ずっとずっといっしょに イヨウネ♪
キョウも明日も貴方にアイタイ・・・
・・・今日モ明日モアナタにアエナイ
・・・私の婚約者であるアナタは、何故に私ではなく
彼女の側に居るのでしょうか?
彼女は平民ではありますが、聖魔法を慧眼させ聖女として召され、国のため働く事を義務付けされましたが・・・
聖女様の・・・側にいつも居るのは、なぜ私の婚約者のノエル様ですか?
なぜ?
確かにノエル様は神殿騎士として、神に使え
世の平和の為に働いているのですが
聖女様に使えているわけではないのです!
そう思い教会の司祭様に聞いてみたのですが
『聖女様がノエルを側に置くことを願っている。
・・・聖女様が願う以上変える事は出来ない』
私がいくら訴えても
そんな言葉が反って来るばかりです・・・
何時ものようにノエル様を思って、神殿に向かっていましたら
ザワっ、ザワザワ
あちらで何かがあったのでしょうか?
神殿に集まっていた人集りがいきなり、四方に走り出して行きます?
まさか?
ノエル様に何かが!
人波に逆らい神殿に向かった私の前で、聖女様を庇い魔獣と闘うノエル様が!!
!
魔獣に向かって、剱技を放とうとするノエル様に
『イヤ~! 助けてノエル!』
と聖女様が抱き付きます!!
やめて!
あのままてはノエル様が
何も考えられませんでした・・・
ノエル様に振り下ろされる、魔獣の爪の前に私は・・・
『!』
『 エルルーシア !!! 』
『ノ・エ・・ル・・・様・・・・ご無・・事・・で・・』
アカイナニカガワタクシノマエニ・・・
・・・ノエルサマガミエマセン・・・・・
多分・・・私はあのまま死んでしまったのでしょうか?
聖女様に付き従うノエル様の側に・・・浮いています?
『ノエルゥ~、いつまで落ち込んでんのぅ?いい加減あんなのわすれたらぁ?
アタシが居るんだからぁ別にいいんじゃなぁい♥️』
やつれて・・・頬が落ち込んでいるノエル様に
纏わりついている聖女様が言っておりますが
『やっと調査が終わりました・・・』
『え~なんのぉ~?』
ベッタリと、ノエル様にしがみついている手を
バシッ!っと
振り払い
『聖女様は、あの時・・・魔獣を誘き寄せましたね』
『なんのことぉ~?』
『エルルーシアが亡くなったあの時です。』
わざとらしく目を逸らしながら
『えーなにいってんだかわかんない?ナンで?アタシが
魔獣呼んだって?どうして?わけわかんないんだけど!』
ワタワタ言い訳を言っている姿は
どう見ても怪しいです。
明らかに怪しいのに自分じゃ分からないのですね。
挙動不審な聖女様に
『あの時何故魔獣か発生したのか、私は・・・エルルーシアの葬儀の後徹底的に調べました。』
『魔獣は・・・冒険者崩れに・・・聖教会から貸し出された【捕縛付】により連れてこられ、集会が行われている最中に解き放つ様に指示されていたことを』
『そして!それを指示したのは、聖女様だと言うことも!!』
ノエル様に問い詰められている聖女様は
『ナンでアタシが、そんなことしないといけないのよ!
そんなのその冒険者がかってにやったんでしょ!!』
『アタシはワルくない!!!』
『てか、そんなことする意味ある!!!』
見苦しいですね。
仮にも聖女様なのですから、もう少し・・・と
思いましたら
『あるとも・・・お前は本当は聖女ではないな』
えっ、そうなんですの?
『只の治癒術が使える魔法師だ』
えっ?
『あの時、魔獣を抑え聖女として民衆にアピールするはずが、はじめてみる魔獣の恐ろしさに慌て、とっさに私にしがみついてしまったのだろう?』
『アタシは魔獣を退治するんだから!そんなの知らない!アタシは聖女だからノエルはアタシを護るべきなの!』
どういう理屈ですか?
聖女様のお陰で・・・
ノエル様が死んでしまったかもしれませんでしたのよ!
そう思い憤って(ポルターガイストでも起こせないかしら?)
いっそ天罰でも下れば良いのに、などと思っておりましたら
『教会の司祭を誑かし、自らを【聖女】と偽り富と権力を得る為に、あの様な事をしでかし・・・エルルーシアを死に至らしめた・・・』
怒りのためか・・・ノエル様の全身が震え
『お前を裁く為の証拠は揃えている。
だが権力者を魅了しているお前には、そんなことは関係無いのだろう?』
そう問いかけるノエル様に
ゴブリン?もドン引きの顔で
『なんで魅了のこと知ってんの!
司祭にも教えてないのに!!』
『てかぁ、ノエルはアタシのもんなんだからぁ、なんでアタシの言うこと信じないのぉ?
え~、【魅了】効いてないの?』
チッ
えっ、今舌打ちしましたの?
仮にも聖女様?何ですからその様なことはしてはいけないと思うのですが
などと思っておりましたら
『魅了?そんなものは効くはずがない!
私にはエルルーシアがいる。
愛しい婚約者以外に興味を引かれるわけがないだろう!!』
ノエル様私は死んでしまいましたが、その言葉だけで私は十分です。
そう思って歓喜に震えておりました
『えーうけるぅ!
死んでんだよぉ、ノエルぅ可笑しんじゃないの?
