第二話 スカウト
家族を失くし、歩道橋で自殺しようとしている主人公『久遠』。それを止めようとする『那由多』。しかし二人とも力尽きついには二人で落ちて車にひかれて死んだ。気づいたら二人は異世界に!!!久遠は魔王に。那由多は騎士の赤ちゃんに。それぞれの使命を全うするべく、苦難の道を歩んでいく。
朝起きたらまずトイレっと。しかし、トイレはない。魔族は排便をしない。では歯磨き。だが魔族は歯を磨かないので当然歯磨きはない。朝食はある。見た目は現代でいう昆虫食ぐらい気持ち悪いので食べてるふりをしながら外に捨てている。しかしその5分もたたないうちに外ではにおいを嗅ぎつけて城の周りをうろつくのだ。
「最近妙に城の周りをうろつく連中がいますがどうなさいますか。」
俺はシャルケの言葉に一瞬焦った、
「そ、そうだな・・・まぁほっとけばいい」
(その末端を調べられては後々で厄介だからな)
「それでは本題に入ろう」
まず俺は昨日お供を探すことは保留にしたことを言う。
「わたくしもそれがよいかと思われます。そこでわたくしが考えた案なのですが少し南に竜の国があり、その洞窟に亡きフォビア様の友人である心霊使いがいます。きっとその方ならクリムゾン様の力になるでしょう。」
「そいつは何なのだ」
「私たちが今従えようとしている国ラグナルク帝国は人族の国です。それで魔族は人族と相性が悪いのですがそのお方さえいればその弱点の穴も埋めてくださるでしょう。」
やはりラグナルク帝国は人族だったのか。
「わかった。それで行こう」
「ま、待ってください。お一人でお行きですか?」
(すまないマキーナ。お前と行くと俺の性癖が暴れてしまう)
「あぁその通りだ。貴様らはできるだけ軍隊を創っていろ内政ことは頼んだぞ」
マキーナとシャルケは顔を見合わせたが、
「わかりました。できる限りやってみます。」
「任せたぞ」
こうして俺は南へ出向いた。
長くなりそうなのでいつもの服装ではなく鎧を身にまとっている。なんか男のロマンがすべて入れ込まれている鎧だな(派手)
道中、大事なことを思い出した。そういえばファンタジーの世界と言ったらやっぱり魔法だよな。まだ一回も試していなかった。確かマキーナは召喚魔術ができるんだよな。そう思いながら歩いていると一匹の小鳥がこちらにやってくるではないか。「(かわいい、こっちにおいでー)」明らかに戦闘はしなさそうだ。なんか前世にもこのような鳥がいたような・・・確かブンチョ・・・
しかしその次の瞬間
ガブ
「痛ってー」
そこまで痛いわけではないのだがショックのあまり痛いと言ってしまった。
「何をする!」
「ココ、オレタチノナワバリ。シンニュウシャハ、ハイジョスル」
この見た目に反してなんて攻撃してくるとはなんて卑怯な奴だ。けれど魔術を試すいい機会だ。俺は城から持ってきた魔術の本を手にした。
「(まずは、基本からだ。この魔術の本には魔族は確か炎魔法と強化魔法の2系統の魔術を使えるんだったな)」
しかし魔王や特別なものは例外だ。マキーナのような召喚魔を使えるやつや、時には破壊魔法が使えるやつもいるんだとか。
「(しかし、まずはこれからだ)」
「インフェルノ!」
これは炎魔法の基本中の基本だ。本には家の焚火でよく使う炎の強さと変わらないと書いてあったが果たしてどうかな。
しかし想像していたのと明らかに違う威力の炎が出た。
まず小鳥は丸焦げになり、その向こうの森もあたり一帯跡形もなくなくなった。
「おい、どういうことだ」
俺は急いで丸焦げになった小鳥のもとへ寄った。
「(治癒魔術もできるのか? やってみるか)」
「ヒーリング」
そう言うと、丸焦げになった小鳥や、森はみるみるうちに元通りになる。
なるほど。俺は手加減ができないのか。これから気を付けたほうがいいな。
しばらくしてあの小鳥は起き上がった。
「キサマナニモノダ?」
あーここで魔王といっても気づかないだろうけど偽名つかっとっくか。
「そうだな・・・えー・・お、俺の名はポテ、ポテチだ!」
なんでここで菓子の名前が出てくるんだよ。この見た目でこの名前
自分でもギャップあると思うわ!しかし小鳥はそんなことは気にしない。
「ナルホドナ。ツヨイノハタシカニワカッタ。ソレデドウシテホシイノダ」
あ!そういうふうに思っていたのか。どうしようかなぁぁぁ そうだ!?
