第一話 基本
家族を失くし、歩道橋で自殺しようとしている主人公『久遠』。それを止めようとする『那由多』。しかし二人とも力尽きついには二人で落ちて車にひかれて死んだ。気づいたら二人は異世界に!!!久遠は魔王に。那由多は騎士の赤ちゃんに。それぞれの使命を全うするべく、苦難の道を歩んでいく。
・・・久遠目線・・・
ふむ、なるほど。これはこれは俺も大した出世をしたもんだな。玉座に座る俺。右には女。そして執事。
よい空間だ。俺は今この場を満喫していると、執事が言った。
「クリムゾン様、約束どうりご即位されたからにはきちんとやってもらいますよ。」
「どういうことだ」
俺はつい言ってしまった。
しかし執事は表情を変えないで教えてくれた。
「クリムゾン様の父君である亡きフォビア様がおっしゃったこと、それはここから北にある騎士の国・通称『ラグナルク帝国』を属国として支配することそのためにはまずわたくしたちの魔国の国力を上げなければなりません。お忘れになったのでしょうか。」
「いや忘れてはいないもう一度確かめておきたかったのだ。すまなかったな」
「(まぁほんとは知らないんだけどねぇー)」
というかこいつ有能だな。
「貴様、名は何という」
「はっ、しかしながらクリムゾン様。わたくしは執事なうえ身分も高くありません名は持てないんです。」
なるほどそういうことならばしょうがないな。
「貴様に名を与えよう」
「しかしながらクリムゾン様。そんなこと言え、、、」
「関係ない!!! 実力あるものがすべてなのだ。俺はそんな力ある真の魔国を創るのだ」
我ながらカッコイイセリフだ。
しかし、周りは違かった。
「クリムゾン様、なんて大きくなられて。」
執事は俺の言葉に感激している。
右の女はもう泣きじゃけんでいる。この状況に一瞬戸惑ったが、今この状況に適しているセリフはこれだろう。
「そのためにお前たちの力が必要だ。これからも支えてくれるか?」
そういうと二人はすぐに返答。
「もちろんでございます。」
「クリムゾン様が言うのなら」
「貴様の名は『シャルケ』だ」
「ありがたき幸せ。」
「そちは名はあるか」
「わたくしの名前は『デウス・エキス・M・マキーナ』エキス族と魔族のハーフで準1階級。召喚魔術を得意としています。4日前からクリムゾン様の右腕として配属されました。あと昔からあこがれてて好きでした。結婚してください」
うんん!?
自己紹介からの唐突の告白ってすごいな。個々の世界では主流なのか?まぁいいか
「冗談はよせ。貴様は今からマキーナと呼ぶ。いいな!」
「そんな、わたくしなどに呼び捨てとは。なんて心の広いお方」
ほめていただきありがとうございまーす!!!っとそれは心にしまっておいて。
「シャルケ、今の内政状況について教えてもらえるか?」
さっきシャルケは言っていた。まず第一段階として内政状況を変えること、それは今一番最重要なことだ。フォビアという知らない父が言ったことなので間違いないだろう。
シャルケは少し考えた後、提案をした。
「では、魔国の町並みなどを見物しながら教えましょう。」
俺はその提案にうなずき、城を出た。
街に出るとそこは華やかだった。するとシャルケが話を始めた。
「では始めましょう。まず領土に関してです。この魔国の都市は城壁で囲まれており、上から魔城があり、上層部、下層部となっています。上層部は主に階級が2から4階級の者たちが住んでおり、身分も偉いです。ついでにわたくしは3階級ですがね。」
「まずその階級とやらを教えてくれないか」
そう、俺は転生してきたことを思い出した。なんでも具体的に知らなければ意味がない。
「はい、階級は6階級まであるのですが、一階級や準一階級以外の階級は種族によって決まっています。2から4階級は主にトロル(魔の妖精)やヴァンパイア(吸血鬼)、デュラハン(首無し騎士)などがいます。普段は商人や鍛冶屋などをしています。」
「じゃあお前は何なのだ?」
確かにさっき3階級って言ってたよな。しかし見た目は彼らのような見た目ではない。
「わたくしは今ではいるかどうかわからないフロスト族という西の奥地に住んでいた氷人の祖先なのですがここにきて身分を証明できるものがなかったので見た目で3階級と決められてしまったのです。まぁ別に良いことなのですが。」
ということはここにいるのは魔族ではない者もいるということか。
「話をつづけろ」
「はい、そういうことです。5階級はスライムやゴブリンがいます。彼らはいままであまり魔王の口を利かなかったので5階級にしています。そして6階級は・・・。」
ここでシャルケの話が止まった。話し疲れたのだろうか。
「階級については分かった。他にいま内政について話しておきたいことはなんだ」