アタシがぁ慰めてアゲルからぁ、そんな女のこと忘れたらぁ』
と、ケタケタ笑いながらノエル様の腕にしがみつこうとしましたその時
ボグッ!!!
『あギャッ』
と素晴らしい音を響かせ、ノエル様が聖女様を殴り付けました。
たとえ罪人だとしても、女性を殴るのはと思っておりましたら
倒れております聖女様?に手枷をはめて
『おとなしくするのだな、すぐに教会から審議官と王宮から宮廷魔術師が来る。』
『いギャッな・・ん・・デエ』
のたうちながらノエル様を睨み付け
『アダシがァ・・審議官に・・』
『当たり前だ
聖女を騙っただけでも大罪なのに、王都に魔獣を引き入れるなど!!』
『ぞんなの・・アダシの為にある世界ナンだガラァ・・・
』
?
『ボンドウな・・らぁ・・アタシにはぢゃんどぉ聖魔術がァあるはずなのに・・・ゲホ』
ペッ
口から血と折れたであろう歯を吐き出し
自分に治癒術をかけたようです。
『せっかくアタシから聖教会の司祭にみて貰ったってのに、アイツ治癒術しかないなんてほざきやがって!
だから、司祭をタラシこんで聖女と認めさせたのに!!』
その心根汚ならしいですわ
『そしたら、【魅了】がついてぇ
ア・タ・シ の思うがままって訳♪』
ニチャっと厭らしい笑みを浮かべ
『だからあ、審議官が来ても意味ないし
だって審議官もぉ【魅了】しちゃえばいいんだからぁ
アタシ最強♪
あっそっか、ノエルが背信者ってことになるよね』
と、ゲラゲラ笑い始めました
えっ!ノエル様と焦っておりましたら
静かに聖印を結び・・・祈りの言葉を唱えるノエル様の姿が
それと共に聖女?様にはめられた手枷が光り
魔方陣が浮かび上がります
『お前の魔法は今封じた』
ノエル様がそう言った直ぐ後に、審議官様・騎士団の皆様と宮廷魔術師の方々がいらっしゃり、叫びまくる聖女?様を連れていきます
どうやら隷属の首輪をつけられ、一生聖教会で使役されるそうです。
・・・神殿の裏にある・・・ガゼボがある庭・・・
お昼休みにノエル様に手作りのお弁当を持って行き・・・
最初は失敗ばかりだったのに、
『美味しいよ、エルルーシアまた作って』って言ってくれて
何度も何度も・・・
もっと美味しく作ってあげたかったのに・・・
誰もいない庭園に立ちすくむノエル様に
後ろから抱きつき
出るはずのない涙を流します
ノエル様の腰に巻き付いた私の手に!
ノエル様がそっと手を添えます
『エルルーシア・・・ゴメン護れなくて・・・』
いいえ
私こそノエル様の側に居られなくてゴメンなさい
そう呟くと
『エルルーシアが謝る必要はないよ』
?
『あんな魔獣に手間取って、結果エルルーシアを
死なせてしまうなんて、婚約者失格だ』
あの
えっと
ノエル様私の声
もしかして聞こえてます?
『勿論聞こえているよ。
エルルーシアは気付いていないけど、姿も見えているから』
えー何時からですか!
恥ずかしい !! 見えていないと思いだきついたり、頬にキスしたりしてしまったのに!!!
『何時って気が付いたらかな?
エルルーシアが俺の前に飛び出した時、魔獣の爪は・・・エルルーシアを貫き俺にも届いていたんだよ』
えっと
!
ノエル様怪我は?
『あの時、俺をかばったエルルーシアの体から暖かい光りが・・・俺の中に入り・・・一瞬で俺の怪我を癒した』
私から光りが?
『その光りは魔獣を弱らせ、俺の剣で倒す事が出来た』
良かった
ノエル様に怪我がなくて
『!
良くはない!!なぜ俺をかばった!!
俺は!
エルルーシアがいない世界になど、俺は生きて行くことが出来ない!!!』
私もです
ノエル様がいない世界など・・・
無くても良いのです
『エルルーシア・・・』
ノエル様
触れることは出来ませんと思っておりましたが、ノエル様は魂の私に向き合い
そっと抱きしめ
暖かい
ノエル様を感じられるのですね・・・
『多分エルルーシアが聖女なんだ』
私が?
『そうあの時に覚醒して死ぬ間際に、俺を護った時にその力を俺の中に移したんだと思う』
でも何で私はここに?
『エルルーシアの葬儀の後、俺は教会から【聖人】と認定された
エルルーシアの魂が、力として俺に入り込んだんだ』
?
『その時俺とエルルーシアは一つに生ったんだと思う』
ひとつに?
『あぁ、だから魂のエルルーシアを感じることが出来たのだと思う、これからはずっと一緒だよ』
ノエル様と一緒
嬉しいのてすが、ノエル様ご結婚は?
そうよ、ノエル様は生きているのだから・・・結婚して
子供をツクラナイト・・・
と、思っておりましたら
『エルルーシア、忘れたの?
【聖女】や【聖人】は結婚出来ないんだよ』
そうでした。
【聖女】様や【聖人】様はそのお力を民の為に使うため、
ご結婚は出来ない事を
ですが私は魂のみなのに
ノエル様の側にいても良いのですか?
そんな私をぎゅっと抱きしめて
『大丈夫、俺は触れらるのだから問題ないよ
愛しているよエルルーシア
生まれ変わっても
ずっと・・・ずっとずっと一緒にいようね』