。

 なんて無慈悲。俺も相手も見せ場無しかよ。


「今後ライフル禁止な」

「なんでよ!」

「圧倒的すぎるし、見せ場なしで終わるだろ!」

「私が美しく華麗ならそれでいいの!」


 久々に互いの額を押し当てて激しい口論となった。

 それは公爵の財産を回収終わるまで続き、アリステラに止められて一旦休戦となった。


 今回は証拠隠滅の為に公爵邸に火を放った。


「これで王様のストレスも減るかな」


 最後にこう呟いて公爵邸から離れた。

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