「俺の仲間になれ」
「ワカッタ。ゾクチョウカラキョカトッテクル」
小鳥は急いで森の中へ入っていった。
すぐに出てきた。
「イイッテ」
随分と適当だな。
「本当にいいのか?」
「オレタチ『ピピゾク』ハ、オオキクナッタラゴシュジンヲミツケテハナレルカラナ。コレグライトウゼン」
自慢げに話してくれたのはいいがなんかもうペットじゃん。
「お前のことなんて呼べばいいのか?」
「ピピ」
「わかった。では行くか」
なんか仲間ができた。
三日後、竜の国についた。よく考えてみれば、よくも三日で着いたもんだ。2日目までは普通に歩いていたのだが、魔術でテレポートできることを知ったので3日目で一瞬で着いた。それにしても入口の門がでかいな。まさにドラゴンが入れるように作られている。
「よし入るか」
「ピー」
俺は入ろうとした。だが
「待ってください。あなたからいやな気配がします。今から竜王様をお呼びするので待っていてください」
監視に止められた。俺はそんなにオーラがあるだろうか。まぁいいそんな時こそ練習した魔術を使う時だ。
「変化魔法、ミラージュ」
唱えると自分の気配を消せる魔法だ。
そうしているとドラゴンに乗って乗ってくる人がいる。すると周りの監視役や人々はそいつを前に膝をつく。
「竜王様だ」
そしてみなその姿を見て感嘆している。
竜王がこちらにやってきた。
「お前が怪しいという奴だな、・・・しかしお前からオーラが感じられない。どういうことだ、」
やべー。逆に怪しまれちゃったよ。
「わたしはポテチと申します。昔から影が薄いのです」
適当なことを言っておく。
「そうか、この城内では監視役があちこちにいるから怪しいことをしても無駄だ。強くても俺が直々にお前を殺していくぞ。いいな!!」
「はい、わたしはこの城を見学に来ただけなのでご安心を」
確かに俺は洞窟に行くだけだ。こいつらには何もしない。
「こいつを通してやれ、」
「はっ」
俺は無事に通してもらった。
今日はまず休もう。そのために宿屋を見つけなければ。でも俺は早いうちに洞窟の場所を突き止めなければならない。よしピピに頼もう。
「ワカッタヨ、ヤドヲサガセバイイノネ」
ピピは俺の肩を離れた。
さっそく俺も洞窟を探しに行った。
この竜の国は広い。敷地面積は東京ドーム10000個分ぐらいありそうだ。適当に。
向かうたびに街の者に聞くのだがそこは結構有名な観光スポットで「瑞浪の洞窟」と言うらしい。そこは入り口から5分で着けるところらしく急いで行った。
中は暗い。そして深い。どこにいるかわからないけれど一番奥深くにいるのがベターだろ。俺は奥へ歩いて行った。
すると少し明かりがある。
「ここで行き止まりか」
一つの骸骨がマントか布にかぶせられている。
すると、死んだかのように見えた骸骨がガシャっと動き出した。
「もしかして父フォビアの友人でしょうか?」
俺は聞く。
するとその骸骨はしゃべりだした。
「そうか、お前がフォビアの息子か・」
「あなたはいったい何者でしょうか」
「ふぅ、俺の名はネクロ。死霊使いだ。それでお前は何しに来た」
「実は俺は父フォビアの言葉であるラグナルク帝国を魔国の属国にします。恐らく戦争になるでしょう」
「なるな」
「それで魔族は人族との相性が悪いが故、ネクロには力を貸してほしいのです」
うん。いいだろ。イイ感じに言えた。しかしネクロは違かった。
「いや無理だ。お前のオーラではだめだ。まず自分から鍛えなおしてみてはどうかね」
なーに問題ない。ある程度強い奴は正眼というので相手のオーラを見ているのか。しかし、だれも俺のミラージュは見破れない。
「わかりました、本当のオーラを見せましょう」
そう言い俺はミラージュを解除した。
するとネクロは当然のように驚いた。
「ふふ、全盛期のフォビアよりすごいじゃないか!!・・・よしいいだろ」
「ありがとう」
ちょっとうれしい。さっきのようにピピが仲間になるより、なんか正式にスカウトできた気分だ。
こうして俺はネクロとピピがとっている宿に向かった。
宿についたらピピになんか怒られた。なにしろ来るのが遅いということだ。そのぐらい別にいいじゃないか。
俺は部屋につき早速明日の計画を話す。
「明日は一度魔国に行こうと思う」
ネクロはうなづいていたが、ピピはなんでだろうという反応だ。自分の正体を教えようとしたがここは竜の国。監視されている。なので竜の国を出たら明かすことにした。
次の日、俺は部屋で帰る支度をしていた。するとドアがドンドンとたたかれた。なんだ、郵便かーと思い出てみると竜王がいた。何で?とびっくりしているとやばいことを気づかれてしまった。
「お前、昨日よりオーラが格段に上がっているぞ、」
しまった!もう一回ミラージュをかけるのを忘れてしまった。
「そ、そうですかねえへへ」
「お前、俺と対決しろ、」
俺はその提案に乗らざるをえなかった。
城を出た広い高原。立っているのは俺と竜王。
「なぜ私となんかと対決を・・・」
「お前の身に着けているその鎧・・・魔国で作られている特級品だ。ということはお前は魔族の中の魔族、魔王だな。」
ちぇっ、バレてしまった。
「ふん、そうだ」
「ならばよい、行くぞ、」
竜王はそう言うとすぐにこちらに襲いかかってきた。
これから竜王との戦いが始まる。
新連載です。
自分なりには頑張って小説を書いていこうと思います。たまにパクリがある神しれませんが、そこは大目に見てください。コメントじゃんじゃんください。