「そうですね、あとは軍事面ですね。今は魔王様とお供で数人だけで何万もの敵と戦っています。しかし、考えてみるとクリムゾン様が死んだらほかの魔族も終わりなのでそこは一から考えたほうがいいかと。」
いやまてまて、俺が死んだらほかのやつらも終わりなの!?責任重大じゃん。そこで俺は誰でも思うであろう考えにたどり着いた。
「軍隊か・・・」
俺はつぶやいた。
さかしシャルケは、
「わたくしはそのようなものをつくると規律が乱れます。」
大反対のようだ。しかしながらそのほかに手はない。
「そのために俺がいるんだ心配しなくていい」
「さすがでございます。」
まだ考えているだけだけどな。
「俺は今の内政には不満ばっかしだ。それを解決するためにまず実力あるものを従えようと思う」
「でもどうするのでしょうか?」
「俺が街全体を見て回り誰か手なずけてくる」
「なるほどですな。確かにクリムゾン様の目には狂いはありません。その方向でよいかと思います。」
しかし俺には考えがあった。それは俺がずっと夢見たこと。
ハーレムだ。
後日、俺はマキーナを連れて上層部から街を見て回った。
「うおぉ、いろんなのが揃っているな」
今俺たちは上層部のいわゆる商店街っぽい通りを通っている。
「クリムゾン様」
「なんだ」
「わたくしたちのこの格好は何か意味が?」
今では一応魔王とその右腕とバレないように一般の格好でいる。しかしマキーナはご不満のようだ。
「苦労を掛けるな」
「いや良いのですが・・」
しかしながらお目当てである女がこの街にはいない。
「マキーナ、この街にメスはいないのか?」
念のため女ではなくメスと言っておく。
「よく気づきましたね。そうなんです。なぜでしょうねぇ?多分クリムゾン様と結婚していいのはこの私マキーナただお一人なのだからではないでしょうか」
「マキーナ本当のことを言え」
「すみませんね。メスがいないのは暑い日は子供が外に出たら焼け死んでしまうので地下で世話をしているのでしょう」
そうなのか。新たに魔族の弱点を知れたな。
その後も上層部を見て回ったが有能そうなやつはいなかった。
下層部では街に入った瞬間からうるさかった。まずどう見てもスライムやゴブリンではないやつが来たと大騒ぎになり追い出された。マキーナは臨戦態勢に入ろうとした。だが俺はこの国の支配者。クリムゾン魔王であるからには内戦は起こしてはいけない。決して。そこで冷静な俺が説得し、引き上げた。しかし奥からなにやら嫌な雰囲気が漂っていた。
その帰り
「マキーナ、ほかに城にはいないのかシャルケとお前以外に」
「それがですね・・・話が長くなりますが、この世界には異空間という5人の神しかもってない空間があるのですが」
「5人の神は誰だ」
とっさに聞いた。
「ノヴァ(闇の神)アメシア(水の神)ウー(星の神)ディーン(光の神)そしてジェイド(戦士)の五人です」
「ジェイドという奴だけ神じゃないのか?」
「はい、わたくしもよくわかりませんがが確か約30年前にキャルロン(大地の神)と大地の空間で一騎打ちで勝利したとか。それ時わたしやシャルケ、あと数名は城に残っていたのですが、フォビア様やそのお供していた数名がキャルロンを倒し、異空間を手に入れようとしていたころなのですが先にジェイドに越されフォビア様はジェイドと戦うことになってしまったのです。それで当然フォビア様以外は瞬殺されましたがたった一人フォビア様がくらいついていました。フォビア様はジェイドの左腕を切り落とすまで追い詰めましたが、圧倒的な力の差を前に最後は殺されてしまいました」
へー。
結構俺の父は強かったんだな。しかしジェイドという奴は戦士ということはこの世界にも当然人族もいるということか。
いずれ俺にも深く関係することになるんだろうか。まず今のことに集中しよう。
長く話しているとあっという間に魔城についた。今日はなんだかんだ疲れた。前世の俺だったらまだゲームでもしている時間だろうか。だが今はさっさと寝床につきたかった。
「マキーナ、また明日話すことにしよう」
「はい、承知しました。その・・・ついでに明日は何について話すのでしょうか?」
「考えているのはまずお供を増やすことは後回しにしようと思う。あとは明日また考える」
また明日も今日みたいに無駄に過ごしてはいけないからな。
「はい、わかりました。ゆっくりお休みください」
こうして俺は何かと大変な一日を過ごし終え、寝床につくのだった。
【人物紹介】
『マキーナ』・種族・・・エキス族と魔族のハーフ
得意技・・召喚魔術全般
チャームポイント・Hカップぐらいあるおっぱいにプリケツ
新連載です。
自分なりには頑張って小説を書いていこうと思います。たまにパクリがある神しれませんが、そこは大目に見てください。コメントじゃんじゃんください。